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明日への灰:宇宙の光線  作者: Uzuki Shinigami


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12/14

第1.12章: 終わり…それとも始まり?!

皆様、誠に申し訳ございません。予期せぬ事情により、先ほど間違った章をアップロードしてしまい、ストーリーに支障をきたしてしまいました。誠に申し訳ございません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

マグナスの巨大な剣が振り下ろされる瞬間、黒いエネルギーが死の弧を描いて渦巻いた!


*ドカーン!!!!*


流星のように巨躯が飛び込んできた。

空気を爆破するほどの衝突、アルウェンに直撃するはずだった致命の刃を逸らせるほどの威力だ。


剣の刃は地面を削り、まるで堀が引き裂かれたかのような長い溝を残した。


埃が晴れ、アルウェンが目を開けた。


彼の前に立ち、完全に彼を庇っているのは、あの謎の戦士だった。


だが彼はもはや、以前の輝く鎧をまとってはいない。

分厚い鎧板は粉々に吹き飛び、肩と腰に金属の断片がわずかに張り付いているだけだ。

残りは…

雷神の槌によって刻まれた山岩のような肉体を露わにしていた。


皮膚の下には爆発的な電気の筋が絡みつく筋肉。

マグナスによる切り傷が、石柱に刻まれた裂け目のように彼の肩と背中に刻まれている。


彼はまだ背筋を伸ばして立ち、アルウェンは生ける山を見るかのようにただ見つめるしかなかった。


マグナスも半秒凍りついた。


彼を包む黒い風が思わず揺らめいた。


「…」

「星騎士?」


彼の声は低くなり、戦いが始まって以来見せなかった警戒を帯びている。


「お前…十年前に死んだはずではないのか?」


戦士は答えなかった。

ただ首をかすかに回し、骨の軋む音が聴く者の胸に雷鳴のように響いた。


そして、熔けた鉄の煙のように熱い息を吐き出した。


彼の声は低くしわがれていたが、一言一言が足元の大地を震わせるほどに力強かった:


「私は一度倒れた。」

「だが死んだわけでは…ない。」


マグナスは目を細め、暗黒の霊気が彼の周りに集まった。

「不可能だ…」

「お前のような者…」

「あの後生き延びられるはずがない。」


人々が失われた伝説と見なしていた星騎士は、マグナスとアルウェンの間の道を遮るように立ち、雷の杖を肩にかついでいた。まるで一度も倒されたことがないかのように。


戦士はアルウェンを振り返り、そして分厚い鏝で覆われた手を差し出した。

その巨大な手がアルウェンの前に差し伸べられた瞬間、時間が凍りついたかのようだった。


鎧は引き裂かれ、体は何十回も倒れた前線の兵士と変わらないように見えるが…

その顔…


アルウェンが不可能だと思っていた顔だった。


静かな目、太い眉、そして間違いなく、確固たる落ち着き。


アルウェンは荒い息をした。

体の傷はもはや存在しないかのようだった。

彼はその巨漢から目を離せなかった。


「エリアス…??」

彼の声は詰まった。

「どうやって…でもどうやって…?」

「どうしてお前なんだ?」


エリアスが答える前に、激しい *ガガガガン!!!!* という音が響いた。


エリアスがちょうど嵐の降り注ぐような杖撃をマグナスに解き放ったのだ。


マグナスはもがいたが、体に突き刺さったままの数十本の矢が煙のように移動するのを妨げていた。

彼は大剣を上げて防ぐしかなかった。


衝突による衝撃波はあまりにも激しく、土と岩が怪物に叩きつけられたかのように巻き上げられた。


両者とも押し戻された。


エリアスはアルウェンを庇い、まだ杖を地面に突き刺し、荒い息をしながらも視線は揺るがなかった。


そして彼はかすかに身をかがめ、低く、しわがれながらも不思議に優しい声で言った:


