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ダンジョンに挑むために必要な事

「それで、今の僕らを見てダンジョンにすぐにダンジョンに挑むのは無謀かな?」


「まあ、なんと言うか、無理ではないが。まずは装備をどうにかしねぇとな」


「具体的には」


「まずは、ウー。お前の槍、そのお手製のやつそれは絶対に変えろ、イノシシやクマには通じてもダンジョンの魔物たちには歯が立たねぞ、まあせいぜい浅い傷一つつけてお陀仏ってところだな。こんな町なんだ武器屋の一つくらいそこらへんにあるだろ。あたしもちょうどこいつを手入れしに行くから、ついで来い。あと商人お前も絶対についてこい」


「まあ、当然だね」


 一応ここではある程度獣人の自由が認められてはいるようだが、やはり人間の世界なので、彼女達だけで街を歩かせるのは危険だ。


「あと防具も欲しいな、最低限心臓を守るチェストプレートくらいはつけておけ」


「そうなるとかなり高額になるのでは」


「死ぬよりかはましだろ」


「ウー、ここはダラスの言う通りにしよう」


「かしこまりました」


「それとまあ、薬だな。鎮痛剤、止血剤、包帯、切り傷用の軟膏、消毒液、その他もろもろ。まあこれはあたしらが出してやるよ、前の街んときにあたしら一団が大量に使わせちまったからな、その保証分って思えばいい」


「ありがとう、助かるよ」


「だが、その代わりダンジョンにはあの医者も連れていけ、もし誰かがケガしたときには必ず必要になる」


「でも、チセには危険すぎるんじゃ」


「逆だ。ダンジョンなら軽傷だからって放置してたらそこから感染症を起こしたりすることもある、それに万が一にも重傷者が出た場合その場ですぐに治療できるやつがいるか、いないかでそいつの生存率は大きく変わる。これくらい言えば。素人のお前でも分かるよな」


「ああ、すまない」


「ダラス、ご主人様になんて口を」


「いいや、お前や私は戦闘の経験があるが、こいつは素人だ。そしてお前らこいつの指示で動くんだろ。だったら早めに正しい知識を教えておかないといけねぇだろ。それともあれか、もしこのままダンジョンに潜ってこいつの指示の結果誰かが死んだとしても、お前はこいつを恨まずいられるか? 人間の指示に従って死ぬ。それに納得できるのか」


「それは・・・ 」


「まったく、お前はもう少しこいつに反抗することを覚えろ。それがこいつのためにもお前自身のためにもなるんだぞ」


「わかりました。ではご主人様、これから無礼を働きますが、許してください」


「いいよ、話して」


「まず明日すぐにダンジョンに入ることは不可能だと思います。ダラスいう通り私達には準備が足りていません。武器防具、医療品、そのほかには必要なものは考え出すときりがないほどあります。そしてはっきりと申し上げるとダンジョンではご主人様は足手まといになります。ご主人様も作戦立案能力は私も高く評価しております。ですが最低限お一人で魔物を退治できるくらいには強くなっていただく必要があります。そのうえで私たちの指揮に当たってください」


 一通り話終えた後、ウーは申し訳なさそうに僕から顔をそむけた。しかし彼女の意見は今の状況においてはとても大切なものなのでそれを提供してくれたウーには感謝しなければならない


「ありがとうウー、君のおかげで僕は大切な仲間を失わずに済みそうだ」


「…勝手な私をお許しください」


「いいよ、それにもとから怒ってるわけじゃないし」


「なら、よかったです」


「おい、いちゃつくのはその辺にして、作戦会議を続けるぞ」


「いちゃついてない(いません)」


 僕とウーは同時にキレた。


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