確率は六分の一で助かる方法は只一つで
この作品での過度の期待はおやめ下さい。
作者は少し泣きそうです
薄暗く狭い部屋で少年は椅子に座らされて、拘束衣を着させられていた。
目の前の丸いテーブルの中央には一丁の回転式拳銃が置いてある。
「クソ、なんだよコレ、何処だよココは」
真っ暗な部屋に置いてあるテーブルの中央だけにライトは照らされている。
「何処なんだろうねぇ、まぁ僕には関係ないけどね」
真っ暗闇の向こうから声が聞こえてきた。
「誰だよ、テメェは」
「アハ、僕は誰だっていいだろ?」
得体のしれない奴、何を考えているのか、すら、わからない人間。
「いいわけないだろ、お前はこんな状況に置かれてうれしいのかよ!」
半ば怒鳴り気味で少年は相手に言う。
「だってぇ、僕がこの状況をつくったのに、置かれるも何も関係ないだろ?」
「てめぇか、てめぇが、俺をこんな所に放り込んだのかよ!」
「そんなことよりさぁ、ゲームをしよう」
ゲーム、そう相手は言った。
目の前の銃を見れば誰だってわかる。このゲームはロシアンルーレットだと。
「この拳銃を使ってロシアンルーレット」
「ルールは簡単先に死んだ方の負け」
いたってシンプルにして、尚且つ最も難度の高い心理戦のデスゲーム。
「……それは、正気か?」
少年は少し冷静になり、発言する。
「……正気、何言ってるの?」
「人を殺す事になるぞ、そんなことは少なくとも俺はパスしたいな」
少年は知っていた、ゲームはもう始まっている。デスゲームにおいて一番重要なのは、一に運、二に以下に相手をコントロールするか、三つに主導権の把握力。
「……つまんないじゃん」
少年は机に置いてある銃を手に取る。
「面白い事なんて、探せば探した事が馬鹿になるぐらいあるだろ」
「じゃ、僕はこのデスゲームが面白い事だよ」
「左様ですか」
この手の人間には、どうやら言葉は通じても物事の捉え方は通じない、ようは、頭が飛んでいる奴、快楽殺人者みたいな奴ら。少年の脳は至って冷静だった。
「で、ルール確認だ、ルールを教えてくれ」
落ち着いた物腰でルール説明を促した。
不正や少しでも自分に不利なら変更させるのと確認の為
「ルールは今さっき言った通りに死んだ方が負け、銃の装弾は6分の1」
「普通のロシアンルーレットだな」
「うん、そうだよ、それとパスは一人1回までね」
「あぁ、理解した」
少年はその条件にうなずく。
「あ、拘束衣とかは開始と同時に外れる様にしてあるよ」
「御親切に」
皮肉も込めて言う。
「じゃ、開始だね」
銃に1発の弾を装填し、シリンダーを勢いよく回転させ、直ぐに手首を捻り、装填完了。
「勝っても負けても怨みっこなし!」
「怨むよ、怨まない方が可笑しい事だよ」
「へっへ~、僕は生きているかな、いないのかな」
「どっちだろうな、俺には死に人に見えるよ」
カチッ、と音を鳴らした拘束衣は、少し手を加えればすぐに全身の拘束は解かれた。
「イッツアショウタイム!」
そして、デスゲームは始った。
……すいません、次回作は力を入れていく所存です
なお、次の投稿日は活動報告の方でさせていただきます