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絆の証

すみません! 予約投稿の時間をミスってました! 来週は大丈夫です!


……さらにすみません、テンションが上がってちょっと長くなりましたm(_ _)m

「だからお前は愚かだというんだ、魔星将」


 クロードさんの声は表面上は静か。だが、そのうちには侮蔑や憐れみが満ちている。


「私の一族は誰かを犠牲にして他を生かすことを良しとはしない」


「よく言うぜ。とか言ってやってること結局仲間を身代わりにしただけじゃねーか。お前も口だけの聖人君子だな!」


 嘲笑うユベル。だが、クロードさんはそんな奴を見ながら薄笑いを浮かべた。


「そう見えるか? だろうな。だから、お前は他人を利用するだけの下劣な輩なんだ」


 明らかな挑発……だが、これはクロードさんの本心でもあるだろう。


(クロードさんの作戦を実行するにはさっきの魔法を使わせることが必要。だが、上手くいくか……?)


 何やかんやでユベルの方がまだ優勢。そんな相手を怒らせることは中々難しいが……


「下劣……下劣だと!?」


 !!!


(クロードさんの策は成功……)


 ユベルが握った拳からはうっすらと青い血が……


(だが、ユベルの反応は予想外のレベルだ!)


 一体何がトリガーになったんだ!?


「汚らしい龍人の分際で魔星将たるこのユベル様を下劣だと……許さん!」


 ユベルの前に漆黒の球が! さっきの魔法を使う気だ!


「跡形もなく消し去ってやる! あの世で仲間と後悔しろ!」


「フフフ……果たしてそれはどうかな?」


 クロードさんの周りに赤く輝くオーラが集まっていく。


(あれは龍人達の……)


 さっきまで戦っていた仲間は勿論、女子どもまでクロードさんに力を注いでいる。だが……


“だ、大丈夫なのか! これほどのオーラを他者に与えたら……”


“ネア、クロードさんの体の心配の方が先でしょう!”


 クロードさんの体は一族の力を集め、徐々に膨らんでいく。その姿はまるで……


(これじゃまるでオルタシュの時みたいだ!)


 このままじゃ、ネアとミアが心配している通りに……


“余計なことは考えないでくれよ、アリステッド男爵。いや、フェイ殿”


(クロードさん!)


“君は渾身の一撃を放つことだけを考えてくれ。それが我々の願いであり、俺と君との絆ね証だ”


 絆……


“短い間だったが、君達からは色んなことを学んだ。おかげで私はユベルと戦う前よりも強くなれた”


 いや、それはクロードさん自身の努力で……


“私も武芸者の端くれ。強くなったのなら例え命をかけても憎い相手に復讐せずにはいられないんだ。だから……後は頼む”


 この言葉がクロードさんの想い全てではないだろう。だが、今はこれで十分。何故なら……


(俺はこの一撃に全てをかければいい)


 他には何も考えない。ただただそれだけを。


“……ありがとう。だが、間違って倒してしまった時は謝るよ”


 クロードさんがそう言った瞬間──


「〔コラプサーズエンド〕!」


 ユベルの究極魔法が完成した! だが、クロードさんの準備も丁度同時に終わった!


「くらえ、我らが力の結集! 〔撃龍爪牙〕ッ!」


 クロードさんが剣を振るうと緑の剣閃が飛ぶ! それはユベルの生み出した〔コラプサーズエンド〕に吸い込まれるが……


「まだまだッ!」


 クロードさんが剣を振るう度に緑の剣閃が走る! さらにクロードさんが剣を振るう速度もまた、どんどんどん速くなっていく。その結果、ゆっくりと相手に向かって前進するはずの〔コラプサーズエンド〕の動きが止まっている!


「この……無駄なあがきを!」


 だが、ユベルの声には焦りが見える。出せば攻撃と防御を同時に行える究極魔法。だが、その弱点は発動の前後に隙をがあることと……


“有効範囲の狭さ……ですね”


 恐らくミアの言う通りなのだろう。あの漆黒の球体がある程度近づかなければ、吸い込むことが出来ないんだ!


(凄い……完全に押し留めている……!)


 あの漆黒の球体も永遠に存在できるはずがない。このままクロードさんに近づけなければ、何も出来ないままに消えるしかない。


“……いや、時間稼ぎなど必要ないかもしれんぞ”


 ネアの言葉通り、漆黒の球体は僅か……ほんの僅かずつだが、後退し始めている。反対にクロードさんの放つ剣閃は威力と数が増える一方だ!


“……神よ、クロードさんに力を!”


 リィナの祈りが聞こえる。確かに今の俺達にはこのままクロードさんが勝てることを祈るしか……


「ふ、ふざけるなよ……ここで終われる訳がねーだろうが!」


 ユベルは目を血走らせ、全身を震わせながら再び黒い球体を生み出した!


「があああ……四重合成、〔アルティメットコラプサーズエンド〕!!!」


 漆黒の球体がさらに巨大に、そしてその形を歪に変える。そして、その効果範囲は桁違いに上がり……


“フェイ兄! そこも危ない!”


 リィナが教えてくれた場所まで後退する直前、俺は思わずクロードさんの方を振り返った。その表情は……


(……笑ってる)


 想定を遥かに上回る有り得ない術を前にクロードさんは微かに笑っているのだ。


「今こそ勝機! 皆、やるぞ!」


 クロードさんを覆うオーラが呼びかけに応えるように鳴動し、渦を巻く。それは急速に収束しながら速度を上げていく!


「食らえっ! 奥義!〔撃龍爪牙:終の型〕!」


 緑の剣閃と赤い竜巻は一つに合わさり、ユベルの術と正面から激突した!

 読んで頂きありがとうございました! 次話は来週月曜日の朝7時に投稿します! ただ、テンションが高まったら早まるかも! その時はご容赦頂きたいm(_ _)m 


 何? ブクマ登録しているから大丈夫ですと?


 ありがとうございます!


※大切なお願い

 皆様のブクマやポイントが執筆の原動力です。「あ、忘れてた」という方がおられたら、是非御一考下さいませ( ´◡‿ゝ◡`)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 熱かった、いやもう熱かったです。 かっけぇなぁ、ちくしょう。ってのが今回の感想の全てです。 ここから、もう一つ波乱があっての大団円へと走るのか、それとも…… いや俺はアバロンを信じている…
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