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ダンジョン受付



 あのあとダラスの食事の肉の寮を増やすことで何とか誤解を解き、さらには子供たちへの口封じも終え僕たちは昨日買ったものの支度をしていた。


「フィリア、二人を頼みますよ」


「誰にも手出しはさせない」


「それじゃあ、二人ともいい子にしててね」


「晩御飯までには帰ってきてね」


「気を付けて~」


「うん、約束する」


 一応お昼ご飯のことはフィリアに頼んであるのでそちらの心配はないが、子供たちの安全を考慮するとあまり長居はできない。それでもここで強くならないといけない。


 「よしお前ら作戦を確認するぞ」


 事前に考えてきた作戦ではまず体力と戦闘力のあるダラスを前衛に置き、中衛の僕とウー、ウーは主に狼の嗅覚を用いての索敵、それに僕のフォローを担当してくれる。そして僕はウーが取りこぼした敵の処理、並びに他の冒険者とトラブルになった時の対処だ。そして後衛のチセは治療に専念だ。当然昨日のうちに各々自分の役割を頭に入れている。


「大丈夫、自分の役割は分かってるよ」


「なら、商人・・・とりあえず受付行ってこい」


 ダラスが指さす先には無数の冒険者の列ができていた。そしてその列を整理するために着のプラカードを持った女性があちらこちらに点在し、並ぼうとしている人たちに声をかけていた。

「細かいことは分かんねぇけどよ。なんか代表者一人だけみたいだからとりあえず行ってこい」

 確かに女性たちが持っているプラカードには混雑緩和のため、代表者一名のみが署名にお越し下しさいと書かれている。


「ああ、なるほどね了解。じゃあウー僕の分の荷物を見といて」


「かしこまりました」


 僕は背負っていた荷物を置くと、列に並んだ。するとすぐにお姉さんがやってきた。


「ダンジョンに挑戦ですか」


「はい、でも今日が初めてで」


「そうでしたか。では何人での挑戦でしょうか?」


「僕を入れて四人です」


「ちなみにその四人の中に戦闘の経験があられる方はいらっしゃいますでしょうか。一応ダンジョンの上層は比較的安全なのですが、下に行くにつれて魔物の類が出てくるようになりますので、そうなった場合対処できる人がいるかどうか、今の間に確認させていただきたいのですが」

「はい、一応二人腕っぷしの立つ仲間がいます」


「それなら、安心です。でもあまりごご自身の腕を過信しないでくださいね。危なくなったらすぐ逃げる。約束ですよ」


「はい、心得ておきます」


「なら問題ありませんね。まずはこちらの用紙に記入の上、この列の先にいる係の者に渡してください。一度皆様全員分のネームプレートを作ります。ダンジョンにいる間にはそれを身に着けていただきます。安否の確認のためお帰りの際には回収させていただきます。まあ一度作ってしまえば、それ以降は使い回しが可能ですので。本日だけ、面倒を被ることをご理解ください」


「分かりました。それでは用紙を」


「はいどうぞ」


 受け取った紙には端的に注意事項が書かれており、それを見ながら時間をつぶす。そしていよいよ先頭が近づいてきたあたりで全員分の名前を書いた紙を準備する。


「おはようございます。早速ですが名簿をお預かりします」


 僕は言われるとおりに名簿を渡す


「念のために確認しますが、お名前に御間違いはないでしょうか?」


「はい」


「ならよかったです。それではネームプレートを作成しますので、こちらの番号札を持ってしばらくお待ちください、その間に初心者用の冒険補助道具をご用意しておりますのであちらのテントで必要なものを取ってください」


「好きなだけとってもいいんですか」


「はい、皆様の身の安全が第一ですので、できる限りの準備はさせていただいております」


「なるほどではありがたくいただいていきます」

 


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