「…殿下…」


彼は大きな手をさらに近くに伸ばした。


「立ち上がりましょう。」


数十倍強く。

より大きく、雷に囲まれ、鎧はぼろぼろだが、伝説から蘇った守護神のような風格。


アルウェンは剣を強く握りしめ、感情と衝撃で手が震えた。


信じられないようだった、過去の光景が心に走馬灯のように駆け巡る…

村に薪を運んでくれるエリアスの優しい笑顔。

子供たちに弓の弦を張る方法を教えるエリアス。

屋根を直すのを手伝い、決して手柄を取らないエリアス。

過去について尋ねると、いつも話題をそらすエリアス。

普通の平民と何ら変わらない。

信頼できるほどに平凡に見える男。

三つ目の狼にも立ち向かえないようにさえ見えた。


それが今…


彼は輝かしい鎧の破片をまとった伝説の戦神のようだった。


アルウェンの手は激しく震えた。


「..これ…これは一体何なんだ??!!!」


アルウェンの疑問が胸から引き裂かれるように発せられた。

エリアスは彼の質問に答えなかった。

彼はただそこに立っていた…石のように沈黙して。


「危ない!!」


声が叫んだ。


考える間もなく、アルウェンはエリアスの手首をつかみ、彼を引き倒した。ちょうどその瞬間…


*ビューン!!!!!*


マグナスの大剣の刃が横に空間を引き裂き、エリアスが今立っていた場所をきれいに薙ぎ払った。

もしアルウェンが半秒でも遅れていたら…

あの巨漢は体のもう一部を失っていただろう。


二人は振り返った。


そしてマグナス。皆が動きを封じられたと思っていた彼は、今、怒りで裂けた笑みを浮かべてそこに立っていた。


彼の鎧は燃え盛り、黒煙が渦巻き、まるで燃え上がらんばかりだ。

吐く息一つ一つが闇そのものの叫びのよう。


彼は動きを止めたふりをしていた。わざと隙を見せていた。致命の一撃のために。


エリアスとアルウェンは彼に向かって立ち上がった。


軽い金属音が響いた。

いつの間にか?エリアスの手には今、長く真っ直ぐな剣があり、古代の文様を帯び、まるで空そのものから引き抜かれたかのように輝いていた。


アルウェンは驚いた。


エリアスは彼を見なかった。

しかし彼の声は低く、アルウェンが彼から今まで聞いたどの声よりも強く、確固たるものだった!


「殿下…全て説明します。すべてを。」


風は止んだ。背後で稲妻が光った。


「だが今は違う。」


彼は剣を握りしめ、マグナスを見つめる目は戦場の真ん中に落ちた流星のようだった。


「敵はまだあそこに立っている。」


彼の声の重み。

それは年老いた農夫のものではなく、

村人たちの中に住む無口な山林住民のものでもない…

かつて世界を震え上がらせた伝説の戦士、星騎士のものだ!


一瞬、二人とも沈黙した。


エリアスは剣をアルウェンに渡した。

指が柄に触れた瞬間、アルウェンはその中に鼓動を感じた。眠っていた魂が突然目を開けるかのように。

決して屈することなく、最後の一息まで戦う戦士の魂。


遠くで、マグナスが黒い剣を上げた。

しかし彼は彼らに向かって斬りつけはしなかった。


代わりに、矢の一斉射撃を放った射手たちの位置にまっすぐ斬りつけた。

アルウェンは警告の叫びを上げようとしたが、しかし–?


「待て!」

エリアスが彼の肩を引き戻し、その声は鋼のように低く鋭かった。

「あれが最大のチャンスだ。彼らは無事だ。」

突然エリアスは一瞬沈黙し、アルウェンの肩を握る手が強くなり、目が突然決意の光を宿した、何か重要なことを言おうとしているかのように…

「殿下…」

「あの剣は単なる道具に過ぎない…」

「真の力は…」

「..あなたにある、アルウェン!」


アルウェンは一瞬呆然とした。

だがアルウェンがさらに話すのを待たず、エリアスは彼を力強く前に引っ張った。


アルウェンは突然気づいた?

体が無重力のように感じられ、反応がこれまでの体が許した以上に速い。

まるで手に持った剣が彼に力を与えているかのようだ。


マグナスが振り返った。

彼は全身に力を込め、両手で黒い剣を握りしめ、そして地面を踏み鳴らした!!


*ドスン!!*


エリアスとアルウェンもまた杖と剣を振りかぶり、その速さに対抗するために自らを発射した。


両者はまっすぐに向かい合って突進した!!


突然、膨大な量の黒煙がマグナスの体から爆発し、彼を飲み込むように口を開けた黒穴のようだった。


エリアスが大声で叫んだ、雷のように響き渡る!!!


