ピンチとマッサージ
前半が微エロ展開です。苦手な方は飛ばして下さい。尚、この話を飛ばしていただいても展開に支障はありません(๑•̀ㅂ•́)و✧
ヴェルリナさんを寝所まで連れて行ったフェイでしたが……
「ありがとうございます、フェイ様……」
「傷が痛みますか? 回復魔法なら少し使えますが……」
俺がそう声をかけるとヴェルリナさんは軽く首を振った。
「体の傷ではないのです。どうも精神的なダメージらしくて、記憶も一部失われているんです」
「記憶が……」
こんなにも強いヴェルリナさんにそれほどのダメージを与えるなんて……一体何があったんだ?
(……いや、そんなことは詮索すべきじゃないか)
知ったところでどうにも出来ないし、下手をすればヴェルリナさんをもっと傷つけることになってしまう。それより俺がヴェルリナさんにしてあげられることを考えるべきだ。
(俺に出来るのは……)
回復魔法以外に俺に出来ることと言えば……
「申し訳ありません、フェイ様。着替えたいのですか、手が届かなくて……お願い出来ますか?」
「あ、はい……」
ヴェルリナさんは背を向けると、
(あ、下ろしたら良いんだな……)
ドレスを横に流した髪から覗く白いうなぎに行きそうになる意識を必死で抑え、手を動かすと……
パサリ……
着ていたドレスが落ちると、俺の眼の前にはヴェルリナさんの白い背中が現れた……
(……!!!)
うなじの誘惑に耐えていた俺の前にさらなる誘惑……流石に耐えきれず、ガン見してしまったと思う。多分五秒くらい。
「申し訳ありません。殿方にお願いするようなことではないのに……」
こちらを向いたヴェルリナさんは下着姿だ。半カップ程しかないブラは豊かな谷間は薄いレースで覆われているが、正直視線を遮る役目は果たせてはいないな……
(下も似たようなものか……)
一応胸や下に手を当てているが、彼女の豊かな胸は華奢な腕で隠せるような代物じゃない。いや、むしろ隠されることでかえって見たくな……
(何を考えてるんだ、俺はッ!)
とにかく、何か言わないとッ!
「あ、いえ。俺は別に……」
精一杯頑張って出て来たのはこれだけ。だが、そんなことばとは裏腹に俺の心の中は煩悩と理性が血みどろの戦争を行っていた。
見たい……見ちゃ駄目だ……
眼の前にいる下着姿のヴェルリナさんを前にした俺は傍目から見ればどう見えていたのだろう。とにかく俺は現状を打開するための術を模索していた。
「……俺、マッサージが得意なんです」
「素晴らしい特技です、フェイ様」
ヴェルリナさんは熱っぽい視線と共にそう褒めてくれた。いかん……マジでおかしくなりそうだ。
(……けど、マッサージを始めれば俺はマシーンになれる)
マシーンになった俺は何も感じない。そうすれば不埒なことを考えずに済むはずだ!
「お願い出来ますか?」
「勿論です……ベッドに横になって下さい」
ベッドにうつ伏せになれば、谷間等々が隠れて安全かと思いきや、綺麗な背中が丸見えだ。しかも……
(……美尻だ)
あ、いや、今のは無しだ!
「どうかなさいましたか、フェイ様?」
「……何でもありません」
いかんいかん。これは早急にマッサージモードに入らないと!
「はじめます」
「よろしくお願いします、フェイ様」
俺はゆっくりとヴェルリナさんの体に手を伸ばした……
*
しばらくして息が整った後、俺はヴェルリナさんと二人でベッドに腰かけた。
「フェイ様……凄かったです……」
体温を感じるくらいの距離でそう囁くヴェルリナさんは正直目に毒だ。マッサージが終われば俺はただの男だし。
「……ありがとうございます」
俺に言えたのはそれだけだ。横を見ないように視線は真っ直ぐだ。
「力も、名声も、若さもある。あなたにはこれから素晴らしい未来が待ち受けているのかことでしょう……」
……そうかな?
(力はないとは言えないが……名声はどうかな?)
あ、アリステッド男爵は獣人達の街の名前になってるか。
(でも、それはあくまでも俺の名声じゃないし……)
そんなことを考えていたせいだろう。俺はヴェルリナさんの次の言葉にハッとさせられた。
「そんな人が羨む存在である貴方は何故魔王と戦おうとするのですか?」
読んで頂きありがとうございました! 次話は来週月曜日の朝7時に投稿します!
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