#7 三人の出会いは突然に……
生徒達や教師達がいないとある二年生の教室に銀髪で白いラフな服を着た少年らしき人物が外の景色を眺めていた。
その人物は他の教室でもよかったと思ったが、ほとんどの教室は窓ガラスが割れていたり、空薬莢が落ちていたりと危険な状態だったと判断したからである。
数分くらい経過した時、白いロングワンピースと無駄に長い白衣を着用した女性が少年らしき人物の居場所を察したかのように、開いていた教室の扉から覗き込むように立っていた。
しかし、その人物は彼女がいることに気がついていない。
「あ、あなた! 教室にいると危ないわよ?」
女性は少年らしき人物に注意するように言った。
その人物は彼女がいる方に振り向き、一瞬だけキョトンとしていたが、「もしかして……」と呟く。
「どうかしたの?」
「ええ。あっ、申し遅れました! ボクはニャンニャン刑事です。手榴弾を使って戦っています」
「ということは、一緒に戦ってくれるということ!?」
「はい!」
「私は謎の白衣の美女パースエイダープレイヤー・ミサ。呼び方はあなたの好きなように呼んでいいわよ。武器は拳銃を使っているわ」
「お名前が長いですね。じゃあ……ボクは「ミサさん」と呼びましょうか?」
「えっ、ええ……」
ミサとニャンニャン刑事と名乗った二人は簡単に自己紹介をした。
彼女の頬がほんのりと赤くなり、「ミサさん」と呼ぶ彼に少し惚れてしまった模様。
「よろしくお願いします、ミサさん」
「こちらこそ。よろしくお願いします、ニャンニャン刑事さん」
「まずは怪盗ベルモンドを探すとしよう」
「そうね!」
彼女らは今回からの敵である怪盗ベルモンドを捜索しようと先ほどまでいた教室から出ようとしたやさきだった。
「おーい!」
どこからか男性の声が二人の耳に入ってくる。
彼女らは周囲を見回すが、声の主の姿が見当たらない。
「も、もしかして……」
「ゆ、幽霊とかじゃ……」
「「イヤーッ!」」
ミサ達は互いに抱きつきながら悲鳴をあげた時、例の声の主が姿を現した。
「おいおい、オレのことを幽霊扱いとは失礼だぞ! って、あれ? 君達は俺と一緒に戦う仲間達か?」
その人物は純白の服とマントを身に纏い、可愛らしいネコ耳と素顔を隠す仮面をつけ、手にはなぜかラジカセを持った不審な男性。
ミサとニャンニャン刑事は「あの……どちら様ですか?」とその人物に声を揃えて問いかけると彼はこう答えた。
「オレはニャンニャン仮面だ! これからよろしく! ところで君達の名前は?」
「わ、私は謎の白衣の美女パースエイダープレイヤー・ミサです……」
「ボ、ボクはニャンニャン刑事です……」
「「よ、よろしく……」」
ニャンニャン仮面と名乗った人物は彼女らの間に立ち、ミサに右手をニャンニャン刑事に左手を差し出し、仲よく手を繋ぐ。
その時、左右に立っていた二人はかなり引いていた。
「よーし、今日からテンションを上げて頑張っちゃうぞ! みんな、オレについてこい!」
そのような状況でニャンニャン仮面は彼女らの手を放し、ハイテンションな口調で戦隊ヒーローのような決めポーズをする。
「果たして、ボク達はこの人についていって大丈夫だろうか……?」
「いいえ、不審な人物についていったら駄目よ!」
「そうだな」
「彼のことは「変態仮面」と呼びましょう」
「ああ」
ニャンニャン刑事とミサは彼から少し距離を置き、白い目を向けるのであった。
2018/12/06 本投稿




