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赤煉瓦亭

 今回はまったり回です。まあ、ここまでバタバタでしたからね……

 リィナが買ってきたもので簡単な朝食を摂った後、俺は昼まで仮眠した。これでようやくリィナから外出の許可が出たため、昼食は久しぶりに外で食べることになった。


「最後に外食に行ったのはいつ?」


 俺達が向かったのは『赤煉瓦亭』というさほど高くない定食屋のような場所だ。昼は定食屋、夜は酒場になるこの店は普段、行商人や冒険者が利用することが多い。


「父さん、母さんがいた頃だから……三年前か」

「私も大体それくらいかな」


 俺が十八になり、クラスがアイテム士だと分かった直後だ。がっかりした俺を父さん母さんは励ましてくれて、療養所などへの就職を勧めてくれたっけ。


(あの時はそれでもいいかと思ったな……)


 父さんと母さんがあんなことになって──


「お兄ちゃんは何にするの?」

「あ、ああ。そうだな」


 リィナに言われて慌てて目の前のメニューに意識を戻す。う〜ん、何にしようかな。


「じゃあオムライスにしようかな」


「あっ、いいな。私も……いや、私は」


「ピザだろ?」


「そう。さっすが、お兄ちゃん!」


 極上の笑顔を浮かべるリィナ。俺はその笑顔に思わず見惚れてしまったことを誤魔化すようにウェイターを呼んだ。


「すみません、オムライスとピザを下さい」


 注文すると、間を置かずに料理が運ばれてきた。スプーンでつついたら直ぐに破れそうなくらい柔らかそうなオムライスとアツアツのピザだ。


「わー、美味しそう! やっぱりピザにして良かった!」


 やってきたピザにリィナは歓声を上げる。そこまで喜んで貰えたら、連れてきたかいがあったというものだ。


「じゃあ、いっただきまーす!」

「いただきます」


 あー、久しぶりだな、オムライス。リィナは料理が上手だから、普段食に何の不満も抱いたことはないが、それでも普段と違う食事というのはテンションが上がる。


「ん〜、幸せ!」


 どうやらそれはリィナも同じらしい。


「これもお兄ちゃんのおかげだね」


「リィナが頑張ってくれたおかげでもあるよ」


「えへへ、そうかな」


 和やかな会話とリィナの笑顔。時間はゆっくりとすぎていく……かに思われたのだが、


 しばらすると、リィナが俺のオムライスをじーっと見つめ始めた。


(ん?)


 俺は一瞬首を傾げたが、直ぐに事情を理解した。


「交換してみるか?」

「本当!?」


 リィナは眩しい笑顔を浮かべた。が……


(ん……いいのか、これ?)


 いくら兄妹とはいえ、こんな恋人がするみたいなことして大丈夫なのか? いや、兄妹だからこそヤバイ気が……


「ほら、お兄ちゃん、早く!」


 だか、リィナに期待に満ちた瞳を向けられると“やっぱり駄目”とは言えない。俺は促されるままにオムライスとピザを交換した。


「やっぱりオムライスも美味しそう! いっただきま~す!」


 あっ……


(あれ、俺の食べてた場所から食べるの?)


 これじゃまるで間接キ──


「どうしたの、お兄ちゃん? ピザも美味しいよ」


「あ、ああ。食べてみるよ」





 帰ってからはリィナは掃除をしながら夕食の仕込みを始めた。俺も手伝うとしたのだが、あっさり却下され、半ば強制的に自室でゆっくりすることになった。


(ヒマだな……)


 そう言えば、デュハランを倒した後、レベルが上がってたな……ステータスをチェックしてみるか。



◆◆◆


 フェイ<パラディンロード>

 Lv56

 Hp  12902 

 Mp  8135

 Str  3088

 Dex  3363

 Int  2918

 Mnd  3364

 Vit  2919

 Agi  2972

 luk  3253


 スキル

 〔グランドクロス〕

 〔クロスフラッシュ〕new!

 〔デュアシールドアタック〕

 〔デュアカバーガード〕

 〔励声叱咤〕

 〔デュアシールドカウンター〕

 〔ホーリーライト〕

 〔ターンアンデッドクロス〕

 〔ピュアヒール〕

 〔ピュアフレッシュ〕

 〔ピュアリカバリー〕new! 

 〔アンデッド超特効〕

 〔聖属性攻撃超強化〕

 〔近接攻撃超強化〕

 〔盾防御超強化〕

 〔回復魔法強化:特大〕


 スロット

 〔アイテムボックス〕 

 〔超鑑定〕

 〔アクロバット〕


◆◆◆



 おおっ……何だよ、このステータスは。それに新しいスキルも。


(〔クロスフラッシュ〕はグランドクロスの範囲攻撃版で〔ピュアリカバリー〕は蘇生系の魔法か)


 攻撃と回復、パラディンロードはバランスがいいな。


(だけど、せっかくのスキルやステータスも使いこなせなければ意味がない。もっと戦闘経験を積まないとな)


 後は状態異常対策だ。【黄昏の迷宮】ではレベルが上がってからも状態異常を付与してくる相手には苦戦したし、デュハラン戦では【恐慌】をレジスト出来てなかったら恐らくやられていた。


(ジーナさんに聞いてみるか)


 まあベタなのは装備で対策することだろうけど、どうやって入手するのかは分からないしな。


(後はこれの使い道だよな)


 俺は手元に残してあるドロップについてのテキストを表示した。

 


◆◆◆


 ダンジョンコア(中)

  困難な条件の元でダンジョンボスを倒した証


◆◆◆



 ダンジョンコア? 聞いたことがないアイテムだ。ちなみにこのテキストは〔超鑑定〕のスキルがあると表示されるものだ。


 あとは……

 


◆◆◆


 冥府の呼び声

  死を予告する恐怖のささやき。聞いた者は恐怖の

 あまり、何も手につかずに息絶えていくという。 

 

◆◆◆



 こっちはデュハランから得たドロップだ。特に用途はなかったが、何となく売れなかったのだ。


(こっちはジェイド師匠の方が詳しいかも知れないけど、ダンジョンコアのこともあるし、まずはジーナさんに聞いてみるか)


 横になりながらそんなことを考えていると、次第に意識が遠くなり始めた。【黄昏の迷宮】では眠りも浅かったから、まだ疲れが溜まっているのかも知れない。

 読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m

 何気に食レボもチャレンジ要素です。  


 次話は明日の朝7時に投稿します!


※少しでも「頑張れ!」という気持ちを持って下さった方々へ


 ポイントorブクマなどで応援して頂ければ、大変励みになりますので、是非ご一考下さい!!!

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[良い点] 読んでいて自分もゲームをプレイしているような気持ちになれました笑 「レベルが上がりました」が連続で表示されるものも、何だか気持ちが良いです! [気になる点] これから、どこまで成り上がるの…
[良い点] 妹との昼食。 まったり日常回を楽しめました! こういう話が物語に緩急をつけてくれますね。 しかし、凄いドロップアイテムです。 信用できる人にしか見せられませんね(^^;
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