バトルとドロップ
興味を持って頂きありがとうございます
m(_ _)m
バトルの行方は如何に……
「〔グランドクロス〕!」
光の尾を引きながら俺の剣が骸骨魔剣士の体に十字を描く!
弱点である聖属性であることに加え、〔アンデッド特効〕〔聖属性攻撃超強化〕〔近接攻撃超強化〕の三つのスキルで強化された攻撃に骸骨魔剣士は断末魔を上げることなく消滅した。
(次は……)
俺は骸骨魔剣士のドロップには目もくれずに後退した。最後の骸骨魔剣士──こいつはCと呼ぶことにする──と毒屍人がすぐそこに迫っているはずだからだ。
ガキン!
繰り出された突きを反射的に盾で受ける。その突きを放ったのは骸骨魔剣士Cではなく、骸骨魔剣士Aだった。
(あの手応えでスタンしていないのか!)
有り得ない!
だが、次の瞬間、俺は別の可能性に気がついた。
(まさか、状態異常を無効化するのか!)
だが、俺に動揺はない。何故ならこの程度のピンチは今まで幾らでもあったからだ。だから、盾で防御したせいで動きが止まった俺に骸骨魔剣士Cが剣を振りかざして来たときには………
シュッ!
俺は急に右に回転! すると、その急な動きに対応出来なかった骸骨魔剣士Aは体勢を崩す。さらにはその勢いのまま骸骨魔剣士Cに剣を振りかぶった!
スパッ!
体勢を崩された上に一撃を受けた骸骨魔剣士はよろめき、俺に無防備な姿を晒す。今だっ!
「トドメだっ!」
俺の渾身の力を込めた袈裟斬りを受けた骸骨魔剣士Cの目から光が失われ、一瞬で崩れていく。よし、これで一対一に──
(いや、違うっ!)
思い違いに気づいた時には毒屍人が後ろから殴りかかってきた!
ガスガスッ!
ぐがっ! 油断していた俺は地面にたおれ──いや、それじゃ隙だらけだ。そのまま転がって少し距離をとった。
立ち上がる前に骸骨魔剣士が剣を振り下ろしてきたが、何とか盾で受け流す。
「〔ホーリーライト〕!」
聖なる白い光の奔流が骸骨魔剣士に襲いかかる。魔物が苦悶の声を上げる間に俺は体勢を立て直した。
(ラッキー! 〔ホーリーライト〕の余波で毒屍人も動きが止まってる!)
俺は隙だらけの骸骨魔剣士に剣を振り下ろそうとする。が……
◆◆◆
毒によるダメージを受けました。
◆◆◆
まるで心臓を鷲掴みにされるような痛みが俺を襲う。が、俺は何とか剣を振り切り、骸骨魔剣士に止めを刺した。
「治療はアイツの後だな……」
俺はようやく立ち上がった毒屍人に〔ターンアンデッドクロス〕を放って戦闘を終わらせた後、〔ピュアフレッシュ〕を発動した。
◆◆◆
解毒に成功しました
◆◆◆
やれやれ、ギリギリだったな。
(でも、何かこういうのは冒険者の醍醐味というか、生きている実感が湧くというか……)
多分、こういうのは危ない発想なんだろうな。リィナが怒る顔が自然と脳裏を過ぎる。
(必ず帰るからな、リィナ)
強くなりたいから冒険者をすると言っても、妹を泣かせるつもりはない。血のつながりはない妹だが、たった一人の家族なのだから。
(さて、ドロップを回収っと)
何が出たかな………
◆◆◆
骸骨魔剣の欠片×3
アンデッドソウル×1
黄色い巻き爪×1
触りたくないくらい毒々しい液体×1 new!
◆◆◆
触りたくないくらい毒々しい液体って……
でもまあ、きっといい素材なんだろう。普通ならこれをパーティで分けるのだが、俺はソロなので全部独り占めだ。
ちなみにいまアイテムボックスに入ってるドロップは……
◆◆◆
魔剣の欠片×8
漆黒の骨片×3
邪な頭蓋×2
黄色い巻き爪×5
汚れた包帯×3
触りたくないくらい毒々しい液体×1
アンデッドソウル×2
◆◆◆
見たことがない素材ばかりだから価値は分からないが、当分の生活に困らないくらいはあるだろう。
(リィナがビックリするぞ!)
尤もいつも“生活費なんてどうにでもなるんだから無理はしないで!”と怒られているので、最下層に行ったなんて言ったらお説教を食らう可能性の方が高い。
(そろそろ今日は終わりにするか)
ここは薄暗いので時間が分かりづらいが、外はそろそろ日も落ちるころだろう。キャンプに適した場所も見つけてあるし、今日はもう休むことにしよう。
(三〜四日はレベル上げに費やして、それから中央部分に向かおう)
俺はもと来た道を戻り始めた。
フェイは再びリィナに会えるのでしょうか?
続きは明日の朝7時に更新しますのでよろしくお願いします!
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