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告白と告白

告白と告白


あの話を聞いて以来、苦悩の日々。メールの返信はないし、悲しい。


お店の営業はいつも通りに進んでいく。いつものお客様とカクテルと会話。


楽しい時間のはずなのに・・・


午後11時、チャーリーがやってきた。


「ウォッカリッキーください。」


チャーリーは何か思いつめた感じだった。


「ヨッシー、ちゃんと話してきなさい。」


マスターに言われて、チャーリーの前に


「あの、ごめんなさい。ずっと黙ってて」


「淋しかったです。本当」


「ずっと言おうと思ってたんです、でも、言い出せなくて」


「いつから、行くんですか?」


「10月14日から1年の予定です。」


14日ってコンペの日じゃない。


沈黙がつづいて、私は思い切ることにした。


「私は、あなたが好きです。一目惚れから始まって、仲良くなってこれからもっと知り合えたらと思っていました。」


「僕も好きです。何回か会って、本当にいい人だと思って惹かれてました。」


お互いの告白は決して感動的なものではなかった。


「今の時期に一年もフランスに行くなんて言えませんでした」


「言ってくださいよ。待てるかどうかはわからないけど」


「ごめんなさい。一年行ってきます。待っててください。」


「それはわかりません。お互いの努力しだいでしょう」

最初からそう言ってくれればいいのに、私はチャーリーが好き、そしてあなたは私が好き


普通は一件落着でしょう。


でも、何もこの時期に一年もフランスに行かなくてもいいのに。


「じゃぁ、今日は私のマティーニ飲んでください。」


「はい、喜んで。」


カクテルの中では、アルコール度数も高くきつい。でも、ジンとベルモットの香りが甘い。


今の私の気持ちにぴったりです。


時間は、午前零時


最高のマティーニをチャーリーに。


「きついね。」


「当たり前です。マティーニですから」


チャーリーはじっくり味わって飲んでくれた。


「14日はコンペなので、見送りはいけませんから」


「こっちこそ、応援いけなくてごめん」


「フランス行ったことないので、マスターにつれっていってもらいます」


「是非、来てください。案内しますから」


「そこの二人、盛り上がるのはいいけど、何で俺が連れていかなあかんかな」


マスターがようやく、話に入ってきてくれた。


人生の先輩として、マスターは二人に渇をいれた。


恋愛に溺れる奴は使えないというのが、マスターの持論。


私も女性バーテンダーとして、一番気をつけていたのに、反省です。


一目惚れから始まった、恋は一応の決着となった訳です。


恋とは、そんなに全てが上手く行くものではないですね。


念願の彼氏は、フランスに一年も行ってします。


あ〜、上手くいかなね。


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