一話「本来の敵」
私は遠くの雨雲に目が行く。先ほど使えた水の魔法よりもより広い雨が降りそうなものだ。いや、そもそも雨はこの世界で降るのだろうか?それに傘は武器としての使用……盾もあるが傘としての使用かも不明。そもそもこの傘はこの世界から来て何度も試しているが、開くことはない。
「ん?あれは敵だな」
レッドアイさんは目を鋭がらせて言う。
「敵って白いマントやあいつ……姫を襲った奴とかじゃねえのか?」
明彦は不思議そうな顔をして彼に投げ掛ける。彼は私たち全員の顔を見て首を横に振りながら言う。
「お前らは何か勘違いしている。確かにあれらも敵だが、本来の敵の一部でしかないと考えられている。まだ確証は得てないからこのことについては詳しく語れないが、簡単に言うと敵の何かが彼らに蝕んで彼らの意思ではなく敵の意思にコントロールされて私たちに襲いかかってきたとどこかの誰かさんの考えを信じているのだ」
「いわゆる寄生虫か何かか?」
私がそう言うと、ヨダレをこぼした彼が質問に答える。
「それがどんな虫かは分からんから何も言えねぇ。でもよ、その虫ってうまいのか?栄養たくさんか?」
その言葉に静かな風が一瞬吹き渡る。
「食ったことねぇよ。そもそも虫なんて食うか?」と明彦。
「何言っちゃってんの?頭大丈夫?君たちが昨日食べた飯の中に虫が食材として入ってうまそうに召し上がってたじゃないか」
その言葉に対して嗚咽を吐く者が続出するのだった。私もその中の一人だった。
更新が遅れてすみません。さらに二話分連続して出します。




