レジェンドクラス
レイアが得たクラスは一体どんなものなのか……
(フェイ視点)
とりあえず師匠の家へ戻った後、レイアから亡念の魔冠とコンタクトした話を聞いた俺達は無茶苦茶驚いた。
(まあ、立ち直ったみたいで良かったけど)
しかし、やっぱりレイアは凄いな。幻とはいえ魔王達の前で堂々と喋っちゃうんだもんな。
(まあ、だからこそ魔王達に認められたんだろうけど)
レイアの新たなクラス、「魔帝」は何と俺の「パラディンロード」を超えるクラスであることが判明した。俺の〔鑑定+〕による解説はこんな感じ。
◆◆◆
「魔帝」
魔王を超える者のクラスとして新たに生まれたクラス。歴代魔王とコンタクトし、その力を使役する。ランクはレジェンド。
◆◆◆
クラスのランクは下級、上級、最上級とあって、俺の「パラディンロード」はその上、EXランク。だが、レイアの「魔帝」はさらにその上らしい。
(レジェンドって言うと「勇者」と同じランクってことだよな)
魔王を倒す者として神に選ばれた者のクラスとして有名な「勇者」もレジェンドクラス。つまり、それくらい凄いクラスってことだ。
(何か突破口が見つかると良いな)
だけど、レイア任せにしている訳にはいかない。俺も出来ることをしないとな!
”あの……マスター“
(ミア、どうした?)
俺が考え事をしていたのが分かったのか、ミアが遠慮がちに声をかけてきた。
“実は新たにネットワークに届いたメッセージの中に気になるものがあって、見ていただきたいんです”
気になるもの……?
◆◆◆
ヴェルリナ:
ミア様、ご降臨おめでとうございます。何でも魔王のことについてお知りになりたいとか。この老剣でよろしければお役に立てるやもしれません。
◆◆◆
おおっ……今までとは違って何か真面目そうなメッセージだ。
”ヴェルリナ……なんじゃ? 随分な自信ありげじゃな“
“ヴェルリナ様は地上に生まれた最初の聖剣であらせられます。当然、どの聖剣よりも……もしかしたら誰よりも世界の歴史に詳しい方かも知れません”
なるほど。聖剣だから寿命がある人間よりも歴史には詳しいかも知れないな。
(話を聞いてみたいけど……この人は今何処にいるんだろ?)
”ヴェルリナ様は地上に降りたってからずっと神聖オズワルド共和国におられます。そもそもヴェルリナ様の力を頼って出来たのが彼の国だと聞いています“
なっ……そうだったのか。
(神聖オズワルド共和国は聖剣や聖典の収集や研究に熱心だと聞いていたけど、こういう背景が関係してるのかも知れないな……)
まあ何にせよ、凄い聖剣ってことだな。
“しかし、ヴェルリナとやらに話を聞くためには神聖オズワルド共和国まで行かなきゃならんのか……おっくうじゃのぅ”
ここから神聖オズワルド共和国までは……かなりあるな。
(そういや、シノンやドレイクは元気かな)
シノンとドレイクらミアの回復のためにタイクーン山脈に聖石を探しに行った時に出会った二人だ。
(そういや、あの時も神聖オズワルド共和国に来て欲しいと誘われてたな)
儀式とか言われて腰が引けたこともあって行かなかったが、今はそんなこと言ってる場合じゃないな。
(今ある手がかりらしい手がかりはこれしかないけど……今まで来た道を引き返す感じになるからな。かなり時間がかかるぞ)
ここから神聖オズワルド共和国に行くには、魔都からブリゲイド大陸に戻り、オルタシュを経由してリーマスに戻らなきゃいけない。最低でも数ヶ月はかかる道のりだ。
「ふむ、方法がないわけじゃないぞ」
!!!
「し、師匠! 驚かさないで下さいよ」
いつの間にか向かい側に師匠が座っている。いつものこととはいえ、びっくりするよ……
(でも、師匠にはミアやネアの声は聞こえてないから何を考えていたかなんて分からないよな)
と思ったのだが……
「わかっとるぞ、神聖オズワルド共和国に行く方法を考えとったのじゃろ?」
なっ……
「そんなに難しい話じゃない。パラディンであるフェイが神聖オズワルド共和国にある最古の聖剣の元で情報収集をする……というのはごく自然な話じゃ」
なら始めからそう言って下さい……と言いたくなるが、それは無駄だ。師匠はこういう人なのだ。
「この魔都は魔族が避難出来るように世界中の様々な場所にゲートが開くようになっている。その幾つかは神聖オズワルド共和国の近くにあるかの。二〜三分で行けるぞい」
マジっすか、師匠!
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