九話「傘から出る銃弾」
近くに来た青色のフードを被った人数を見ると、私たちと大差ないようである。
「こいつらガキだぜ。女の方は弄べるな」
一番先頭に立ち、私たちに幾度となく声をかけてくるその男は言った。それを反論するかのように明彦もまた口答えをする。
「おい、てめえら何者だ?」
「やめろ。秋彦」
「あん?やる気か?」と前にいる奴が答える。
相変わらず傘を構えている。しかもその持ち方は剣を振るったり、私たちのチャンバラの姿じゃない。あれはまるでスナイパーがライフル銃を持っているかのようである。後ろですすり泣く声が聴こえてくる。女子たちでも泣いているのだろう。ここはリーダーとして無難な方法を選ばなくては。
「おい、秋彦謝れよ?」
「コイツら撃てねーに決まってる……」
そんなことを言う明彦や私たちに何かが飛んでくる。
「悪ぃ、外しちまった」
それはそこから出たんだという認識のせいで銃弾だと思われた。だが早くて認識できなかった。傘から銃弾とは……。日本なら犯罪である。
男がまた私たちに銃を構えていた。他の者たちもまた構えていた。その時だった。あの傘を持った男が目の前に現れたのは。
更新が遅くなってすみません。また第2部分に挟み込みで『登場人物+特殊名称紹介』を入れさせてもらいました。こちらも随時更新予定です。では、引き続き本作をよろしくお願いします。