四話「王族」
黄金の扉を開けると、輝かしかった。
黄金に光る壁。
氷のように水が綺麗に固まってるような床。
天井はエメラルド。
飾り物もゴージャス。
「何者だ。ん?お主は……」
「はっ。王様。連絡もなしに駆け抜けたことをお許しください」
「お前との仲だ。それよりそちらさんたちは?」
「途中で拾った迷い人たちです。そして初めてこの世に来て我らに貢献したいだそうです。どこかで聞いたことある内容かもしれませんが」
「ふっ……奴は今頃、何をしてるだろうか。まぁ、それはさておき……」
王様と呼ばれていた男は疑っていた表情を変えて微笑みながら私たちを見る。
「彼からどこまで聞いたのかは分からないが、なんでも聞いてみるとよい。この世界は傘を使用とした武器を使用としている。その傘は時に銃、時に剣、時に魔法、そして時に盾にもなる。武器だけじゃなく生活にも色々と関わってくる。それが我らの国、”パラソル・ザ・ワールド”。そしてこの世界は今、闇に飲み込まれている。それを止めるために七つの色別の隊を作った。最高トップが我らの直隊……白いフードを付けた奴らだ。そしてその次が彼がまとめている赤い連中だ。後は彼から聞きたまえ。そうそう、自己紹介がまだだったな。おい、そなたたち」
遠い所から女性と私たちと変わらないぐらいの女の子が来た。
「私はアクシェル・マルハッド・ノルメイト。ノルメイト王と呼ばれている。そして妻のアクシェル・マルハッド・二セル。娘のアクシェル・マルハッド……」
「お父様、こんな海にでも流れてきたワカメみたいな連中に私を紹介しないで下さい。べーーだ!!」
そう言うと、女の子はまた部屋の奥へと行ってしまった。名前はどうやら重なってる部分を除いてみても分からなかった。
「またあの子ったら。王族なのにあんなことして。ごめんなさいね」
女性……いや、女王もまた娘の元へと戻って行く。
「なんか色々と……」
そう、王が言った時だった。何かの爆発音と大きな振動がする。
「何だ、これは。何が起きてる?」
「私が見てきます……いや、ちょうどいい。お前ら、付いて来い。面白れぇもんが味わえるぜ。急げ」
こうして私たちは黄金の扉を抜けた。
もう一話分、本日更新します。