「殿下、今すぐかわせ!!!」


アルウェンはなぜか尋ねなかった。

本能的に、重心を横に移した。


*ゴゴゴゴゴ!!!*


煙の中から、巨大な顎が飛び出し、歪むほどの力で空気を噛みしめた。

マグナスは再び巨大な闇の竜に変身していた。彼は何か深淵の悪魔のような生き物のように煙の中から飛び出してきた。


エリアスとアルウェンの体は地面に叩きつけられ、足は岩だらけの地面を強く滑ったが、なんとかバランスを保った。


エリアスが再び大声で叫んだ!!!!

「殿下、突撃!!!」


アルウェンはその叫びに驚き、エリアスを見た。


「心配するな、ただ前へ突撃しろ!!!」

エリアスの叫びは砲撃のようで、アルウェンは我に返った。

彼はマグナスを見て、すぐに片足を後ろに引き、躊躇うことなく脚で強く地面を蹴り、全身が恐ろしい速さで前へ跳んだ。


マグナスもまた、四本の巨大な脚で力強く突進し、地面を重く耕すように進み、翼を激しく羽ばたかせて暴風のような風を起こした。


彼は首を高く伸ばした。口の中から、紫色の光が歯の隙間から突然差し込んだ、明らかに精鋭兵士たちを吹き飛ばしたあの能力と同じものだ。


「それに気を取られるな!!! 突撃!!!」

エリアスが再び力強く咆哮した、アルウェンの一瞬の躊躇いさえが貴重な機会を失うのに十分であるかのように。


アルウェンは力を注入されたかのようで、彼はマグナスにまっすぐ突撃した。


マグナスは気にも留めず、口の中の光からエネルギーが渦巻き、轟音を立て、破滅の光線として放出されるのを待っているだけだった。


しかし、どこからともなく稲妻が彼の頭を直撃した。


*バン!!!*


ほんの一瞬、爆発の軌道がアルウェンの方向から逸れ、まっすぐ地面に叩きつけられた。


アルウェンは止まらなかった。彼はただマグナスの首に向かって突進し続けた。


「ウォアアアアアア!!!!」


彼は力強く咆哮した!!

力強い稲妻のような剣が空気を引き裂き、マグナスの首にまっすぐ向かった!


しかし突然?

その瞬間、マグナスの首が踊る蛇のように動き、かすかに曲がって横に避けた。


アルウェンの剣の刃はこうして、ただ滑り過ぎただけだった…


衝撃なし。

接触なし。

完全に攻撃点を外れた。


「アルウェン!!!!」


エリアスの激しい叫びが響き、空気を引き裂いた。


その時アルウェンは気づいた!


マグナスは彼の側面にいて、闇の竜が前脚の一本を上げていた。

巨大な爪が閉じ、そして山全体のように重い足が激しく彼に向かって振り下ろされた。


アルウェンははっとした、避けようとした…ができなかった!


直撃は確実だった…誤差の余地なし。


すべてが終わったかのようだった….


*ビュウウウウウウ—!!!*


もう一筋の輝く矢が予想外に飛来し、空そのものを引き裂くほどの速さで!


*スパッ!!!*


矢がマグナスの突進する足にしっかりと突き刺さった。すぐに!!!


「グガアアアアアア!!!!!」


痛みの咆哮が反響した。

巨大な足全体が跳ね返され、マグナスの体は激しく揺れた。

アルウェンは一瞬凍りついた。


彼は空中に浮かび、ある理解を得た。


そして—


記憶の中に声が響いた。


『「あの剣は単なる道具に過ぎない…」』

『「真の力は…あなたにある、アルウェン!」』


エリアス。


そして、もう一つの声、より低く、より静か…


『「しかし私は気づいた…力は守るために使われる時にのみ意味を持つ、踏みにじるためではない。私は約束を守った、私に宿を提供してくれたあの人に…」』


ロナン。


アルウェンは剣の柄を強く握りしめた。

もはや憎しみはない。

もはや空虚な名誉はない。

もはや自分自身のための勝利への欲求はない。


ただ一つのものが残っていた。

証明すること。この剣が怨恨のために戦っているのではないことを証明すること。

だが…

その使い手の意志のために。


アルウェンの力が

破壊のために生まれたのではないことを証明すること。

守るために…

生まれたのだと。


その瞬間、彼の手にある剣は

もはや武器ではなかった。


それは答えとなった!


