本題
レジェンドクラスを二つも授かっていたフェイ。もう一つのクラスは一体どんなクラスなのか……
「これを見てくれ」
俺はクラスを変更し、皆にステータスを見せた。
◆◆◆
フェイ <繋ぐ者>
Lv ???
Hp ???
Mp ???
Str ???
Dex ???
Int ???
Mnd ???
Vit ???
Agi ???
luk ???
スキル
〔絆〕
◆◆◆
ステータスを見た瞬間、予想通り皆は困惑したように首を傾げた。
「これもレジェンドクラスなのかの？ 他のものとは随分違うようじゃが……」
「他のどんなクラスとも違うわね。パラメーターが“???”なんてクラスは他にないわ」
ちなみにレイアは俺達のパーティーの中で一番多くクラスを持っている。『ソードマスター』のクラスを得るために”託宣の聖印“をいくつか使ったからな。
「スキルは一つだけで、スロットもなし……確かに他のクラスとは違いますね。私もこんなクラスは見たことがありません」
「ヴェルリナさんもご存知ないんですか……」
リィナが驚いた声を上げるのも無理はない。最古の聖剣であるヴェルリナさんは言わば生き字引のような存在だからな。
(ヴェルリナさんが知らないのなら、誰も知らないって可能性もあるな)
つまり、俺達は自分の力でこのクラスのことを調べなければならないってことか……
「マスター、この“絆”というクラスはどんなスキルなんでしょうか？」
「ああ、それか」
そりゃ気になるよな。ミアに聞かれた俺はスキルのテキストを開いた。
◆◆◆
〔絆〕
今までの冒険で得た絆、それが未来を切り拓く力となる。
◆◆◆
俺が最初に見た時と同じだ。
「……これ、結局どんなスキルなの？」
「分からない」
レイアに聞かれても俺はこう答えるしかない。一体どんな風に使えば良いスキル何だか……
「……分からないなら使ってみるのがいい」
ボソッと呟いたのはニアだ。確かにそれはその通りだ。俺もそれが一つの手だと思って皆を呼んだんだしな。
(けど、大丈夫かな)
もし、攻撃用のスキルなら出す方向を間違えれば誰かに怪我を負わせてしまうかも知れないし……
「ニアさんの言う通りです。やってみましょう。周りへ影響が出るスキルなら私が防御します」
「私も協力します。新しいクラスのお陰で防壁が前よりも沢山だせるようになったし、大丈夫！」
ヴェルリナさんにリィナ……二人がいるなは大丈夫だな。
「やってみてよ、フェイ！ どんな力なのか興味あるわ！」
「きっと魔王を倒すための力ですよ、マスター！」
「妾にも見せて欲しいのじゃ、マスター！」
レイア、ミア、ネアも口々にそう言って俺の背中を押してくれる。よし……皆を信じてやってみるか。
(クラス変更……)
その瞬間、体の感覚が消える。まるで自分の存在が世界から消えたような奇妙な感覚だ……
(これがパラメーターが”???“ってことか)
分からない。が、することは一つだ。
「スキル発動！」
その瞬間、俺の心に何かが流れ込んできた！
＊
新スキルの力が明らかになった後、俺達は〔セルフィッシュエデン〕を攻略するための準備に取り掛かった。
(これならいける……)
新たに得たこの力なら魔王イベルを止めることが出来る！
「リィナが各国への調整、ヴェルリナさんが聖王国の取りまとめ、レイアは魔王達と作戦の相談か……」
ちなみにミア、ネア、ニアは揃って特訓だそうだ。何でも新しい技を開発するためだあとか……
(三人は大分仲良くなったみたいだな)
ちなみに俺は聖王国にある通信設備を使ってジーナさんやルーカスさん夫妻への連絡をした。今までの経過の説明やこれからの作戦への協力の要請……一方的過ぎて申し訳なく思ってしまうが、みんな喜んで協力してくれるとのことだった。
(魔王を倒して早く皆に会いたいな……)
男爵都市アリステッドはジーナさんやクロードさん、それに獣人のみんなの協力でめちゃくちゃ発展したらしい。そしてリーマスは”悪魔を倒した伝説の都市“として観光名所になりつつあるとか。
(色々あったけど、世界は良い方向に向かいつつあるのかな……)
だが、まだ仕上げが残ってる。魔王イベル、あいつを倒すまでは立ち止まるわけにはいかない！
託宣の聖印はフェイが黄昏の迷宮の最下層で得たクラスチェンジ用のアイテムです。懐かしいですね〜
読んで頂きありがとうございました！ 次話は来週月曜日の朝７時に投稿します！
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