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可能性

 リィナと二人でいた場面をレイナさんに誤解(?)されたフェイでしたが……

 誤解を解いた後──だが、どれだけ説明してもレイナさんはあまり納得したようには見えなかった──、レイナさんは真面目な顔になって要件を話し始めた。


「私がこのタイミングで魔都に来たのは、魔王になるのに必要なあの冠を破壊するためだって話はもうしたわよね」


 レイナさんとレイアの決着がついた後に現れた魔星将が出した冠のことかな。最終的にあのイベルとかいう奴がかぶっちゃったけど。


「あの冠は魔王が誕生するまでは魔都の奥深くで強固な結界に守られているからあのタイミングしか破壊できなかったの」


「つまり、今は破壊出来ないんですね」


「そうね。残念だけど」


 リィナの言葉にレイナさんは頷き、話を続けた。


「でも、魔族や魔都が危機的な状況になった時に導きをくれるものでもあるわ。あまり知られてないけど、魔王を生むのはそうした機能の一部──というより、魔王誕生はその機能が極端に働いた場合と言えるかも知れない」


 つまり、あの冠は魔王を生む以外にも使い道があるということか。


「もしかして、今なら冠から何らかの助けが得られる可能性があるってことですか?」


 そうか! 確かに今は魔族も魔都も危機的な状態だしな!


「あくまで可能性だけどね。冠は莫大な力を使ったばかりだし、無理かもしれないけど」


 確かにいくら凄い冠でも魔王を生み出した直後にまた力を発揮するのは難しいよな。


「でも、もし助けが得られたら……それは魔王の力、あの〔セルフィッシュエデン〕に干渉できる可能性がありますね」


 なるほど! 魔王を生み出した冠から得られた力なら魔王に通ずる可能性があるな!


「可能性はね……でも、今私が考えられる対策はこのくらいよ。申し訳ないけど」


「とんでもない! 可能性だけでもありがたいです。それにレイナさんが悪いわけじゃないじゃないです」


 リィナの言葉に俺も頷くと、レイナさんは少し表情を崩した。


「ありがとう。でも、この騒動は何とか収めてしまわないとね。準備が出来次第冠のある場所までは私が案内するわ」


 今まではあの〔セルフィッシュエデン〕に対する対策が全く見つからなかった。けど、もしかしたら突破口が見つかるかも知れない!



(魔王イベル視点)


 はぐはぐ……ごくごく……


 魔都から移動した俺は移動しながら食べ物や飲み物を徴収したのだが……中々旨いな!


(全く人間って奴らは良いもんを飲み食いしてやがんな!)


 まあ、魔都の奴らの生活水準が低すぎるせいかも知れないが……ま、どーでもいい。


(はぁぁ……自由だな)


 俺がしたい放題していても誰にも文句一つを言われない!


(それに比べて……下民共は大変だなぁ)


 やろうと思えば、俺は地上の様子も見ることが出来る。下民共があくせくと不自由な暮らしをしているのを見たり、物資を俺から徴収されて困る姿を見たりするのは最高に楽しい。


(そういや魔都から大分移動したな)


 空の上からだと現在地が分かりにくいな……


「俺は今、どの辺にいるんだ?」


「サンマーア王国の王都だ。”とにかくデカい街へ“と言われたからな」


 この空間には俺以外にいる唯一の存在──確か名前はオズとかいったか──はそう答えた。パッと見で男か女かも良くわからない奴だ。


(まあそれはどうでもいいが)


 何でも俺が手に入れた魔王の力を制御するための存在らしい。とりあえず命令を聞くみたいだから、俺の召使いみたいに使っているが。


(サンマーア王国か……そういや昔は色々やってたな)


 やっと魔族の憧れである魔星将になってやりたい放題できるかと思えば、偉そうに言う奴らにこき使われ、終いには人間なんぞにイライラさせられる始末……散々だったな。


(だが、それも過去のこと。今の俺を縛るものはなにもない!)


 俺は遂に自由を手に入れたんだ!


(あ、そーいやまだ人間達には新しい魔王イベル様のことを教えてなかったな)


 しょうがないな……新たな支配者の名を教えてやらないとな!


「オズ! 念話だ。下界の奴らに俺の声を聞かせてやれ」


「分かった」


 くくく……愚民どもの顔が見ものだな!

 読んで頂きありがとうございました! 次話は来週月曜日の朝7時に投稿します!


また場合によっては緊急でストックを投下することがあるのでまだの方は是非ブクマ登録をお願い致します(๑•̀ㅂ•́)و✧


※大切なお願い

 皆様のブクマやポイントが執筆の原動力です。「あ、忘れてた」という方がおられたら、是非御一考下さいませ( ´◡‿ゝ◡`)

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