一話「チャンバラ傘」
放課後、誰もいなくなった小学校で雨が降るはずだったのに晴れてしまった天気の下の教室内で私は友達と戯れていた。
「てーいやー!!」
「まだまだだぞ、明彦」
明彦というのは私の親友の一人、熊田明彦である。
「そっちこそだ」
「ねぇ、そろそろやめようよ?怪我したらやだし……ねぇってば」
そう、声を掛けるのは秋宮すみれ。基本恥ずかがり屋さんだが、何かと心配事になると口を出して来る。
「危ないから下がってろ、リーダー命令だ!!」
私は彼女にそう伝える。
「すみれちゃん、大丈夫だから後ろ下がろうよ?」
そう声をかける男の子が秋川亮太である。
そんな時だった。教室の扉を思いっきり開いて一人の黒いワンピースにポニーテールの女の子が現れる。
「どうして放課後なのに帰らないのかしら?それも四人で。他のメンバーたちはどうしたのかしら?もしかして見捨てた?あれ?あなたたち、彼らのリーダーたちよね?まさかこの地域を救うとかなんとか言って結局は仲間の一人も救えないクズだったのかしら?ミルキー団なんて銀河は空でのんのんですもんね?ぷぷっ」
「明彦、中止だ。他のメンバーたちもそろそろ集めて家に帰るぞ。それじゃ、またね、厄介学級係の雪下さん」
雪下さんはクラスをまとめるべき代表としている女の子。なぜ『厄介』なのかはこのように質問しては私たち……いや、先生までも困らせてしまうからだ。『厄介』という言葉はまるで彼女のためにあるかのようである。ちなみに雪下みなみが彼女の本名である。
私たちは彼女と別れの挨拶を交わして教室を出て行った。




