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十一話「水のイメージ」
レッドアイさんは彼女を見て納得したような表情で傘をまた前に押し出す。するとまた炎の的が出来上がった。
「やるな。次は君だな……それにしても変な傘をつかいやがる」
私は傘を構えようとすると、彼はそんなことを言い出す。この世界には折り畳み傘はないのだろうか。
「まぁ、よい。どうなるかはこれから知ればいいのだからな」
そう言った彼は黙って私の行動を見つめる。私は彼の言った通りに水をイメージする。元の生活の蛇口から出る水道水の勢いと便器の水の渦が脳裏に浮かぶ。そしてそのまま前に押し出す。すると傘から水が渦をうねる形で炎の的に向けて当たるが、それと同時に私は後ろへと弾き飛ばされた。その水はいつの間にか何もなかったかのように消え去った。
「こりゃあ、すげーな。合格だ。いや、それ以上……だ」
どうやら、私は魔法型という才能に恵まれていたのだろうと地面を背にして思うのだった。