剣が輝き始めた。

神々のまばゆい光ではなく、

鋭く、確固として、揺るぎない光、

鋼の刃に深く刻まれた誓いのように。


アルウェンは深く息を吸った。

そして彼は咆哮し、全ての意志、魂、力を一振りに注ぎ込んだ!!


「運命の剣!」

「究極の一撃!!!!!」


脚、腰、肩、腕からの全ての力が、一振りに融合した。


剣が空気を引き裂き、生と死の境界のような光の跡を残した。


マグナスが咆哮し、鎧を上げて防ごうとした。

しかし全く無駄だった。

その一撃はまっすぐ彼の体に突き刺さった。


「グワアアアアアアア!!!!!!!」


*ドカーン!!*

マグナスの痛みの咆哮とともに、恐ろしい爆発が起こった!

光、衝撃波、爆発

すべてが一瞬にして戦場を飲み込んだ。


全てがあまりにも速く起こった。


向こう側の人々は、何が起こったのかさえ理解できなかった。


彼らの目の前にはただ、濃い煙と埃だけがあった。


誰も一言も発しなかった。

誰も荒い息をする勇気がなかった。

そして…突然?


煙の中から、

一人の人影が歩み出た。皆の息を止めさせた。


煙が晴れた。

その人影が完全に現れた。


アルウェン。


その瞬間…


歓声が沸き起こった。


人々が彼の名を叫んだ。

「アルウェン!!」

「殿下!」

「勝った!!!」

「アルウェン王子!!!」


戦士たちは跪いた。

王でさえ、珍しくかすかな微笑みを浮かべていた。


埃が完全に晴れた時、

巨大な闇の竜は消えていた。


残っていたのは廃墟と割れた地面だけ、

取り返しのつかない一撃の痕跡。


アルウェンが振り返った。

彼は背後で歓声を上げる人々を見た。

彼の顔には表情がなかった。


誇りも。

得意げな様子も。


ただ、一線を越えたばかりの者の静けさだけ。


突然、奇妙な音が響いた?


廃墟の中から、

一人の人影がゆっくりと立ち上がった。


マグナス。


彼の竜の鎧は粉々に砕け、焦げ、ひび割れ、黒い血が流れのように流れていた。

彼の体はほとんど崩れ落ちそうで、追い詰められた獣のように荒い息をしていた。


戦場全体が沈黙した。


多くの者が思った。

彼は最後の切り札を明かすだろう。


しかしマグナスは何も言わず、周りを見回し、傷に手を当て、それからもう一方の手を軽く上げた。


震えていた。


それからアルウェンをまっすぐ指さした。


荒い息をしながらも、

彼の声はまだはっきりと、力強く、悪意に満ちて響き渡った!


「いつか…」

「お前が…」

「直接私に会える時が来たら。」


「その時…全てが終わる。」


そう言い終えると、彼は背筋を伸ばした。

「では、また会おう!」


エリアスの表情が変わった。

「何かがおかしい–!」


彼は力強く杖を振り、再び稲妻が降り注いだ。


遠くからの輝く矢もまた、もう一度放たれた!


*ドカーン!!!*


大きな爆発音が響いた。

光が消えた時…


マグナスは消えていた。


残っていたのは暗黒エネルギーの余震が静かに空気に溶けていくだけだった。


皆は沈黙し、それから囁き始めた。


ある者は死の鎌から逃れたかのように歓声を上げた。

ある者はまだ静かに立ち、目にはまだ消えない心配を宿していた。

他の者は青ざめた顔で、まだまとわりつく残りの恐怖に震えていた。


この中で


アルウェンは何も言わず、彼はまだそこに立っていた。

まだマグナスが消えたばかりの場所を見つめていた。


彼の視線にはもはや戦いの緊張はなかったが、

勝利の安堵も宿っていなかった。


突然、遠くから、数十メートルの高さの丘の斜面から、一枚の葉のように軽やかに着地した人影があった。


手には弓。


先ほど王に話しかけた人物だった。


今、ようやく皆が彼女の姿をはっきりと見ることができた。


小柄な体格、まだ成長途中の少女の面影を帯びている。

動きやすいようにぴったりとした革の服を着ている。

その上には青いマント、フードは深くかぶっている。

顔を完全に隠していた。


皆の驚きの視線の中、

彼女はまっすぐアルウェンに向かって歩いた。


同時にエリアスも、彼女を見ると、何も言わなかった。

ただ静かに大股で歩き、王子の背後へ向かった。


アルウェンが振り返った。


彼の顔は暗く、目には疑念を宿していた。


二人は止まり、彼からほんの数歩の距離にいた。


突然–?

