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第1章 第4話 「エコーの街、沈黙の声」

夜明け前、ヴェルティアの街は曇りガラスのように眠っていた。

中条潤はコンビニの明かりに背を向け、屋上へ向かう。

いつものようにAURAが耳元で語る。

「都市ノイズ値、午前四時現在で通常の七倍です」

潤は苦笑して煙草をくわえた。「お前、静寂を知らんやろ」


屋上の柵越しに、薄明かりが滲む。

そこに立つのは、前夜に見た“影”の人物。

フードを脱ぐと現れたのは、同じタワーの清掃員・凛子だった。

「……あなた、昨日、光を見たでしょ」

「え?」

「私も。誰かに“見られてる”感じがして」

彼女の声は震え、手には古い通信端末が握られている。

そこには、意味の分からない文字列――『SAKURA-CORE LINK』の文字。


潤は息を飲んだ。「これ……ただの信号じゃない」

AURAが割り込むように発声する。

「解析不能なコードを検知。人間の感情パターンと同期しています」


その瞬間、街のスピーカーがノイズを発した。

遠くのビル壁面に、紅い“花びら”のような映像が映り、消える。

凛子が呟く。「この街、誰かが繋ごうとしてる」

潤は空を見上げた。


そこには電波でも光でもない――“誰かの想い”が、形を持ち始めていた。

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