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三人の絆とモフモフ

翌朝僕が目を覚ますと、ウーが朝食の用意をしていた。それ自体は見慣れた光景なのだが、フィリアの姿が見当たらない。


「あれ、フィリアは」


「ああ彼女ならチマとポタと一緒に朝食の用意をしていますよ。昨晩に一体何があったのか、あの二人に偉く懐いたようでして」


「まあ、年が近いからじゃないかな」


 そう言われた僕はフィリアを探さずチマとポタとを探すとあっさりフィリアも一緒に見つけることが出来た。


「フィリア、皮むき上手」


「初めてとは思えないです」


「そうかな、ありがとう」


 フィリアは器用に皮むきように小さなナイフを使い、ジャガイモの皮をむいている。ちなみにそれは以前に町に行った際、安かったので大量に買い込んだものだ。


「君たちは一体どこで習ったんだ?」


「えっと山の中」


「チセに教わりました」


「ああ、あの医者か」


 昨日まで言動の節々にとげとげしさがあったのに、たった一晩でかなり丸くなっていた。そんなに適応能力が高いのだろうかと思い、試しに僕も話しかけてみる


「おはようフィリア」


「・・・・」


「あれ!?」


 無視されてしまった。おかしい明らかにさっきまでの様子とは違う。


「えっと、皮が取れたらこのお湯でゆでるのです」


「なるほど、こうするのが本来の食べ方なんだな」


「そうだよ~」


 やはりおかしい絶対にチマとポタの二人だけに懐いている、まだ他の子たちとの絡みを見ていないため何とも言えないが、明らかにあの二人と仲良くなっている。


「ねえねえ、ポタ」


「何~ご主人様~」


 手が空いたタイミングで僕はポタを呼んだ。


「昨日、僕らが寝た後何があったの?」


「それはね~」


 ポタは少し考えるようなしぐさを見せた後、片目を閉じ、そして自身の人差し指を唇に当てた。


「秘密~」


「そんな~」


 ポタは明らかに僕の反応を面白がっていた。だが彼女に秘密と言われてはもはや探りようがないようにも思えた。


「でも、ご主人様なら、きっと大丈夫だよ」


「ありがとうポタ」


「えへへ~」


 結果的に僕の目論見はうまくいかなかったが、それでも彼女は何もわるくないので、一応協力のお礼として頭を撫でて揚げる。つやがある見た目通りさらさら手しており指通りが非常によい、またポタの猫耳は内側の毛がふわふわでその毛が撫でるたびにピョコピョコと動いて非常にかわいい。


「ああ~ポタばかりずるいです。チマも」


 僕らのやり取りを見ていたのか、チマも駆けつけてきた。さすがに一人だけというのは不公平な気がして、チマの頭も撫でてあげる。ポタとはまた髪質も耳質も違っている。ポタの髪は全体的に弾力があり、手を付けると押し返してくる感触が気持ちいい。そして耳も又も撫でると元の形状に戻ろうとしてプルンと揺れるのが可愛らしい


「おい、顔を洗ったらどうだ気持ち悪いぞ」


 背後からフィリアの声がして、僕は一気に現実へと引き戻された。



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