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#26 ベルモンドによって洗脳された二人の生徒

 その人物は黒ずくめで首から懐中時計をペンダントのようにさげ、両手には拳銃をそれぞれ一丁ずつ持っていた。

 彼こそがこの学校の敵となっている怪盗ベルモンド。


「「で、出た! 怪盗ベルモンド!」」

「こんにちは。三人の勇者達」


 三人はベルモンドを見て思わず叫んでいた。

 彼は挨拶(あいさつ)がてらに拳銃から二回銃声をあげる。

 右の拳銃からは発砲された銃弾は眼鏡をかけた男子生徒に、左の拳銃からは優等生タイプの女子生徒に向けて発砲された。

 彼らはもちろん、春原と秋山が受け持っているクラスの教え子である。

 時計や他の生徒達は止まったままなのに対し、二人はゆっくりと動き始めた。


「先生! 二人、動いています!」

「本当だ! 二人とも、大丈夫? 怪我してない?」

「「…………」」


 紫苑と彼女は動いている彼らを見て口を開く。

 しかし、二人は春原の問いかけには答えず、無言だ。


「ベルモンド! うちの生徒に何をした!?」

貴方(あなた)達が受け持っているクラスの生徒さんを代表して二名、拳銃(これ)で撃っただけですよ」


 秋山がベルモンドの胸ぐらを掴み、怒りを(あら)わにしている中、淡々と答えるベルモンド。


「今、思ったんですが……それって、もしかして洗脳ということですか?」


 紫苑は冷静になり、彼に自分で推測したことを試しに言ってみた。

 春原と秋山は同時に「洗脳!?」と驚く。


「お嬢さん、そういうことになりますね」

「やっぱり。今は二人しかいませんが、これから犠牲者が増えてしまったら責任を取ってくれますよね?」

「それはどうでしょう? 私の優秀な部下達よ! ここにいる人間達を人質にするのだ!」

「「はい、ベル様!」」


 ベルモンドは彼女の推測に回答した。

 その横では洗脳された二名の生徒は教室にいる生徒達を人質にする準備を開始する。

 彼らは三人ずつロープで(ほど)けないよう身体を縛りつけていた。


 これは緊急事態である。


「さあ、夏川! 今すぐ、放送室に行ってきて!」

「えっ!? 先生が行ってきてくださいよ」

「放送委員だろ? 「ベルモンドがきたぞ! 至急、安全なところに避難しろ!」だけアナウンスして、ここに戻ってくればいいんだよ!」

「そうそう。秋山先生が言ってたことをそのまま言って戻ってくるだけなんだから簡単でしょ? ちゃっちゃとアナウンスしてきちゃいなよ」

「はーい。行ってきまーす」


 春原や秋山に促され、紫苑は指揮棒から事前にラジカセの隣に置いていたバトンに持ち替え、放送室に向かった。

2026/01/14 本投稿

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