七話「兄の行方」
落ち着きを取り戻した私は顔を彼から離した。
「スッキリしたか?」
「臭かった」
「素直か!!」
彼は私を気遣って言葉を掛けてきたが、彼の言う通りに素直な感想が感謝の言葉よりも先に出てしまった。そんな彼に先程まで見ていた夢のことについて話した。彼はその間、何も言わずに首を軽く何度も縦に振っていた。
話終えると、彼は私を見つめるまま過去のことについて話し始めた。
「お前さんが見た夢は恐らく半分ほどは正しいのかもしれない。もちろん、この宿にいるお前の仲間たちや俺が死んでることは嘘に決まっている。だが、俺のこの役職に付く前にその前の担当者が亡くなった……と言うべきか?まぁ、それに近いことになっただろうな。そのお方はかつて黄金の傘を持っていたが、それ自体も消えてしまったからなぁ。あぁ、そうだ。確認だが、お前は兄がいたんだよなぁ?」
「いたけど、行方不明です」
「やはりか。お前はなんかあいつ……恐らくお前が言う兄に似ていると思って俺はあの土壁でお前らに会う時、確認しようと思ったんだ。だからあの時、助けた。まっ、そんなことしなくても助ける気だったがな。まぁ、それはさておき。どうやら俺の勘はこんな形だが、当たりに近い存在になったらしい。そうだな、結論から言うと、お前の兄はこの世界に来てそして今は行方不明になっている。俺らが従っていた黄金の傘を持った元隊長を殺してな。まっ、この話は一旦ここで終わりだ。行くぞ?」
私はこの世界の闇にさらに足を踏み入れようとしているのではあるが、この話続きと共にその話はまだ先の話であった。今は彼と共にこの部屋から荷物をまとめて出ていくのだった。
更新が遅くなりすみません。




