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アドベントについて

「アドベント?」


 互換としてはアドベンチャーによく似ているため、きっとそっちの意味が近いのだろう。でもそこに行けば、僕たちに必要なものがそろうはずだ。ならば目指さない手はない


「ああ、そこは昔採掘の街として栄えたが、ある時誤って地下の魔獣の住処に穴がつながっちまった。それ以降は、採掘と魔獣退治の両方を売りにしている町だ。魔獣退治って言ってもよっぽど奥に行かない限りは強い奴と出くわすことはねぇ。あたしが知ってるのはこれくらいだ」


「なるほど、ありがとうダラス」


「別にいいってことよ、これも相互利用のうちのひとつだしな」


「それでもだよ、ありがとう」


「なんだよおまえ、調子狂うな」


 ダラスは頭を掻きながら僕から顔をそむけた。そのせいで今の彼女がどのような表情をしているのか、僕にはわからなかった。


「よし、方針が決まったんなら、さっさとあいつらに伝えにいった方がいいんじゃねぇか、あたしはあたしで部下たちに知らせに行ってくるからよ」


「うん、僕もそうするよ」


 僕たちは森を抜け、みんなの元へと戻った。ダラスはそのまま自分の一段の元に戻っていき、僕も自らの馬車に戻った。


「それで、ここからどうしますか?」


「これからダラス達の一団と行動を共にする。そして次はアドベントっていう街を目指すことにした」


「なるほど分かりました。差し出がましいですが、そこへ向かう目的をお教えいただけないでしょうか」


「ああ、そっか一番大事なことになのに伝えてなかったね。目的としては戦力アップだね。また今回みたいに誰かと闘わないといけないことになるかもしれない。そうなったときに僕達がチマやポタたちを守らないといけない。そのために僕はもっと強くならないとそのためにアドベントに行って特訓する必要があるんだ。だからそこを目指してみようかなって思って。ダメだったかな」


「いえ、ご主人様のお考えに水を差す気はございません。でも大切な事なので確かめたくて」


「そうだよね。ごめん」


「とんでもございません。さて行き先が決まったのなら出立の用意をしなければなりませんね。三人を呼んできます」


 ウー曰くチセは食後すぐに馬車の中に入ったが、残りの三人は食後も焚火の傍を離れなかったらしい。そう言われてみてみると確かに三人とも焚火の傍にいた。


「お願い」


「かしこまりました」


 そう言ってウーは三人の元へと行った。その間僕は馬車の様子を見ておく。


「次はどの町へ行かれるのですか」


「アドベントってところ」


「そこはどんな場所なのでしょうか」


「えっとね」


 僕はダラスから聞いた話をほぼそのままチセに話した。


「なるほど、正直なことを申しますとこの一団と専属医としてはあまり危険な場所に赴いてほしくはないのですが、まあでもこの世界に危険でない場所などないのかもしれませんね」


「うーん、それはどうだろうね」


「まあ、それでも私は世界を知るためにあなた様についていきます」


「ありがとう。そしてこれからもよろしくねチセ」


「よろしくお願いいたします。商人様」


 チセとしては僕らが危ないことをするせいで余計な仕事を増やされることに納得いかないのかもしれないが、それでも僕らができるのはあくまで気を付けることくらいなので、それを最大限にやるしかない。


「さて、そろそろ行きましょう。ダラス達の出発の容易ができたようですし」


「分かった、よし皆行こう」


 僕の掛け声にあわせダラスの一団の中で馬に直接乗っているグループが先陣を切る。其れに続く形で僕らの馬車が走り出した。


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