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譲れぬ想い、その奥底は……

 いや、こんな展開構想に無かったんですよ……だって龍人遺跡入ってからフェイが何もしてないじゃないですか(笑)


 でも、悔いはないです! やっちゃって下さい、クロードさん!

「聖域を復活させるためです。失った聖域を復活させ、一族と聖獣様の暮らしを取り戻す。そのために魔将星を打倒します!」


「それは勿論だ、我が息子よ」


 力強く宣言したクロードさんにヴィクトーさんは満足気に頷いた。


「そなたの答えは正しい……だが、十分ではないのだ」


「十分ではない……?」


 少し困惑した様子のクロードさんにヴィクトーさんは静かに頷いた。


「それは一族の長として、聖獣の守り人としての目的だろう? お前自身の目的は何なのだ?」


「私自身の目的……」


「そうだ。魔将星という強大な敵に戦いを挑むのは何故だ? 何故そうまでしたいのだ?」


「……」


 考え込むクロードさんにヴィクトーさんは剣をしまうと、印を切った。


「魔力とは魂の奥から湧いてくる力の一つ。自分の心に蓋をしていては生まれようもないぞ」


 言うが早いか、金色のオーラがヴィクトーさんから吹き出し、龍の形を創り出す。見た目は豹炎悪魔(フラウロス)のオーラを纏ったアバロンに似ているが、雰囲気は全く違い、とても神々しい雰囲気だ。


「そなた自身が戦う理由、それを見つけ出すのだ!」


 



(クロード視点)



(私の戦う理由……)


 そう言われて思い当たることがなかった訳じゃない。むしろハッとさせられた。


(正直、責任や義務について考えるばかりで、自分の気持ちについては何も考えてこなかったな……)


 そんな場合じゃないという事情もある。獣人達に自分が龍人であることを明かしてからは一層考えること、やるべきことが増えたからな。だが……


(それでは足りないな、確かに)


 何のために戦うのか。それがはっきり分からないままでは踏ん張りが効かない。そうでなくても義務感だけで出来ることなどたかが知れてる。


(私は何のために……)


 そう考えた瞬間、ソレは俺の胸の内から飛び出してきた!





(フェイ視点)



 ヴィクトーさんの言葉にクロードさんの動きが止まる。

 

(いや、クロードさんは聖域の復活を誰より願ってると思うけど……)


 だが、ヴィクトーさんの言うことも分かる。確かにクロードさんは自分を押し殺して頑張ってるところはある。それで全力が出せるかというと……


「……私自身の目的」


 クロードさんが静かに呟く。決して大きな声じゃなかったが、その声には何処か今までにはなかった何かがこもっているような気がする……


「私は……にくい」


 ……ん? 今なんて?


「私は魔将星が憎い……一族を……聖域を踏みにじり、私自身も弄んだ魔将星が許せない」


 そりゃそうだ……


(……あれ?)


 クロードさんから今までにないプレッシャーを感じるぞ。これはひょっとして魔力か?


「奴に思い知らせたい……私の怒りを、憎しみを……」


 クロードさんから放出される魔力が急激に高まっていく!


「魔将星……許せんッ!」


 その瞬間、クロードさんからドス黒いオーラが立ち昇る! そして、そのオーラはまたたく間に龍の形になっていく……


(この龍……ヴィクトーさんのと似てるけど……)


 姿はそっくりだが、色はどす黒いまでの黒。しかも時折稲妻にも似た赤黒い閃光が走っている……


「……そうか。〔龍活性〕は血の根源を遡り、力を呼び出すスキル。だから一族の想いとシンクロする必要があったんだ」


 リィナが何かに気づいたようにそう呟く。それってつまり……


(一族の想いとシンクロする……今まではそれが出来ていない、もしくは不十分だったってことか)


 聖域の復活、一族の自由を取り戻すこと……それらは勿論大切だ。だが、龍人族には魔星将に対する怒りや憎しみも当然ある。


(だから、それらに蓋をしていたら当然使えない……)


 魔力が戻らないから〔龍活性〕が使えないって話だったけど、魔力が戻っていても使えなかった可能性はあるな。


「そうだ、我が息子よ。魔将星は強い。お前のすべてをぶつけなければ勝てないぞ! 正と邪、陰と陽、ありとあらゆるものを昇華し、力とするのだ!」


「ウォォォ!」


「来い! お前の想い、見せてみろ!」


 ヴィクトーさんの龍とクロードさんの龍が互いに向けて突進し、衝突する! それらは互いに食い合うと渦を巻きながら混ざり合う。すると……


 カッ!


 唐突に光が爆ぜる。その圧倒的な光量に俺達は思わず目を閉じる。


(……………)


 誰かが膝をつく音がする。決着がついたのか!?


(……光もおさまったか?)


 

 恐る恐る目を開けるとそこには膝をつくヴィクトーさんと呆然とそれを見下ろしているクロードさんが! やった! 試練はクリアだ!

 読んで頂きありがとうございました! いよいよラストバトル……多分今まで一番アツいです。良いか悪いか分かりませんが、途中書きながら泣きました(笑)


 次話は来週月曜日の朝7時に投稿します! ただ、テンションが高まったら早まるかも! その時はご容赦頂きたいm(_ _)m 


 何? ブクマ登録しているから大丈夫ですと?


 ありがとうございます!


※大切なお願い

 皆様のブクマやポイントが執筆の原動力です。「あ、忘れてた」という方がおられたら、是非御一考下さいませ( ´◡‿ゝ◡`)

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