それはいけない事でございますよ~⤴⤴⤴
普通という言葉は信用ならないものであるのです。
というのは普通という言葉は自分に一番近いもの普通というのですから。
なので、変態だよきみは。いやいや普通だよ。いやいや変態だよきみは。ということになるのですね。
僕こと立川操君は中学2年生の14才だ。
家族は操君をいれた3人家族。父親の忠邦、母親の路子そして一匹レイビア(*和訳=小陰唇)という猫を飼っている。
さて、今日も元気に学校に行くお様子です!
第一話 「それはいけない事でございますよ~⤴⤴」
まだ辺りは白く霞んでいる頃、操君はゆっくりと目を覚まし学校へ行く準備をしていた。
すると押入れがスーッと開き、操君を見ている者がいる。
「シューシュー...」なにか鋭いものでなでている音がするや否や、「今朝もお早いでござんすなー」
と操君に静かに言った。
「ああ、レイビア、悪いね起こしたかい?」
といつものような優しい声で操君が言った相手はなんと、操君が飼っている猫のレイビア(*和訳=小陰唇)だったのだ。
レイビアは陽気な声で「いいでござんすよー⤴⤴私も早く起きられて三文も得をしましたでござんますよ~⤴⤴」
と言った。
「またっく、レイビアは朝から元気だなー、でもまだ早朝なんだから静かにしてくれよ」とそんなに嫌でもないように操君は答えた。
「おおっとこれは失敬でございますよー」とレイビアは笑いながらいった。
この二人の出会いは動物を飼うことになるいわいる普通の出会いではある。
端的に言うと捨て猫をひろったのだ。
しかもこの時はまだこの猫は人間の言葉を理解し話せることは隠していたのだ。
そうとも知らず操は決してかわいくない猫(そうレイビアはかわいくない猫なのだ)をかわいそうだと思い拾ってあげたのだった。
だがこのレイビアの奇妙さは人間と会話するだけではなく、なんと100年以上も生きており、そして一番不可思議な事は、操を変態と感じているというところだ。
操はいうまでもなく誠実で実直な優しい少年であり、困っている人を見ると放っておけないような人間だ。
その事をレイビアは認めている。
しかし、それとこれとは話が違うとでもいうのか、それともそういう人間だからこその闇が、この14才の少年にあるのか。それを確実に見極め、そしてもし、変態の道に進みそうになった時、レイビアは操を正しい道に導いてやるのが、拾ってくれた恩人への恩返しと思っているのであろう。