九話「黒を撲滅へ」
私は彼の次の言葉を待つ。しかし彼は何も言わずに近くにいた黒い化け物たちを軽々と切り裂いていく。私は彼を見習った。
「あぁ、お前らは先にこいつらを蹴散らせ」とレッドアイは言う。
「お前の顔を見てるのも飽きてきた」と黒影は言うと、傘を彼の首に力強く振るう。
私は走って傘を縦にして滑るかのようにそれを塞いだ。
「時は来た」
兄はそう言うなり、私を飛び越えたかと思いきや一回転して彼の胸を刻んて着地した。
「ちっ、ジャンプ斬りミスちまった」
「痛いなぁ。いいこと教えてあげる。お前らが死んでもこの世界は救えねぇ」
「どういうことだよ、それ」
「上に巨大な玉を寄越した。空にはブラックホールって言うのがあるけど、それを利用させてもらった。つまり黒玉だ」
「おい、ユエール!!それは禁術だ」
「それがどうした?俺はもう、罪を重ねた。だから生きる価値はもうない。だからこそこの世界は俺と共に消えてもらう。レッドアイ、よかったな?お前らは俺が死ねば助かる。こいつらを置いてお前らの世界に行けば助かる。この世界はなかったことにすれば何も問題ない」
「ふざけんなっ!!救った恩を仇で返すようなお前みたいな人間に俺はならない。だから死ね」
「おい……話聞いてなかったのか?……ぐふっ……ぶはっ」
ユエールは彼に背中を貫通させられ心臓に穴を開けている。その穴に綺麗に埋まるように彼の傘が刺さっていた。近くにいた黒い化け物たちは消えていく。ユエールは死んだのだ。だが、危機はまたすぐに訪れるのだった。




