正体
GW特別更新二日目!
相手はまさかの魔星将! 戦いの行方は……
(フェイ視点)
俺達が近づこうとすると、怪しい気配は一瞬で拠点から離脱した。
(気づかれた……!?)
“いえ……私達に気づいてはいないと思います”
じゃあ、どうしたんだろう……いや、それよりも!
(追いかけよう!)
“はい!”
俺は素早く〔アイテムボックス+〕からアリステッド男爵の衣装と仮面を取り出して身に纏うと、気配がする方へと駆け出した!
“いました!”
ミアが言った通り、こいつは別に俺達から逃げていたわけじゃないらしく、すぐに追いつくことが出来た。
(何だ、コイツは……)
眼の前にいたのは人間の背格好に似た魔物だか、色々な生きものをツギハギして作ったような奇妙な外見をしている。
(来ます!)
ミアの声と共に奴は振り向き、オレ達に向かってきる。早いな!
(……こいつは油断しない方がいいな)
俺達に気づくなり、ノータイムで攻撃してきた反応の良さに加え、このスピード……相当な強さだ!
ガキン!!!
魔物の攻撃を盾で受けたのは、かわせなかったからじゃない。このスキルを発動させるため……
◆◆◆
〔奇跡の聖印〕
剣で攻撃したり、盾で防御する度にHpが回
復する。Hpが減少していない場合はStr、
Vit、Int、Mnd、Dex、Agi、luk の何れかにバ
フがかかる。
◆◆◆
と、これだ!
「〔デュアシールドカウンター〕!」
接触すると同時に発動したスキルには確かな手応えが。よし、これなら!
ザザザ……
なっ! 奴は二〜三メートル程押されはしたが、倒れることなく踏ん張っている。しかも、ダメージを受けた様子もない!
ボンッ!
突如盾から爆発音! これは!?
“くっ……申し訳ありません。あの魔物の体液は空気に触れて気化すると爆発するようです”
なっ……
(大丈夫か、ミア!)
“大丈夫です。お気になさらずに! それより来ます!”
また突進してくるのかと思ったら、今度は何かを飛ばしてきた!
(クッ……また爆発するのか!?)
全てかわそうとするが、とにかく数が多い!少ない数は盾で受けることになり………
ボン! ボン! ボン!
“うっ……!”
(ミア!?)
“大丈夫です!”
クソっ……今までの盾で受けてミアにダメージがあったことなんてなかったのに!
“恐らく奴が身に纏っている瘴気のせいじゃ”
ネアか!
“ミアは瘴気に対して高い耐性があるが、相手の瘴気の濃度が高すぎる。攻撃そのものは平気でも、それが纏っている瘴気までは防ぎきれずにダメージを負うのじゃろう”
(……それじゃ、攻撃してもミアが傷つくってことか!?)
“……おそらく”
クソっ、どうしたら!
“!? マスター、後ろです!”
遠距離攻撃が止んだと同時にミアの声が飛ぶ。ネアとの会話に気を取られ過ぎてしまったか!
ガン!
ミアの声のおかげで直撃こそ避けられたが、それでも攻撃はかわしきれない。そして……
ボン!
ヤツの拳で鎧についた体液が爆発する!
(ガハッ!)
熱と衝撃に耐えながら距離を取る。が、賢い戦術とは言えない……
(完っ全に主導権を握られてるな……)
魔物が遠距離攻撃を放って来る前に〔サランウォール〕で壁を作る。が、これが既にヤバい。
(これじゃ奴の思う壺だ……)
相手は遠距離攻撃をしながら隙を見て接近して攻撃をしてくるが、こちらは距離をとるだけで精一杯……しかも、攻撃も防御も出来ない。
(こっちも遠距離で応戦……いや)
作ったアイテムや〔サランストリーム〕でこちらも遠距離戦をしかけることは出来るが、そうすれば相手が不意に距離を詰めてきた時の対応が鈍る。普段なら盾が使えるからさほど困らなかったが……
“……マスター、一つ提案がある”
今までになく真剣な声……どうしたんだ?
“成功するかは分からんが、あれをやってみたい”
あれか……
“妾なら瘴気でダメージを受けることはない。なら、マスターは思う存分戦えるじゃろ?”
だが、攻撃が……
“無論、マスターが攻撃したときの瘴気も妾が引き受ける”
なら何とか戦えるか? でも、成功率があまり高くないような……
“どの道手詰まりじゃろ? 博打の一つくらい大丈夫じゃ”
“ネア! そんないい加減な……”
流石にミアが顔をしかめるが、ネアの話には一理ある。結局、流れを変える必要があるのだ。
(良し、じゃあ頼む。次に奴の攻撃が止んだときがチャンスだ。ミアはギフトの準備を)
“お任せ下さい!”
さて、上手くいくか……
読んで頂きありがとうございました! 次話は明日の昼12時に投稿します!
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