自棄酒
自棄酒
美佐の自棄酒は午後7時すぎから続いてる。今は午後11時。
まさかの村田さんのゲイ発覚にさすがの美佐もショック大!
西さんや高島君など常連さんが慰めたが、それは治まることはなさそうだった。
「何でよ!どうしてあんないい男がゲイはわけ?」
「まぁ、人には色々趣味思考があるかね。」
かおりさんと由真さんが慰めてくれているけど、まったくダメみたい。
慰めてる姉御達は言葉と裏腹に目が笑ってるのが、なんとも怖かった。
「まぁ、早めにわかってよかったんじゃないの、深みにはまる前で。」
「あんたはいいわよね、チャーリーとうまく行ってて。チャーリーもゲイなんじゃないの?いや、絶対ゲイだ!そうに決まってる!」
ギクッ!その話題はダメでしょう。以外と敏感な話題なんだけど。
っていうか、やつあたりすぎじゃない。
「美佐ちゃんには俺がいるじゃない。もう、そんな絡んだらあかんで」
マスターの言葉に美佐の目が輝いた。これはやばい気がするなぁ。
「じゃぁ、マスターエッチしようよ!」
この女、何て事を、姉御達はドン引きしてる。
マスターも危険な一言のような気がするなぁ〜。
「美佐ちゃんがそう言うやったら、ええよ!」
な・何!マスター!やばいって!
酔ってデロデロの美佐の目がきらきら光りだした。
今の瞬間、美佐の頭の中から村田さんは消えた!
「マスター、私たちもお願いしま〜す。」
由真さんがちゃちゃ入れてきた、でも以外と本心ぽかったけど。
「マスターのソルティードックが飲みた〜い」
どっから声だしてんのよ、この女は。美佐の猫なで声はいつ聞いてもぞっとする。
「いいよ、美佐ちゃんの為に作ってあげるから、もう、自棄酒はやめとき」
マスターはやさしい人だけど、女は勘違いする生き物なのよ。知らないから!
マスターのやさしいスナップシェークの音は店内を和ませた。
さすがに美佐も治まった感じはしたが、ある意味違う物が始まった気もした。
「で、はやみの方は本当に大丈夫なの?」
かおり姉が痛い所を突いてきた。
「たぶん・・・」
「曖昧な返事やね、大丈夫かいな」
そんな事言われての、まさか、あなたもゲイですか?なんて聞ける訳ないし・・・
「ヨッシー、ちょっと出てくるわ。あとよろしく!」
えぇ〜、マスターが美佐を連れ出すって、まさか、やっっちゃうの?
姉御達も私も目を丸くしながら二人を見送った。
「まさか本当にエッチしに行ったわけないよね?」
由真さんの問いにみんなは首をかしげることしか出来なかった。
私たちが困惑している中、村田さんが入ってきた。