僕は子供です。3
ちょくちょく前の話を変えてます。
すみません。
村を出て、その先の鬱蒼とした森を1時間程歩くと、目的の川が見えてきた。
皆村育ちで、畑仕事の手伝いなどを日頃からしているおかげか、ほとんど息を上げていない。
かく言う僕も、毎日隠れて行っているカインの見よう見まねの素振りのおかげで、体力だけなら5歳児のそれを遥かに越えている自信があった。
川に着いてすぐ、ガイが声を発した。
「よし!とりあえず、ここで一旦休憩にしよう!」
指示を聞いてから、皆それぞれ行動し始めた。ガイは川のそばの大きな岩の上に登り、リーダーらしく皆の行動を見守っているようだ。
スンは少し疲れたのか、その場に座り込んでしまった。
ランは今来た森の方に歩いている。たぶん小腹がすいたので、木の実でも取りに行くのだろう。
僕はと言うと、喉が乾いたので、川の水を飲んでいる最中だ。
そこにマインもやってくる。
「レーンはすごいのね。全然疲れてないみたい。」
「一応鍛えてるからね。でも、マインや皆もそんなに疲れているようにはみえないよ。」
「私たちは畑仕事で勝手に体力ついちゃったから。それに足なんて、ほら!こんなに筋肉ついちゃったんだからー。」
そういって、マインは自分のスカートをたくしあげて太ももを見せてきた。
その時僕は水を飲もうとしゃがんでいるわけで、するとパンツが見えてしまうのは仕方のないことで、、、。
平常心、平常心、相手は子供だぞと自分に言い聞かせる。
「そ、そうなんだー、僕はそれくらい健康的な方がいいと思うけどなー。」
「ほんと!それならよかったー!」
「はは、あ、あとあんまりそんな風にスカートはあげない方がいいと思うよ?」
「え、どうして?」
「そ、それは、、、」
ヘタにパンツが見えるから等と言えば、それの何がダメなの?なんて返されそうで、、、無邪気って怖い。
そんなことを考えていると、突然森の方から「キャーー」という叫び声が聞こえた。
「ランの声だ!森から聞こえた!皆いくぞ!」
ガイはそう言って、岩から飛び降り、森の方に走っていき、僕たち3人も慌ててそのあとをついていった。
「ラーン!どこだー!」
皆でランの名前を呼ぶ。
「くそ!見つからない!」
「ここら辺で、木の実がいっぱい採れるところはない?」
僕は先程の自分の推測を皆に伝えた。
「それなら、この先に沢山野イチゴが採れるところが、、、あ!」
そう言ったマインの視線の先には、うつ伏せに倒れているランが見えた。
読んでいただき、ありがとうございます。