出会いは偶然?
第一章 出会い? 1
出会いは偶然かもしれない?
しかし、それが恋愛になるの必然かもしれない?
私の名前は吉沢はやみ 歳は崖っぷちの29歳!
仕事はバーテンダー!ちかごろは女性バーテンダーの事をバーテンドレスとも言うらしい?
神戸にある、バー「アスラン」と言うお店で5年お世話になっています。
現在彼氏は無し、決してイケテないとは思わないけど、仕事柄なかなかねぇ〜
若い頃は恋愛してないと不安になるくらいだったけど、歳を重ねる事にだんだんうっとうしく
思うようになってきた。
元来、男っぽい性格でめんどくさがりなので元々恋愛は向いてないのかも?
お店には沢山の男性が来るけど、決して恋愛対象ではない気がする。
「ヨッシー!明日、梅田に買い物頼める?」
うちのマスターの達川大樹!
歳は36歳、嫁あり娘あり男前ではないけどやさしいし腕もいいバーテンダー
「いいですよ。グラスですか?」
「この前予約しのが入ったって電話あったんだけど、明日は寄り合いの日だからなぁ」
「わかりました。いつもの シュール さんですよね?」
「あぁ、じゃぁ頼むよ」
私の職場は神戸は三宮にあります。15坪ほどのバーです。
マスターと私とバイトの男の子の3人でやっています。
夕方5時から翌2時まで!カクテルが売りのお店です。
お客様もいい方ばかりで楽しい職場です。
だからだめなのかなぁ?ぬるま湯と言われればぬるま湯です。
マスターは師匠と弟子と言うより兄と妹って感じで可愛がってくれます。
一人暮らしの私は食の全てはお店です。賄いが最大の栄養源!お店が終わってお腹減ってたら
マスターがご馳走してくれます。あぁ〜流されてるかな?
2
いつも午前2時にお店が終わって片付けして出るのが3時すぎかな?
家に帰って寝るのが5時ごろ、起きるのが正午ごろが普通。
三十路前の女の生活じゃないよね。
今日はマスターのお使いで梅田に行くので、少し早めに準備開始!
もともと化粧化がほとんどないので準備と言っても、他の女性ほどかからない!
家を出たのが午後1時すぎ、三宮から阪急に乗る。
JRのほうが早いが、阪急のほうが好き
特急に乗って30分ほど、ゆっくり出来る時間
席が空いていたので座って携帯チェック!
メールボックスにはマスターからの「おはよう」メールとお店のブログコメント
両方に返信しながら時間を潰す!
停車駅の岡本をすぎて、夙川に着いた時
数人のおば様達と一緒に一人の男性が乗り込んできた。
歳の頃なら30前後だろうか?がっしりした体格だけど顔はシュッとした感じ
髪は短め、なんだかやさしい目をしている。
私の目の席に座った彼に私は釘付けになった。
何!一目惚れ!
恋愛欠乏症のせい?
彼はおもむろにかばんから文庫本を出し読んでいた。
スーツではないのでサラリーマンではないのだろうか?
平日の昼間
電車の時間が何ともいい時間に変わった。
向かいの席で私は、人間ウォッチングにふけった。
彼の事をチャーリーと名前を付けた。
何でって?だって携帯ストラップにチャーリーブラウンが付いていたから!
友人の美佐にメールを打つ!
「大変〜!目の前にむっちゃタイプの人が居る〜!ドキドキ。」
メールの返事は早かった
「おは〜!何々?何処に?どんな人?」
目の前のチャーリーに目をやりながらMAXメール打ち
「阪急に乗ってマスターのお使い行く途中なんだけど、夙川から乗ってきた人がいい感じ
一目惚れかも?」
美佐にあれこれメールで説明した。
「はやみが一目惚れって久々じゃない!頑張れ!お近づきになりなよ。」
チャーリーはその間、文庫本を熱心に読んでいた。何を読んでるのかはカバーで見えないのが残念
電車は十三に着いた。チャーリーは降りる様子はない。あと一駅
梅田までもうのこり3分くらいしかない!
ドキドキして、焦っても何とも出来ない歯がゆさが全身を包んでいた。
ハンカチでも落とすか?それとも貧血のふりして倒れかかってみるか?
そんな古典的な作戦が成功するのか?
思い切ってメアドでも渡すか?ん〜、頭爆発しそう!
何ともドキドキの時間はあっと言う間、チャーリーともお別れね。
電車は梅田に着いた。私は茶屋町口から出ないといけないのだけれど・・・
チャーリーは何処へ行くの?
私はチャーリーの行動を気にしながら電車を降りた。
まっすぐ紀伊国屋のある出口に向かっている。
あぁ〜反対方向!でも、いいっか!
チャーリーのあと後ろから着いていく
姿勢よく歩くチャーリー、何とも後姿もかっこいい〜
改札を抜けると、そのまま紀伊国屋に入っていってしまった。
さすがにそこで気がついた!
何やってんだろうあたしは!
後ろ髪を引かれる思いでチャーリーとお別れをした。
ほんの少しだけ恋愛気分を味あわせてもらった気がした。
崖っぷちの29歳!これでいいのかなぁ?