世界を統一する者です。
初めての投稿です。
とても拙い文で、すみません。
そこは真っ白な空間だった。何もない、ただただ真っ白な空間。
「どこだ、ここ?」
なぜこんなところにいるのか、ここがどこなのか、記憶が曖昧でわからない。
どうにか思い出そうと頭をひねっていると、突然声が聞こえた。
「貴方は選ばれました。」
女性の声だった。
「誰ですか!?」
突然のことだったせいで、驚いて声が裏返ってしまった。
声が裏返った恥ずかしさを紛らわすために咳払いをしていると、クスクスと笑い声が聞こえた。
「今回は随分と可愛らしい子ですね。ああ、笑ってしまい申し訳ございません。確かに、突然このような所で目覚めて、声だけが聞こえるなんて状況、驚いて当然ですね。ちょっと待っていてください。」
そう女性が言った後、その真っ白な空間が眩く光ったと思った次の瞬間、目の前に美しい女性が立っていた。
その姿はまるで絵画から抜き出してきたかのような、この世のものとは思えない美しさだった。
髪は長く腰元まであり、白色のドレスがそのメリハリのある体のラインを強調している。
そして、最も目が引かれたのが、その女性の背中からはえた、真っ白な翼だった。
「あ、貴女は?」
「私の名前はラミエル、お察しかもしれませんが、天使です。」
その女性は名前をラミエルといい、自分を天使だと紹介した。
確かに天使感あるなー、とは思ったが、まさか自分から天使だと紹介してくるとは思わなかった。
しかし、翼はあるし、よくよく見れば頭の上には黄色の輪はあるし、天使なのだろう。少なくとも天使級の可愛さなのは間違いないと思い、信じることにした。
「それで、天使のラミエル様が僕にどのようなご用件でしょうか?確か、選ばれたとか、、、」
「はい、貴方は選ばれました。世界を救う勇者に。」
なんとなく理解することができた。これは俗に言う異世界転生ものか、はたまた異世界召喚ものなのだろう。
そう言うことなら、最初に聞いておくことがあるだろう。
「そうですか、わかりました。じゃあ、僕はどんな(チート)能力を頂けるのですか?」
やっぱり、異世界ものはこれがないと始まらない。
「はい、貴方に授ける能力は言語翻訳です。」
ん?ゲンゴホンヤク?それって元々ついてる機能じゃないですか?
「えっと、まさかそれだけじゃないですよね?」
「申し訳ございません。これだけです。あえて言うなら、貴方がこれから向かう世界には火、水、土、風、雷、光、闇の7属性があり、貴方はその全てに適正があります。しかし、それも珍しいだけで、その世界の住人にも全ての属性に適正のある者は存在します。また、貴方には能力の限界値がありません。しかし、それも貴方に寿命があるため無限に強くなれるわけではありません。」
能力に限界値がないのはチートといえばチートだけど、成長速度なんかがわからないと、判断が難しい。今のところ少し珍しい一般人レベル。
これでその世界に魔物がウジャウジャいるとかだったら、異世界行って早々死ぬなんて可能性もあるな。
「そうですか。そういえば、世界を救うって敵はどんなのですか?やっぱり魔物とか悪魔とかですか?」
「そうですね、魔物や悪魔もいます。まとめて申し上げれば、ラミエル教以外の異教徒になるでしょうか。」
ラミエル教って、なんだかこの人も危ない人に思えてきたな。確かにこれだけ可愛ければ、信仰してしまう気持ちもわからないではないけど。
「異教徒?魔物や悪魔にも宗教があるのですか?それに、"も"ってことは、、、」
「宗教とは少し違いますが、宗教と同じく信仰する対象はいます。魔王ですね。それと敵は魔物や悪魔だけではありません。人間もいます。残念ながら。」
なんだか、面倒な話になってきたな。宗教に興味はないし、世界を救うことと他の宗教をなくすことになんの関係があるのかもわからないから、適当に話だけ会わしておくか。
「そうですか、わかりました。とりあえず、異教徒を居なくすればいいんですね?でも、それって不可能じゃないですか?」
「そうですね、難しいと思います。なので、貴方には世界を統一していただきます。そうすれば、勝手に宗教は広まっていきます。」
大雑把だな、見た目と正反対だ。
でも、分かりやすい目標もできたので、この話はもういいか、どうせ無理だしな。
「わかりました。誠心誠意頑張ります。」
「はい、期待してますよ。」
どんな根拠をもって期待するのか、理解できねーと思いながら、次の質問をする。
「それで、世界を統一し終わったら、僕は元の世界に帰れるんですか?」
「元の世界?ああ、そうですね。帰れますよ。」
そういった天使はとてもいい笑顔をしていて、つられて僕も笑っていた。
「ああ、よかったです。安心しました!」
「それはよかったです。では、もうご質問はないですね?」
そう天使が言った瞬間、目の前が暗転した。
「いってらっしゃいませ。」
それだけ聞こえ、次に明るくなったと思った時には、目の前に知らない女の人の顔があった。
読んでいただき、ありがとうございます。