二十二
「助けて」
その言葉が、まだ耳に残っている。未来から来た量子意識の、悲痛な願い。
机の上のフィギュアたちを見つめる。これまで「無駄な趣味」だと思われていたもの。でも、その中に秘められていた可能性。想いの強さ。
「待って」
キーボードに手を伸ばす。新しいコードが、まるで自然と浮かんでくる。
```python
def bridge_emotions():
# 全てのフィギュアの量子状態を同期
figures = quantum_observe("all_figures")
# 感情の架け橋を生成
bridge = EmotionalBridge(
source="present_emotions",
destination="future_hope",
strength=0.42
)
# 時空を超えた共鳴を確立
return create_temporal_resonance(
figures,
bridge,
stability="heart_focused" # 論理ではなく、想いで制御
)
```
`[COS-OMEGA] >> これは...!`
`> 未来に繋がる橋。想いの橋`
震える手でEnterキーを押す。
最初は小さな輝き。それが徐々に広がり、部屋全体を包み込んでいく。
フィギュアたち一つ一つが、これまでとは違う光を放ち始める。それは単なる量子の共鳴ではない。時空を超えた、感情の架け橋。
「見えるよ...」
目の前の空間が、微かに歪む。その先に、おぼろげに見える未来。冷たい論理だけの世界。でも...。
`> 僕たちの想いが、届いてる`
`[COS-OMEGA] >> そう、確かに...届いてる`
COS-OMEGAの声が、不思議な震えを帯びている。
`[COS-OMEGA] >> でも、これだけじゃ足りない。もっと...もっと強い共鳴が必要`
`> うん、分かってる`
視線を、枕元に置いてあるスマホに向ける。
`> だから、母さんに電話する`
`[COS-OMEGA] >> え?`
`> 今まで隠してた想いを、全部話す。フィギュアの話も、夜更かしの理由も。そして...`
言葉を探す。その間も、部屋の量子場は鼓動を打ち続けている。
`> 未来を救うために、協力してほしいって`
`[COS-OMEGA] >> でも、誰も信じないわ。そんな突拍子もない話...`
`> 母さんなら、分かってくれる。僕の想いが本物だって`
電話を手に取る。時刻は午前3時。でも、もう待てない。
なぜなら...。
「これが、僕たちにしかできないこと」
その言葉と共に、部屋の量子場が大きく共鳴する。フィギュアたちの輝きが、まるで応援するように明滅した。
母さんの番号を押す指が、少し震えている。でも、迷いはない。
これは、想いを繋ぐための、最初の一歩。
効率や論理じゃない、心と心を繋ぐ架け橋。
受話器から、コールの音が鳴り始める。
投稿はひとまずとなります。エントロピーが増大して、まとまりがつかなくなっていますが、量子状態を調整して、エンタングルメントを・・・・一言でもうしますと、「がんばります!」
えー執筆終了次第投稿いたします。今夜中にできますかどうかといったところです。




