表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
244/267

謁見

 あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします!


 ヴェルリナさんからの試練(誘惑?)をクリアしたフェイ。一体どんなクラスをゲットしたんでしょうか……

(フェイ視点)


 次の日の朝、二人に新しいクラスのことを話そうとしていた俺だが、予想外のことが起こった。


「教皇が俺達と……!?」


 突如神聖オズワルド共和国こと聖王国の教皇が俺達と会いたいと言い出したらしいのだ。


「儀式がまだあるんじゃ……」


「特別に免除されるみたいです。異例中の異例ですが」


 俺達にこの知らせを持ってきたシノンも戸惑いを隠せないらしく、その表情には動揺が見て取れる。


「その前にリーマスと連絡を取りたいのですが……」


 実は俺達はまだリーマスやブリゲイド大陸のジーナさん達と連絡を取ることが出来ていない。全ては教皇との謁見で許可が出てからと言われていたからだ。


(今までの話だと、教皇との謁見の前に連絡をとるってのは無理っぽかったけど……)


 リィナがこのタイミングでこの話を出したのは恐らく教皇の焦りを感じたからだろう。俺達としては色んな意味で謁見の前に連絡を取れた方が良いからな。


「取り計らいます。恐らく許可されると思います」


 シオンの言葉に俺は少なからず驚いた。どうも教皇側は何が何でも急いで俺達に会いたいらしい。


(何かあったってことか……)


 ちなみに、この国には冒険者ギルトはないが、リーマスやクロムウェルの冒険者ギルトの地下にあったような通信用の魔道具があるらしい。


(一体何が……)


 気にはなるが、今は謁見の準備をしないとな。俺達は手早く話し合って役割分担をすると、急いで準備に取り掛かった。



「此度はよくぞこの神聖オズワルド共和国まで参られた……」


 全身を覆う大仰なローブに纏った教皇はこれまた豪華というか、華美な装飾が施された椅子に座り、高い場所から俺達を見下ろしている。


(何ていうか……この国を象徴するような人だな)


 ローブについたフードは完全に教皇の顔を覆い尽くしているから俺達は表情さえ分からない。


「試練を乗り越えしそなた達には我が国から“勇者”の称号を与えよう。我が国の旗の下、魔王と戦い殲滅するのだ」


 ……ん? 何か変な話になってないか?


「申し訳ありません、教皇様。私達はこの国から称号を頂きに来たわけではありません」


 リィナがそう言うと、フード越しでも教皇が苛立つのが分かる。そして、それにより教皇の……いや、この国の狙いも分かった。


(つまり、聖王国が魔王討伐の音頭を取りたいんだな)


 そして、実行するのは自分達ではなく俺達……


「そなたらの話は勇者の称号を得た後に聞こう。魔王討伐のために必要なものとあれば、何物をも惜しまぬ」


 つまりはまずは聖王国の勇者になれってことか。


(けど、俺は聖王国のために魔王と戦うんじゃない。理不尽な扱いをされる人を無くすために戦うんだ!)


 つまらないこだわりかも知れない。が、自分で決めたことを最初から破るようでは魔王なんか倒せない……そんな気がする。


「さあ、勇者フェイよ。前へ──」

「俺は勇者なんかじゃありません」


 シィーン……


 俺の言葉にその場にいた皆が凍りついた。が、それでも俺には言わなきゃいけないことがある。


「俺は勇者なんかじゃない。だって、俺は皆を鼓舞して戦わせたり、正義や理想のために我が身を顧みずに戦えるような人間じゃない」


「なっ……」


「俺は臆病で弱い。だからいつも皆に助けられている。そんな俺が勇者であるはずがない」


 リィナにレイア、それにミアやネア、ニア。他にも沢山の人に助けられて来た。俺一人でも成したことなんて一つもない。


「聖剣を携えた者が勇者でなければ一体誰が勇者だと言うのか!」


 今までの取り繕ったような余裕を投げ捨て、教皇がそう怒鳴る。が、俺にも譲れないものがある!


「そんな話、俺は知らない。俺は今まで皆に助けてもらってここにいる。だから、俺も誰かを助けられるようなことをしたい。魔王を倒すのはそのためだけだ!」


「何という……何ということを!」


 教皇はフードを取り去り、激昂する。が、その時、突然辺りに光が満ちた!


「お見事です、フェイ様」


 光と共に現れたのはヴェルリナさんだ!


「ヴ、ヴェルリナ様!? このような場に貴方様がお越しになられては!」


「必要とあらば私はどんな場所にも現れます。そうでなくては何も為せないではありませんか」


「そんな……それでは教義が……戒律が……」


 ヴェルリナさんは崩れ落ちる教皇へ憐れむような眼差しを向けた。


「教義や戒律自体は大切なものです。が、それがなんの為にあるのかを考えて行動しなくては。貴方にも伝えたつもりでしたが……」

 読んで頂きありがとうございました! 次話は来週月曜日の朝7時に投稿します!


また場合によっては緊急でストックを投下することがあるのでまだの方は是非ブクマ登録をお願い致します(๑•̀ㅂ•́)و✧


※大切なお願い

 皆様のブクマやポイントが執筆の原動力です。「あ、忘れてた」という方がおられたら、是非御一考下さいませ( ´◡‿ゝ◡`)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