濁った世界
この世界は濁っている。
都合の悪いことは、すべて黒い暗幕をかけられて暗闇へと葬り去られる。
人間なんて、所詮そんなもの。
自分のことしか考えられない愚かな者たち。
人生の有利な位置にいる者は、
勝ち負けを決めたがる。
自分の優越感に浸るためだ。
自分がいつか、敗者になりうることにすら気ずかずに。
そして、自分が敗者になったとたんに世の中を憎む。
くだらない。
こんな世界は消えてなくなってしまえばいい。
いっそのこと、私が世界を作ってしまおうか。
ダレも私のことなど見ていない。
私の存在を望む者などいない。
私はいつも、勝者に利用されて捨てられる。
勝者には、敗者の気持ちはわからない。
わかろうともしない。
面倒だからだ。
私のような
周りの者から捨てられ、ズタズタに傷つけられ、光すら見えなくなっている敗者なんかに媚びを売らなくても、自分の周りには人が集まるからだ。
だからなんだと言うのか。
勝者の周りに集まる者達も、所詮は1人で何もできない敗者たち。
群れをつくり、勝者にでもなった気分でいるだけだ。
なぜあんな者達が笑い、私が苦しまなければいけない。
私がなにをしたと言うのか。
私は勝者に踏みつけられて、価値の無くなった敗者だ。
だから私が新し世界を作る。
私のためだけにあるanother worldを。