二人同時に跪いた。


頭を深く下げ、地面に触れた。


「私ども…」

「本当に申し訳ありません、殿下!!」


その音が響き、長年押し殺してきた告白のように重かった。


広場全体が沈黙した。

それから人々の間に囁きが湧き上がり始めた。


アルウェンは驚いた。急いで手を伸ばし、彼らを立ち上がらせようとした…

が、できなかった?


「私ども…遅すぎました、殿下!」


エリアスの声が響いた、しわがれ声に厚みを帯びていた。

一言一言に自己嫌悪が込められ、自分自身を押し潰すほど重い。


突然、少女の声が響いた、震え、嗚咽で途切れていた。


「…五年間…精一杯…」

「…かつてのように強くなるためだけに。」

「ただ…お二人のご恩に報いるために。」


隣に跪く少女は弓を強く握りしめていた。

肩が波打つたびに震えた。


「あの数年…お二人の姿が私の心から離れたことはありません。」

「全ての人、私を含めてを救うために、危険に飛び込み、全てを賭けた…あの二人の若者…」


彼女の声が詰まった。エリアスが突然遮って続けた。


「私に関しては…」

「…ただ見ていることしかできなかった。」

「ただ皆を導き去ろうとするしか…」

「…もう誰も救いに行けなくなった時、必死に叫ぶしかなかった。」


涙が少女のフードの縁から静かに流れ、冷たい地面に落ちた。

エリアスが続けた。


「私は訓練した。」

「休みなく。」

「ただ願って…いつか…お二人に報いることができるように。」


彼は深く息を吸い、まるで最後の勇気を集めるかのように。


「あなたの戴冠式の知らせを聞いた時…」

「…すぐに出発しました。」


「しかし着いたばかりの時…」

「全てが混乱していました。」

「私と娘は…中に入ることができませんでした。」


彼の声がひび割れた。


「入ることができた時…」

「…私たちの目の前にあったのは…」


「…ただ廃墟だけでした。」


そう言い終えると、エリアスは一瞬沈黙した..

少女が突然手を伸ばし、フードを脱いだ。


輝く金髪の滝が溢れ出し、陽光に燃える絹糸のように輝いた。


一瞬の沈黙が広場全体を包んだ。


アルウェンが無意識に認めざるを得ない顔。


他ならぬ…

アリス。


あの小さな女の子…

ロナンが命を賭けて救った子供。


今では成長し、はるかに、はるかに年をとっている。

顔立ちはいくらか成熟していたが、

あの目は…

まだ過去の若々しく、脆い面影を宿していた。


涙はまだ抑えきれずに、頬を伝って流れていた。


彼女の声は打ち砕かれていた。


「私…本当に遅すぎました…」


アリスの喉が詰まり、一言一言が彼女の心を引き裂くかのようだった。


「私…ロナン様を救えませんでした…」


アリスはさらに体を曲げ、額がほとんど地面に触れそうになった。


「私…頑張りました…」

「できる限り速く走りました…」


彼女の声は詰まり、壊れた音の断片だけになった。


「でも結局…」

「…間に合いませんでした。」


彼女の手は白くなるまで握りしめられ、地面をつかんで震えた。


「私は本当に…」


彼女の声は完全に途切れた。


アリスはそれ以上話せなかった。


彼女は嗚咽した、ようやく数年埋められてきた痛みを抑えきれなくなった子供のように。

もはや射手でもない。

もはや戦士でもない。


ただ…

口に出す時間のなかった後悔を抱えた、一人の小さな女の子。


エリアスはさらに深く頭を下げ、肩がかすかに震えた。


アルウェンはそこに立っていた。

何も言わなかった。


しかし彼の手は…

いつの間にか拳を握りしめていた。


ロナンという名…


それは遠い記憶ではなかった。

傷口だった。

そして今、その傷口…

再び引き裂かれたばかりだった。


突然アルウェンはエリアスの剣を二人の前に置いた。

そして突然—?


