そのゲームの誕生
オンラインゲームを取り扱おうとなったのですが、結構今まで気がひけてました。
ここでも他サイトでもかなりの実力者ばかりが手を出している、というのが原因です。
という訳でやろうとしては諦める、を繰り返していたのですが……始めてみることにしました。
後、この話は様々な視点で話を展開する予定です。
これは、昔『If』という作品の時にしていたのですが、ちょっと色々あって挫折してしまったリベンジです。
まだまだ実力は足りませんが頑張ります。
自分で言うのも何ですが、暖かく見守ってください。
2032年、新たな電子機器企業、株式会社ハナビが誕生した。
始めは大して巨大な企業ではなかったのだが、可もなく不可もなく、地道に結果を重ねることで着実に売上を伸ばすことができた。
取り扱うのは、主にゲームの類で、携帯ゲーム機から、テレビゲーム、パソコンでのオンラインゲームなど、様々だ。
ジャンルも豊富で、アクション、ロールプレイング、音ゲー……挙げると数限りない。
後世、『Quest Online』のプレイ人口が世界人口の二分の一を越えるようになった原因の一端は彼らが担っている。
もう一つ、忘れてはならないのが脳科学者、七里 紅理の影響である。
2084年、全世界中で驚かれた大発明が、彼の研究の成果に依存しているのは誰もが知っている。
“見たい夢を見せることができる機械”、その発明は人々の心を揺さ振った。
その後あらゆる企業が、夢の中での記憶を残す方法を模索した。
寝ながらにして勉強などができる。
そのようなゴールを設定して、数多の会社が研究に乗り出す中、ハナビという会社だけは少し雰囲気が違っていた。
彼らは、オンラインゲームに活用するためにそれへの研究を始めた。
見せたい夢を見られるのならば、後は夢の中の出来事を外部に記録し、ゲームをプレイする人たちの夢をシンクロさせれば良い。
数十年にも及ぶ試行錯誤の結果、2158年に、体感式アクションオンラインゲーム、『Quest Online』は生まれた。
発売と同時に爆発的な人気を集めたこの新基軸のゲームは、伝染病よりも早く、世界へ拡散した。
そしてこの物語はそれから五年後――――ゲーム自体が、車や電化製品並に普及した時代の物語である。
世界に疲れた少年と、それを取り巻く人々との、夢の国の中での物語。