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新魔法

 歴代の魔王達の力が炸裂! いよいよ、〈セルフィッシュエデン〉に殴り込みだ!

(フェイ視点)


 魔王達と魔法陣が消えた後、俺達の目の前に〔セルフィッシュエデン〕に向かって伸びる大きな虹が現れた。


”名付けて〔ビフロスト〕。〔セルフィッシュエデン〕を破るためだけの新魔法だ“


 オズさんの声が頭の中でも響く。新しい魔法を作るなんて流石魔王だな!


“この虹の橋の上は安全だ。安心して進むといい”


(ありがとうございます、オズさん。それに歴代の魔王の皆さん)


 俺は心の中でそう礼を言うと、皆の方を向いた。


「橋は架かった。行こう!」



「そう言えばこの中、どうなってるのかしら」


 レイアは足元の雲をふしみめながらそう呟いた。〔セルフィッシュエデン〕は見た目は大きな雲の塊だ。この中にイベルがいるんだろうけど、奴の姿は周りにはない。


「分からないが、イベルを探すしかないか……」


 周りを見回しても雲ばかりだが……


「あそこ!」


 リィナが指差した先には何やら入り口らしき穴がある。


「罠かもしれないけど……どうする?」

「……」


 そう言われても考え込む。周りには他に入口らしきものはない。確かにリィナの言うように罠の可能性はあるな。


「けど、他に入口らしきものはない。どうせここは敵地なんだ。安全なルートなんてないだろう。警戒しながら進もう」


「そうね! やっぱり正面突破よね!」


 いや、そこまで開き直ってる訳じゃないぞ? っていうかそんなこと言われたら俺が何も考えてないみたいじゃないか!


 ザッザッザッ……


 穴の中は石造りの床と壁で出来たダンジョンみたいな感じだ。まさか〔セルフィッシュエデン〕の中がこんなふうになってたなんてな。


(でも、ダンジョンにしては通路が広くて天井が高いな……)


 そんなことを考えながら進んでいくと、何やら大きな生物の足音が!


「フェイ!」


「ああ。俺が前。レイアはリィナと共に少し離れて様子を見てくれ」


「分かったわ」


 レイアは若干不満そうだったが、黙ってしたがってくれた。彼女も自分のクラスが中〜遠距離戦向きであることは十分に分かってるからな。


(さて、調べてみるか。〔鑑定〕!)



◆◆◆


アラクネア(改)

Lv ???

 蜘蛛型の上級モンスターアラクネアをベースに何者かが改造を施した存在。その強さも能力もベースになったものとは段違いに上がっている。


◆◆◆



 か、改造? 一体誰が魔物を改造して強くしたりしたんだよ! 


「くるわ!」


 アラクネアがこちらへ向かってくる! 足が多くてもつれそうに見えるのに、めちゃくちゃ速い!


(そういや巣を張らない蜘蛛は足が速いか……)


 どうでもいいことを考えつつも、俺は後衛のリィナと距離を取りながら相手を待ち構えた。すると……


 ビュッ! ビュッ! ビュッ!


 奴が何かを飛ばして来た! かわせないことはないが……くそっ、体勢が崩れた!


(いや、こちらが狙いか!)


 奴は糸の塊のようなものを放っていたらしい。俺がかわして地面に落ちたそれは今、足場を絡め取るトラップのようなものになっている!


(トラップというか、巣か? 蜘蛛だからな)


 体勢を崩され、足場を奪われた。つまり、俺はあの巨体を真正面から受け止めなきゃならないってことか。


「フェイ!」


 リィナの心配そうな声が飛ぶ。まあ、状況的には圧倒的に不利。だが……


(新しいクラスの力を試すにはもってこいだ)


 新しい力、試させてもらうぜ!


(イベル視点)


(くっくっく……俺って天才ッ!)


 俺は〈セルフィッシュエデン〉をさらに広げ、地上にある最もややこしいダンジョンを再現。さらには俺が改造したアラクネアを中に大量に放ってやったのだ。


(絶対に出口が見つからない迷路に最強の改造個体、さらには数々の魔道具によるトラップ……突破出来る奴なんていないぞ!)


 どんな馬鹿が押しかけてきたのかは知らないが……無様にアラクネアの餌になるところを見物させて貰うぜ!


(あ……一人で見るのも味気ないか)


 どうせならこいつらをとことん利用させて貰おう。


「おい。これを地上の奴らにも見せてやれ」

「分かった」


 俺はオズに命じて目の前のウインドウを地上の奴ら──特に権力を持ってる奴らだ──にも見せてやることにした。馬鹿共の今を地上の奴らにも見せてやれば、俺に逆らうことの愚かさがよく分かるだろうからな!


(解説用に並列思考を用意して……これでオッケーだ!)


 映像を見ただけてじゃ俺の凄さが分からない奴らもいるかも知れないからな。思考を分けて解説してやろう。


(さて、まずは一匹目……)


 アラクネアは高速突進しながら糸を吐き、獲物の逃げ場を塞いだ。巨体を持つアラクネアと人間、力比べならどちらに利があるのかは明らかだ!


「よく見ておけよ、愚民共! 俺に逆らう奴は皆こうなるんだ!」


 アラクネアが逃げ場を奪われた獲物に飛びかかる! さあ、どんな悲鳴を聞かせてくれるんだ!?

 読んで頂きありがとうございました! 次話は来週月曜日の朝7時に投稿します!


 また場合によっては緊急でストックを投下することがあるのでまだの方は是非ブクマ登録をお願い致します(๑•̀ㅂ•́)و✧


※大切なお願い

 皆様のブクマやポイントが執筆の原動力です。「あ、忘れてた」という方がおられたら、是非御一考下さいませ( ´◡‿ゝ◡`)

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