表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

スカ×桜 第1章 第1話 「交信ノ桜 ― 光と記憶のはざまで ―」

ヴェルティアの夜景に、ひとひらの花びらが舞い落ちた。

中条潤はビルの屋上で、その光を指先に感じた瞬間、

見知らぬ記憶の断片が脳裏を駆け抜ける。

――雨、転倒音、そして女性の悲鳴。


「まただ……この映像、どこから来る?」

AURAの音声が揺らぐ。「未知の記憶波が接続中。

送信者の名――“桜魂”と記録されています」


その言葉に潤の心臓が跳ねた。

映像の中、雨の中で倒れた男が一人。

その男に手を伸ばす少女の姿。

「……桐生さくら?」

名前を口にした瞬間、街の光が淡く脈打つ。


桜色の電光が塔の先端を伝い、

データの海に花の紋様を描き出す。

その中心に、誰かの声が響いた。

『ありがとう、助けてくれて――』


潤は膝をつき、額に汗を浮かべた。

その声は確かに“生”の温度を持っていた。

「これは……誰かの魂の残響だ」


AURAが警告音を鳴らす。

「接続波が不安定です。これ以上は――」

「いや、繋ぐ。彼女がまだ呼んでる」


潤の手が端末を握りしめた瞬間、

都市のノイズは消え、代わりに“春の匂い”が漂う。

――桜魂の記憶が、スカイリンクの空を渡り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