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一話「王宮の門番」
しばらく男に付いて行くと、城の大きさがはっきりと分かるほど離れた場所に着いた。白いフードを被った二人の門番がいる。
「全員、ここで待ってろ」
目の前の男が門番たちへと近寄る。
「あなたは……」と門番。
「赤傘隊長レッドアイだ」と彼は名乗る。
「偽物かもしれぬ」
「この傷跡でもか……」
彼の背後姿で私たちの目から傷跡が見えなかった。
「それとこの紙を見れば分かるだろ」
「ふむ……」
二人そろってその紙を眺める。しばらく沈黙が続く。
「了承しました。それであちらの方々は」
「その紙の……いや、この世界を変えてくれる救世主たちだ。若いけどな」
「あの人と同じようなことを……」
少し考えたようだが、彼らは納得したような表情で言う。
「くれぐれも中では静粛になさってください」
門番二人で何か呟いているが、聞こえない。言い終えた瞬間、扉が物凄い音を立てながら開く。
「どうぞ、中へ」
「ありがとうございます」
私たちは彼に続き、何も話さずに続いていくのだった。