豹炎悪魔(フラウロス)
今日も表紙入り! 応援感謝です! 月間ランキングの表紙入りも見えてきたような、そうでもないような……
ついにラスボスです! 半端ない相手ですが、フェイならきっと……
「オオオァァァ!」
アバロンが白目を向いて倒れると、赤黒いオーラがまるで生き物のように立ち上がった。
バシッ!
赤黒いオーラがアバロンに手をのばすが、白い光はオーラを弾き、接近を許さない。
“やはり再び取り付くことは出来ないか……”
赤黒いオーラは悪魔の姿になり、俺達に向き直った。
“まあ良い。元々、意図せずして得た肉体だ。それに代わりはいくらでもある”
“マスター! 豹炎悪魔は誰かに取り付くつもりです!”
(何!? さっきのアバロンみたいにか?)
ヤバい。もし、リィナやレイアが取り憑かれたら……
“我らが力を貸そう……”
この声……封印の……
ブンッ!
急に音が消えたかと思うと、辺りが光で溢れていく! その光量は凄まじく、視界が光で塗りつぶされているかのようだ!
「ガァァァッ! クソッ! 聖女めッ!」
豹炎悪魔を模した赤黒いオーラが苦しむ姿が目に入った時、俺は光で出来たリングのような場所にいた。
(移動した訳ではない……か)
リングの外は今まで目にしてきた第五封印の中だ。よく見れば、端に気を失ったノルドさん達の姿もある。
「お兄ちゃん!」「フェイ!」
あ、リィナとレイアは外にいるな。
“豹炎悪魔はこの結界の外には手出し出来ない”
これは有り難いな。なら、俺は豹炎悪魔との戦いに集中出来る。
「く、くそ! 聖女め……しかし、まあ良い。お前の体を乗っ取れば良いんだからな」
余裕たっぷりに豹炎悪魔は俺に向かって手を上げ、何かをしようとしたが、突然驚きの声を上げた。
「なっ……手応えがない!」
“悪魔よ、マスターの体は奪わせません!”
ミアが守ってくれたのか……ってことは俺は豹炎悪魔の乗っ取りを防ぎながら戦えるってことか。
「聖剣風情が……だが、こいつの生命オーラが減退すればお前の抵抗など無意味になるぞ」
“っ!”
なるほど、負けなければ良いんだな。
(ミア、コイツを倒して全部終わらせるぞ!)
“はい、マスター!”
俺達は心を一つにして豹炎悪魔に向き合う。だが、奴はそんな俺達を見て、馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「貴様らに本気の我の姿を見せてやろう!」
言うが早いか、豹炎悪魔が赤黒い光を放った!
“こ、この魔力……これほどとは!”
ミアが相手の力に驚く場面は初めて見たかも。
“お兄ちゃん、今バフをかけるからね!”
“リィナ、結界外からの支援には決められた手順が必要だ。今教えよう……”
こんなやり取りの間にも赤黒いオーラは膨張と変形を繰り返し、体長は十二〜三メートル程まで膨れ上がったのだが……
フッ!
不意にそれは体長ニ〜三メートルほどに凝縮した。
(これが豹炎悪魔の真の姿……!)
悪魔の証である角があること以外は二十代位の男に見える。しかも、その佇まいには威厳と高い品位が感じられ、さしずめ貴公子といった感じだ。
(無駄かも知れないが、〔超鑑定〕を使ってみるか)
動きのない今しかチャンスはないしな……
◆◆◆
豹炎悪魔の精神体
Lv????
◆◆◆
うーん、やっぱり無理か。
(あれ、でもLvの桁が前と違うような……)
リーマスで戦った時の奴とは別物だと考えた方がいいな。
「断りもなく、〔鑑定〕を使うなど無粋なまた奴よ」
豹炎悪魔は不機嫌そうに手を降った。
「知らないということは不安を掻き立てる、か。だが、知ろうとしたところで無駄なこと」
まあ、Lv差がありすぎて〔鑑定〕が弾かれるしな。
「種としての格が違うのだからな!」
豹炎悪魔が俺に向かってくる! は、速い!
ガツン! ドカーン!
辛うじて盾でガードはしたが、豹炎悪魔の圧倒的なパワーに俺は結界の端まで吹き飛ばされた!
“マスター、来ます!”
豹炎悪魔は吹き飛ばした俺に追撃を加えるべく突っ込んでくる。これもまた凄まじいスピードだ!
(カウンターを狙うか?)
一瞬そんな考えが頭をよぎるが、俺はすぐに結界の壁を蹴った。
ボカーン!
豹炎悪魔の拳が結界の壁に当たり、まるで何かが爆発したかのような音が辺りに木霊する。
(おいおい、何だよ、この威力……)
Str、Agi共に俺より遥かに高いな。
「ほう……賢い、いや小賢しいな。壁際に追い込めればなぶり殺してやったものを」
豹炎悪魔は余裕の笑みを浮かべながら俺の方を向く。コイツ、まだ全力じゃないのか……
「いや、逃げ足の速さを褒めた方がいいか? 人間にしてはやるじゃないか」
激闘の行方は……
次話は明日の朝7時に投稿します!
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