#33 合唱コンクール本番
あれから一週間経過――
一年生にとっては、はじめての三年生にとっては最後の合唱コンクール当日となった。
会場である体育館では生徒達はみな緊張している模様。
この学校の合唱コンクールは一年生の1組から5組の順で二年生、三年生も同じように全校生徒の前で合唱曲を披露していく。
表彰は一年生と二年生は各学年一クラスに学年優秀賞を、三年生は学年優秀賞の他に最優秀賞も受賞されるのだ。
まずは校長の長くありがたいご挨拶と実行委員長のご挨拶を聞く。
「まずは一年生です。1年1組のみなさまは準備をお願いします」
実行委員のアナウンスが流れ、1年1組の生徒達がステージに登壇し、合唱曲が披露された。
*
二年生の全クラスが合唱曲の披露を終え、最終学年の三年生に入っている。
「――3年4組のみなさまは準備をお願いします」
アナウンスの指示に従い、3年4組の生徒達がぞろぞろとステージに向かい始めた。
このクラスは紫苑の彼氏である崇史が所属し、音楽教諭の福山が受け持っているクラスであることから、学年優秀賞や最優秀賞は確実にほしいところである。
しかし、彼女は彼を応援する余裕がないどころか、クラスが別々なことからライバル関係だ。
よって、紫苑達は崇史達のクラスはもちろん、全クラスの中で最後に合唱曲を披露するというプレッシャーに負けてはいられない。
ベルモンド騒動に巻き込まれ、最後の追い込みに入った途端、「このままだと不利だ!」と言われたり、クラス内でギクシャクしていた時期があった彼女らだが、この二週間でなんとか完成に近づいた。
ここまで辿り着くまでにいろいろあったけれど、彼女らは自らの力でここまできたのだ。
待っている間は誰もが静かに自分達の出番を待つ――
3年4組の生徒達が歌い終わり、ステージから観客席に降壇した。
「――では、3年5組のみなさまは準備をお願いします」
彼女らは静かに観客席からステージに向かう。
紫苑の手には折れない程度に指揮棒を持ち、クラスメイトに続き、最後に登壇した。
彼女は観客席に向かって一礼し、指揮台に上がる。
ここまで一緒に頑張って練習してきたクラスメイトの顔を見回す紫苑。
そして、全員で一度頷き……本番が始まった。
彼女は力一杯、指揮棒を振り、彼女らの歌声はステージはもちろんのこと、観客席に響き渡る――
『女子が男子パートを歌う』という他のクラスとは逆手に取った手段で挑んだ彼女らの合唱の本番が終わり、ステージから降壇したあとは観客席で他のクラスの生徒達と結果発表を待った。
2026/03/11 本投稿