アルウェンも跪いた。


浅い跪礼でもなく、儀式的な跪礼でもない。


深く跪く…

膝が地面に触れ、背筋を伸ばし、頭を深く下げた。


広場全体が突然…

水を打ったように静かになった。


エリアスは驚き、目を見開いた。

アリスは呆然とし、涙がまだ目尺に引っかかっていた。

マグナスの鎌の前ですらしっかり立っていた王も、

かすかに震えた。


誰も音を立てる勇気がなかった。


アルウェンは泣かなかった。

震えなかった。

不平を言わなかった。

誰かを責めようとしなかった。


息を呑む人々の海の中で、彼の声が響いた…


低く…

だが明瞭に…

そして深淵の底に落ちる石のように重く。


「遅れたのは…」

「あなたたち二人ではない。」


彼はさらに頭を下げた。


「遅れたのは…」

「..私だ。」


空気が詰まったようだった。


「ロナンは…」

「私がまだ十分に強くなっていない時に立ち上がった。」


「彼は皆を守った…」

「私がまだ守られる王子だった間に。」


アルウェンは地面に置いた手を握りしめた。


「あのロナンが、あなたたちが遅れたから死んだのではない。」

「彼が死んだのは…私がまだ十分に成長していなかったからだ。」


人々の中から、いくつかの息遣いが漏れた。


アリスは激しく震えた。

エリアスは何か言おうとした…

しかし喉が声を出せなかった。


アルウェンは静かに続けた。


「だから…」


彼は少し頭を上げ、目はもはや若者のものではなかった。

他人の命の重みを引き受けた者の目だった。


「私に謝らないでください。」

「私の前に跪かないでください。」

「そしてその痛みを…一人で背負わないでください。」


彼はもう一度頭を下げた。


「ロナンの命は…」

「私は覚えている。」

「負債としてではなく。」

「誓いとして…」


沈黙。


歓声もない。

騒々しい涙もない。


ただ…

跪く王子、そしてその瞬間…

真の王が生まれた瞬間。


アルウェンは手を伸ばし、二人の手を取り、彼らを立ち上がらせた。


エリアスとアリスはまだ何が起こったのか理解できなかった。

アルウェンはほんのかすかに微笑んだ、不思議に落ち着いた微笑みを。


そして彼は尋ねた…


「ロナン…無事ですよね?」


空気が凍りついた。


アリスが最初に凍りついた。

彼女は眉をひそめ、疑念と混乱を帯びた声で?


「どういう意味ですか、殿下…?」


彼女は父親を見た。

エリアスも凍りついて立ち、その言葉を十分に理解していなかった。


突然アルウェンが軽くうなずいた、まるで自分自身に答えるかのように。


「もし無事なら、それでいい。」


その言葉が終わった瞬間。


エリアスが突然何かを思い出した。


「殿下—!!」


アリスは驚き、ちょうどアルウェンを見た時、


彼の全身が崩れ落ちた。


「あっ!!」


アリスが飛び出し、地面に完全に叩きつけられる前に意識を失った体を受け止めた。


時間が一呼吸止まったようだ。


「殿下!!!!!!」


悲鳴が空間を引き裂いた。


人々が叫んだ。

兵士たちが駆け寄った。

王さえもバランスを失い、慌てて前進し、それから膝から崩れ落ち、数人の兵士に支えられなければならなかった。


音が重なった。

混乱、叫び声。


しかしその光景は、突然...

遠ざかり始めた。

より遠くに。

まるで世界が視界から引き離されているかのように。


風が吹いた。


遠くの山の頂上に、一人の人影が静かに立っていた。


髪が風になびいている。


それはロナンか?


…違う。

不可能だ。


ロナンは死んだ。作者がそう言っている。

では?

あそこに立っているのは誰?


機械的な音が響いた。


「ユニットMH-01123581321、ミッション完了、16:00。」


その人物が振り返った。


背後には、巨大な技術機械が静かに横たわっている。

それを操作していた者。

まさに監督官に似ているが、ヘルメットに冷たい銀色の線が入っている人物だ。

彼は背筋を伸ばし、波立たぬ視線。


突然、装置がウヅキの頭に置かれた。


彼は横を見た。

青い線の入ったAtomGuard Nova装甲を着たエージェントがすぐそばに立ち、装置に手を伸ばしていた。


小さな画面に、文字が現れた。


*チップ検査成功: 問題なし*


二人の背後で空間が突然歪んだ。


二つの現実領域がねじれ、それから自己修正した。

他の二人のエージェントが現れ、同様に装備していた。

「報告。これ以上の異常はなし。」


銀線の入った者がかすかにうなずいた。


彼は見えないインターフェースを押した。


「領域回収を開始。」

再び機械音が響いた。

すぐに!


