表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第1.2章:試練の入り口!

おかえりなさい!作品を読んで、素敵な時間を過ごしていただけたら嬉しいです❤️

ウヅキは依然として静かに都市の中心を歩いていた。


超高層ビルが鋼鉄の針のように天へと突き刺さり、浮遊する構造物が空中を舞っている。巨大なホログラム広告が至る所に溢れ、光と音の洪水が初めて訪れた者の感覚を圧倒する。


通りには未来的な乗り物が流星のように走り抜け、人々はその間をすり抜けていた。だが、大多数の住民の服装は意外と普通で、時折、まるで戦場に向かうかのように装甲を身にまとった者が現れる。


彼らの手には「スマートラップ」と呼ばれる時計型デバイスがあり、精緻な紋様と多様なデザインバリエーションを持っている。ホログラム画面を投影し、通信、検索、取引などが可能で、まさに次世代のスマートフォンである。


ウヅキはそんなものに一切興味を示さなかった。


彼は喧騒の中を幽霊のようにすり抜け、虚ろな目で周囲を見ていた。まるでこの世界そのものが、ただの背景に過ぎないかのように。



大通りを抜けた後、彼はひと気のない細い路地へと足を踏み入れた。


ウヅキは袖をめくり上げる。彼の手首には黒いスマートラップが装着されており、金属の粒子が重力に逆らうように浮遊し、惑星の周囲を回る衛星のように回転していた。


彼がデータを確認していたその時──


*ゴン…ゴンッ!*


何か重いものが金属に衝突したような音が響いた。


「警告:危険が接近中です、契約者様!」


システムの声が脳内に響いた瞬間、ウヅキは即座に体勢を低く構え、後方に5メートル以上跳躍した。その動作はわずか一秒にも満たなかった。


*ドオオオンンン!!*


巨大な何かが彼の元いた場所に叩きつけられ、地面が揺れ、亀裂が走り、砂塵が舞い上がった。


やがて、煙の向こうから巨大なサソリの尾が現れた。


「契約者様、これは“スカルノックス”です…!!」


「黙れ。」


システムの声が最後まで届く前に、ウヅキは冷酷にその言葉を遮った。システムは即座に音声を停止した。


彼の目の前には、全長3メートルを超えるスカルノックスがいた。軍用合金のような硬質の装甲を纏い、赤く燃える瞳はまるで地獄の魔獣。


> (スカルノックス:暴君サソリの一種。高速で移動し、戦車並みのパワーと猛毒を持つ。標的を決めると決して逃さない。)


スカルノックスは迷わず黒い毒液を尻尾から発射した。ウヅキはさらに後退し、表情を崩さずに呟いた。


「面倒だな…」


彼はポケットに手を入れ、冷たい青白い光を放つ短剣を取り出した。


スカルノックスは待たない。漆黒の閃光となって突進してきた!


ウヅキは避けなかった。逆に地面を蹴り、正面から加速する。


あたかも戦車に向かって突っ込むかのようだった。


だが直前で、彼は体をひねって後方へ滑り込むように回避。そのまま、短剣をスカルノックスの下腹部へと突き刺した──


*スパッ!*


一閃。すれ違いざまの致命打。


スカルノックスは硬直し、巨体を地面に崩れ落とした。


ウヅキは一瞥もくれず、ホログラムを起動して位置を再確認していた。


*ピッ…ピッ…*


不意に、聞き慣れない電子音が響き、周囲の空間が歪み始めた。風景が崩壊し、白い部屋が現れる。壁面は無数の正方形で構成され、まるで呼吸するかのように膨張と収縮を繰り返している。


「…なんだ、ここは?」


ウヅキは眉をひそめ、瞳孔が細くなる。


*コツ…コツ…*


背後から足音が近づく。


振り返ると、若い男性が現れた。茶髪に灰色のスーツ、黒い帽子を被っている。


「お前は誰だ? ここはどこだ?」

まるでアニメの主人公のような問いだった。


男は立ち止まり、帽子を胸に当てて深く一礼する。


「先ほどはお騒がせして申し訳ありませんでした。」


彼は顔を上げて名乗った。


「私はアワモル・クラ。ここへあなたを迎えに来た者です。この場所は特務機関の試験室で、あなたが記録通りの資質を持つかどうかを確認するためのものです。」


ウヅキの眉がさらに寄る。


「…じゃあ、ここが“あの組織”か。」


クラは微笑んだ。


「その通りです。私は隊長から、あなたを“温かく”迎えるように指示されました。」


「いつから俺を連れてきた?」


「実は、あなたがあの路地に入った瞬間です。あそこは我々の領域で、認識システムが即座にワープを作動させました。」


ウヅキはしばし沈黙した後、尋ねる。


「これからどうすればいい?」


「今はまだ予備テストを終えた段階です。本試験は今日の午後に実施されます。」


「……」


さらに一つ問題が増えた、とウヅキは顔をしかめた。


「契約者様! 現在、進捗はまだ40%です! 引き続き任務を!」


システムが再び現れ、ウヅキの怒りが再燃する。彼は本気でこの忌々しい存在を潰したくなっていた。


「ウヅキさん、大丈夫ですか?」

クラが少し驚いたように声をかける。


「…問題ない。」


ウヅキは冷ややかに返す。


「では、こちらへどうぞ。午後の本試験に向けて、特務候補生用の待機室へご案内します。」


しばらく考えた後、ウヅキは短く返事をした。


「……分かった。」


二人は初期試験室を後にし、待機室へと向かう。


「今日の試験は、まだ始まりに過ぎません。本当の戦いは、試練の扉の向こうにあるのです──」

お忙しい中、最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

今回の章は少し長く、そして短くなってしまったこと、お詫び申し上げます。

日常の仕事でとても忙しく、なかなか執筆の時間が取れなかったためです。


ですが、第1.3章では皆さんの期待に必ず応えられるよう、全力を尽くします!

この作品を読んでいただけて心から感謝しております。

これからも応援していただけたら、とても嬉しいです。


本当にありがとうございます❤️❤️❤️

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