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我が目覚めた理由とは


――異形の者。


わたしに名前は無い。

或るのは首ノ輪だけ。つい昨日 まで、手にも足にも枷が付いていたが全て取り払った。

アレはあまり宜しいものでは無い。人の子のように『ココロ』と呼ばれるものがあるわけではないがどうにもざわつく。


我は目覚めた時から一人だった。

目を開けて、最初に見えたのは檻。それが檻だと気が付くのに時間は必要無く、手足の違和感に気付くのにも時間は必要無かった。

ただ解らなかったのは、何故我は此処に居て、何故手足の自由を奪われ――何故目を覚ましたのか。

売り飛ばされるなら目覚めなければ良いというのに、その方が売る側も好都合であろうに。


――異形の者。


世界には二通りの者がいる。

人の子と、異形の者と呼ばれる我の様な者。

異形の者は人の子が持たぬ力を持ち、頭脳を持ち…言うなれば人の子より優れていると言われておる。

その為か、異形の者の肉を食べれば不老長寿やら美肌効果やら、嘘のような言葉が信じられてしまった。

今回もその為に我は捕まったのであろう。食されるために捕縛された、それだけの事。


だが我は目覚めたのには何か理由があるのでは無いかと思っている。

我等わたしたち異形の者は捕縛されたその時に生きる事を止める。だというのに我は目覚めてしまった。

死にたくないと思ったわけではない、食べられたくないと思ったわけでもない。

人の子に一泡吹かせてやりたいだとか、そんな事も考えてはおらぬ。

ただ、目が覚めてしまった。それだけなのだ。

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