五話「森に向けて出発」
私が公園に着くと、もうすでに仲間たちは集まっていた。
「おっ、リーダーが来たな。みんな、集まっとけ」
明彦の命令に従い、他の者たちが彼を中心に集まっていた。しかし近くにあった草の茂みに隠れていたであろう女の子の手を見過ごさなかった。しかし私はそれに声を掛けると、恐らくヤバそうなので彼女のことは気付かないふりをしてそのまま仲間たちに話し始める。
「みんな、傘は持ってきたか?これから雨が降るらしい。だが、それは俺らにとっちゃ、最高のチャンスだ」
どうやら、みんなを見ると全員傘を持って来ているようだ。そのまま話を進める。
「そして俺達が目指すのは……あの森の中だ。もちろん、危険がある。クマに襲われるなどと滅多にないことから崖から転落するといったよくニュースや大人たちに聞かされる話までと危険なことは多い。だからみんなにもう一度聞こう。ここで帰ってもよい。それでも一緒に行きたい奴は手を挙げろ」
そう言いながら私は森に向けて傘の先っぽを差す。しかし誰も手を挙げなかった。そんな中、口を出したのは明彦だった。
「リーダー、手じゃダメた。みんなもこれを望んでるから手を挙げなかった。そう、ここはこれだろ?」
傘の持ち手が見えるように彼が持ち上げる。他のメンバーたちも同様に上げてきた。
「ふむ。何はともあれ。みんな、同意だな。さて、森の方へ向かうぞ」
「おおー!!」と仲間から声が鳴り響く。
私たちは公園の外に出た。そして森へと向かう道を歩くのだった。