周囲の空間が収縮した。


よく見ると、それは巨大な球体で、透明で、すべてを通り抜け、徐々に小さくなっているのがわかる。

焦点はあの機械だ。


球体がロナンの体を通り過ぎた。


そして?


その体が変化し始めた。

顔の特徴が描き直され、データが上書きされるかのように。

肌、目、外見、動き、自分自身を再定義していく。


ロナンの顔が溶けた。


代わりに..

別の顔が現れた。

見覚えのある、冷たく、静かな顔。


ウヅキ?


風はまだ山頂で吹いていた。

しかしその瞬間から。

私たちが見たロナン…は完全にロナンではなかった...


突然、皆の背後から。


空間の扉が開き、その表面は曲がった鏡のように歪んだ。


銀線の入った者が最初に通り抜けた。

続いて、柔らかく光る青い線の入った技術装甲を着たエージェントたち。


ウヅキも歩み寄り、彼は最後にもう一度周囲を見回し、それから急いで扉を通り抜けた。


扉を通り抜けた瞬間、周囲は完全に変わった。


戦場の世界は消え…


代わりに、冷たく滑らかな、白い金属の技術的な部屋、元の場所とまったく同じものになった。


同時に、薄いエネルギーの層がウヅキの体を包んだ。

AtomGuard Nova装甲が再構築され、一瞬にして彼の人を覆った。


金属の足音が響いた。


突然、ウヅキの背後にいたエージェントが前方に走り、先ほど報告したエージェントと歩調を合わせた。


「ねえ、」

彼は静かに尋ねた..

「死因は見つかった?」


もう一人のエージェントは首を振り、しぶしぶ答えた。

「まだ。しかし予備分析によれば、空間変動が依然として最も可能性が高い。」


もう一人はため息をついた。

「はあ…それなら詳細分析チームに移送して確認してもらうしかない。」

「とにかく…少なくとも今回のタイムラインは正しい軌道に調整され、かなり順調だった。」


彼らは振り返りながら話した。

まっすぐウヅキを見て。


一人のエージェントが軽く笑い、その口調には少し称賛が込められていた。


「今回のミッションの成功は、君のおかげでも多い。」

「君はきっとこのようなミッションをたくさんこなしてきたから、役柄に没入して状況をうまく処理できたんだろう?」


後ろのエージェントがすぐに付け加えた。


「その通りだ。」

「先輩、本当に驚かせてくれました。」

「本当に先輩とあの人が一体化したように感じました!」

「先輩がマグナスに攻撃された時、ええと領域が先輩を救えると知っていましたが、本当にとても心配でした!」

「しかし先輩がそれでもあんなに冷静でいられるとは思いませんでした!」


「可能なら、機会があれば経験を教えてください?!」


ウヅキは凍りついた。

彼は鎧の中で立ち尽くし、純粋に少し当惑しているように見えた。


突然、疑念に満ちた声が響いた。


「先輩..?」


銀線の入ったエージェントが歩みを止めた。

彼は明らかな混乱を浮かべて皆を見返した。


三人全員が彼を見た。

「どうかしましたか?」


エージェントたちからのこの質問に、銀線の入った者は首をかすかに傾げ、声をゆっくりにした。


「彼…は新米エージェントでは?」

「これは彼の初任務だ。」


突然、空気が凍りついたようだ。

音もない。

動きもない。


そして....


三つの声が同時に響き、耳を疑うほどの驚きだった!


「はあああ???????!!!!」




諸事情により予定通りストーリーを公開できず、皆様には大変申し訳ございません。しかし、ストーリーは常にアップデートと改善を続けていきますのでご安心ください。当初のシナリオでは、第一章はここまで長くする予定ではありませんでしたが、探索を進めるにつれて、より興味深い発見がありました。さて、第一章は正式に終了し、新たな章へと歩みを進めます。

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