#31 男子生徒と女子生徒、どちらを救う?
ニャンニャン仮面とニャンニャン刑事はロープで縛られた生徒達を救い、体育館に避難させた。
彼らはミサの様子を見に行くと、彼女はベルモンドと必死に戦っている。
「ミサさん、これでもくらっていてください!」
「うるさいわね! キザ怪盗ベルモンド!」
ニャンニャン刑事が手榴弾を一個投げ入れると、煙があっという間に充満していた。
「げほっ、けほっ……ニャンニャン刑事さん、いきなり邪魔しないでください!」
「いきなりも何も……」
「あっ! ニャンニャン刑事さん、おかえり! 変態仮面と一緒だったんだ!」
「ミサさん、この教室にいた生徒達は全員避難させた」
「ありがとう!」
「だから、オレのことを『変態仮面』って言うな!」
煙が晴れるとミサの視線の先にはニャンニャン刑事とニャンニャン仮面の姿があり、ベルモンドと二人の相棒はその煙でむせている。
彼女は白衣の中からハートマークのシールが貼られている謎の水溶液が入っている試験管を取り出した。
「残りはベルモンドと二人の洗脳された生徒だけだな……って、ミサさん、何をしている?」
「この水溶液はね、一回の戦闘につき一回しか使えない洗脳を解くことができる貴重な水溶液なの。私はもうそろそろとどめを刺そうと思うの。意外と変態仮面も役に立つじゃない」
ニャンニャン刑事がミサに怪訝そうに問いかける。
彼女はその間にベルモンドと戦っているニャンニャン仮面を褒めていた。
「一回しか使えないということは……今回はベルモンドか二人のうちのどちらかしか使えないのか?」
「この水溶液はキザ怪盗には効かないから二人のうちのどちらか一人だけよ」
「ミサさんはどちらにするのか?」
「女子生徒にするわ」
「分かった。気をつけて」
「うん!」
ミサはニャンニャン刑事に謎の水溶液の解説をした。
彼女は女子生徒の洗脳を解くことにし、歩み寄ると「何か?」と言いたげな表情を浮かべている。
例の水溶液が入った試験管を彼女の両腕に垂らし、徐々に元の姿に戻っていった。
「ふぁ!?」
「気がついたか?」
「ニャンニャン刑事さんにミサさん!?」
「ニャンニャン仮面もいるぞ!」
女子生徒が気がつくと、ニャンニャン刑事が背後から支えており、目の前にはミサが微笑を浮かべている。
ベルモンドと戦ってボロボロになっているニャンニャン仮面の姿もあった。
「謎の白衣の美女パースエイダープレイヤー・ミサさん、ニャンニャン刑事さん、ニャンニャン仮面さん。私を助けてくれてありがとうございました!」
「「どういたしまして」」
ベルモンドが現れてからここまででおよそ二時間が経過した。
彼は女子生徒が救われていくところを相棒の男子生徒と眺めていた。
「……ああ……私の相棒の一人が……」
「これで決着がついたでしょ?」
ミサはベルモンドの肩を叩きながら、耳元で囁く。
「そうですね……次回こそは負けませんよ!」
「あの、ベル様は泣いているのでしょうか?」
「泣いてなどいない! 次回に向けて作戦会議をするぞ!」
「はい!」
彼は涙ぐみながら彼女に宣戦布告し、校内のバス停付近に置いておいた改造した逃走車に乗り込み、男子生徒とともに逃走した。
ミサ達も「もう大丈夫だよ」と優しく言い残し、それぞれ散っていく。
彼女らによって助けられた女子生徒は静かに見送った。
「私は今まで何してたんだろう……」
教室には先ほどまでベルモンドの手下として動いていた少女は誰もいなくなった教室でぽつりと呟く。
校内放送のメロディーが響き出した。
そのアナウンスは放送委員の生徒ではなく、この学校の校長が行っており、体育館に避難していた生徒達や職員が校舎にぞろぞろと戻っていく。
校長から「本日の部活動は急遽中止」と指示が出されたため、生徒達は速やかに帰路に着くのであった。
2026/02/28 本投稿




