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四話「剛雲のギザイア」
私と雪下さんは食材等を集めるために宿よりも遠く離れた場所にいた。徐々に薄暗くなってきて周りを見るのも辛くなってきたその頃、私たちの目の前に奴は現れた。身を震えさせるようなうめき声が私たちの前から鳴り響く。そしてその前には大きな黒い体をした者が大きな斧を両手に持っているようである。まるでその姿はミノタウロス。恐らくこいつも雲でできてると判断できるぐらいのモコモコの形はあった。
「俺は剛雲のギザイア。この森を縄張りのうちの一つとする者だ」
「ねぇ、どうしよう。このままだと絶対危険だよ?」
「俺は女だからって容赦はしねぇ」
「ねぇ、レッドアイさんを呼ぼうよ!!」
雪下さんの今すぐ涙が落ちそうな顔が瞳に映る。しかし私はある考えを彼女に教える。
「もしかしたらこれが俺たちに与えた修行の試練なんじゃないかなぁ?これで勝てれば修行も早く帰れ……」
話をしている私の首元に向けて大きな斧が振り落とされる。みるみると私の首元にそれは近づいて来る。
「このバカチンどもがー!!」
私の目には赤色と共に見覚えのある女性の横顔が見えた。そしてその斧はそのまま流れに外れて地面に突き刺さった。




