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朝チュン

「いや、似合わないってことはないよ。でも」


 普段の恰好と比べてあまりにも大胆すぎるため、さっきから頭からシャットダウンと再起動を繰り返している。


「でも、何でしょうか」


「いや、えっとその・・・」


 ただまごまごしている僕に比べて、ウーは次なるなる手を打って来た。


「その、もしよろしければ、今夜ご主人様と床を共にする許可をいただけないでしょうか。そのこの服の性能を試してみたくて」


「それは、かまわないけど、狭いよここ」


「私はかまいません。では失礼します」


 ウーはそれ以上の言葉を話すことなく、彼女は僕の横に眠った。でもその体制になってようやく彼女の衣服ではなく、彼女の表情を直視することが出来た。大胆な衣服を着ていにもかかわらず、ずっと赤面していたのだ。


「恥ずかしかったのもしかして」


「はい、その生まれて初めてこんないい服を着たので、その動揺してしまって。あと露出が多いにも気になります」


「それはそうだね」


 別に悪いというわけではないが、目のやり場に困るというか、なんというか。


「でも、こんな上等なもの奴隷の時代には決して着ることなどなかった。それもこれもすべてご主人様のおかげですね。こんなきれいな服も、ふかふかの干し草も、きれいな夜空も、馬車でも旅も、全部全部ご主人様がくださったもの。そして私はこうしてご主人様の傍にいることでお返しする。そのためにこうして旅をしています。だって私はご主人様だけの奴隷なのですから」


そう自分で言ったものの、今私はご主人様にたいして奴隷と主人という関係を超えた感情を抱いている。しかしそれを何というのか、学のない私には分からない。それでもこうしてご主人様の傍にいることに幸福を感じている。


「その、起こした身で言うのはおかしいのですが、もうお休みになられた方がよろしいかと思います」


「そうだね、早く寝よっか、あ~毛布いる?」


「ありがとうございます」


 ご主人様と二人で一枚の毛布を共有する。自然と距離が縮まる。そしてこっそりご主人様の手を握ってみる。疲れ果てているのか、ご主人様は気づいていないのか、なにも反応を示さない。だがその方がかえって私にとっては都合がよかった。ここでもし手を払われてしまったら、きっと明日からどう接して良いのかそれすらも分からなくなってしまうからだ。


「暖かい」


 私が知っている限り人の手からもたらされるものは、暴力か侮蔑その二択だったでもご主人様と出会ってから人間という物新たな側面を垣間見ることがある。それはいいモノのわるいモノの同じくらいの割合で私の中に入っていく。


「ご主人様・・・貴方はどちらなのでしょうか」


 考えるだけ無駄な事だとは思う、だれが何と言おうとご主人様はいい人だ。でも全員が全員ご主人様みたいな人ばかりではないことは私もよくわかっている。でもこの人のことは心から信じていられる。・・・いられる。そう心が訴えている。


「う、うーん」


 言葉とは言えない寝言を発してご主人様が寝がえりを打つ。その時まるで私がいることなど気にしていないと言わんばかりに両手を目一杯広げる。その反動のせいでつないで手が離れる。それに言葉にしがたい寂しさを感じるが。逆にそれを利用して、ご主人様の腕に頭をのぜる。きっとこれをすると明日目覚めた時に腕に痛みを覚えるかもしれない。ならば明日はご主人様より早く起きて、気が付かれる前にここから離れなくてはならない。


 それでも今だけはこの私だけの幸福を胸いっぱいに吸い込みかみしめたい。


「ご主人様」


 私は一時の幸福に包まれて、意識を手放した。


気が付くと頭上で鳥の鳴き声が聞こえる。だがここには屋根があるので、直接私たちの頭上にいるわけではないだろう。まぶたの裏がまぶしいどうやら朝になったようだ。今日は大事なダンジョン攻略があるので早く目覚めなければならない。私は瞳をあける。するとそこにはダラスがいた。なぜ彼女が私の寝床にいるのか全く分からない。きっと誰かに言われた起こしに来たのだろう


「おはようございます。ダラス」


「お前ら・・・ついにやったか」


「やった・・・?」


 体を起こして辺りの状況を見渡す。大胆な服装の私、横で眠るご主人様。そして一枚の毛布・・・・


「いえ、ダラスこれは誤解です。誤解なのです」


「何も言わなくていいぜ、まあなんだ獣人の本能みたいなものだからよ」


「だから違うんですーーーーーーー」


「う、どうしたの朝から大きな声を出して」


「お願いしますご主人様からも説明を!!!」


「邪魔して悪かったな旦那」


「なんのこと」


 朝から一気に状況が混沌に包まれた。


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