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五話「今はやめておけ」
自分の持っている傘はこの場にいる皆よりも小さい。だからこそ隠しやすい。私の傘の先はその青いフードの男に向かっている。彼らが戦っているのを見ていれば銃の扱い方なんて私にだってできる。前の世界ではただただ傘を開くしか機能がなかったこの小さな鉄のボタンが今ではその役目を行う。こんな簡単なことが私の想いに答えてくれるとは。
「バカなことはよせ」
「ん?どうした?」
青いフードの男は声を発したレッドアイさんに向けて言う。そのレッドアイさんの先に繋がった手は傘を通じて私の後ろ首の襟元へと入り込んでいた。
「いや、こっちの話だ。……今はやめておけ」
彼の目は私とその男を共に見ていた。その眼差しはひどく鋭かった。
更新が遅れてすみません。




