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プロローグ

1章完結までは毎日投稿します。


2章以降は小説のレビューを見て、

考えたいと思います。

何がきっかけだったのかは覚えていないが、

俺には長い間ずっと答えを探し求めている問がある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キーンコーンカーンコーン


授業の終了を告げるチャイムが学校中で鳴る。


「よし、今日の授業はここまで!」

「起立! 気をつけ! ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」


日直の号令に続き、俺たちは挨拶をする。


「んー、やっと終わったぁ。」

「お前、また寝てただろ。

絶対、先生気付いてるぞ。」


「ねえねえ、美味しいクレープのお店

見付けたんだけど一緒に行かない?」

「いいね!行こ、行こう!」


教室の中が一気に騒がしくなる。


天原(あまはら)君、今日はこの後時間ある?」


一人の女子生徒が俺に話し掛けてくる。


「ごめんね、今日も父さんの手伝いをしなきゃなんだ。」

「そっか、じゃあまた今度誘うね!」


そう言い残すと、女子生徒は友人の元へ戻って行く。


(ちっ、毎日毎日誘って来やがって、いい加減諦めろよ。俺は、てめぇらに微塵も興味が無いんだよ。)


俺がそんなことを考えていると、


「『リョウ』!さっさと帰ろうぜ。」


唯一無二の親友である『コウ』が話し掛けて来る。


「分かった、じゃあ帰ろうか。」

「おう!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「女の子にはもう少し優しくした方がいいと思うぞ?」


帰宅途中『コウ』が唐突にそんな事を言い出す。


「はあ?」

「『リョウ』が人間不振気味だってのはよく知っているがよお、それは、人と関わらなければ治らないと思うんだよ。」


確かに『コウ』の考えには一理あるだろう。だが、


「例えそうだとしても、俺があいつらと良好な関係を築くことはあり得ないな。」


「何でだよ!

『リョウ』からしたらそうでも無いかもしれないけどよ。さっき話し掛けて来たのなんて、

俺達のクラスのアイドルだぞ?

男なら可愛い女の子に話し掛けられたら嬉しいもんだろ?」


「たとえ絶世の美人だろうが、

三次元の人間である以上

期待するのは無駄なんだよ。」


「うーん、今回は脈ありだと思うがなあ。

ちゃんと“私、恋してます!”って目してたし。」


「見間違いだろ。」


「なんで、そんな頑ななんだお前は?

根は優しい奴のはずなんだがなあ。

男もダメ!女もダメ!となると

お前を攻略するにはどこから攻めればいいんだ?」


「俺に攻略される気がないうちは不可能だな。」


俺の家は所謂、名家というやつだった。

小さい頃から英才教育を施され、

様々なパーティーにも参加させられた。

笑顔を取り繕い、

少しでも自分が上の立場に上がろうと

蹴落とし合う大人達を見て、

俺は、人間が恐い生物であることを嫌という程

分からされた。


自分も将来はこんな大人に成長するのかと思うと

吐き気がして、習い事の休憩の時間にお手伝いさんたちの目を盗み、家出をした。


暫く走ると、小さな公園があり、

そこで出会ったのが『コウ』だった。

泣いていた俺を心配して、声をかけ、話を聞いてくれた。


「ほーん。金持ちも金持ちで大変なんだな。」


『コウ』は俺の話を聞いた後、そんな感想を述べる、


「じゃあ、友達になろうぜ!」

「友達?」

「そう、友達だ。

俺がお前を助けるから、

お前も俺が困った時は助けてくれ。どうだ?」


俺は少し考えてから答える。


「うん、分かった!」

「じゃあよ、この公園を俺達の秘密基地にするから

何かあった時は来いよ!

今ぐらいの時間なら俺、いつも暇してるから

この公園に来るようにするからさ。」

「うん!」


『コウ』はその後、すぐに親に連れられて帰ってしまったが、

翌日からも俺が公園に行くと必ず待ってくれていた。

初めてできた友人と遊ぶのはとても楽しかった。


だが・・・


ある日、俺が家の外に出るのが親に見付かってしまった、

勉強の時間が増やされ、監視をされるようになった。

起きて・勉強して・寝るという生活を続け、

五年が立つと、俺は公園に行きずらくなってしまった。

『コウ』が俺のことを忘れているのではないかと

考えると、恐くて仕方がなかったのだ。


そうこうしているうちに時が過ぎ、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「君たちはこれからの社会を代表する者のして〜〜」


高校生になった俺は退屈な日々を過ごしていた。

習い事は終わり。今は、父親の仕事の手伝いをしている。


無駄に長い入学式が終わり、

俺達は教室に移動させられる。


「ねえねえ聞いた?

うちのクラスに特待生がくるんですって!」

「へー! どんな人なのかな?」


この学園は、未来の指導者を目指すエリート達が通う学園の一つだ。

知識量だけでなく家柄も重視され、

一般枠での入学は厳しいと言われている。

それでも、毎年大勢の入学希望者が現れる。


何故か?

この学園を卒業できれば将来は安泰だと保証されているからだ。


「おい!お前はどんな奴が来ると思う?」


一人の男子生徒が俺に質問してくる、


「うーん、どんな人かはわからないけど。

先生が入試のテストが満点だったって

言ってたのは聞いたから、賢い人だとは思うよ?」


俺の言葉にクラス全員が反応する。

あっ、これは失敗したか?


「へー!そうなんだ!

何か他に知っている事は無い?

噂でも良いからさ!」


大勢の生徒が俺に質問を投げ掛けてくる。

(はー、予想通り面倒くさいことになった。)


ガラッ

扉が開く音に教室が静まる。


「席に着け〜、ホームルーム始めるぞ。」


教師の言葉を聞き、皆が自分の席に戻る。


「〜〜〜〜。分かったか?

今言ったのが、これからの予定だからな。

よし、じゃあ紹介するぞ、

30年振りに我らの学園に一般枠で合格した者だ。

皆、仲良くな。」


その言葉の後、男子生徒が教室に入ってくる。


「俺、谷守(たにもり) 虎宇太(こうた)って言います。

これから、よろしくお願い致します。」


なんと、大きな声で自己紹介をする男は

俺の友達である『コウ』だったのだ。


驚く俺を見て『コウ』は笑う。

それが俺、『天原(あまはら) 龍太(りょうた)』と『谷守 虎宇太』の再開だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、冒頭に戻る。


『コウ』はすぐに人気者となった、

勉強もでき、運動神経も抜群なのに

それを自慢する事も無く、

優しい性格なので

当然と言えば当然だろう。

今では、時々相談を受けている様子を見かける。


俺はそんな友人を持って誇らしい気持ちだった。


「どうしたんだよ?

急にボーッとして。」

「いや、『コウ』が親友で本当に良かったと思ってな。」

「よせやい、急に。照れるじゃねえか。」


そんなふうにして、俺と『コウ』がじゃれあっていると、


キュッ、キキーッ


「なんだ?」


何かが物凄い速度で擦れる音がする。

俺が周りを見渡すと

目の前から大型のトラックが俺達に向かって来るのが見えた。


「危ない!」


ドン


俺は『コウ』を後方に突き飛ばすが、

俺自身は避け切れなかったらしい。


「『リョウ』!」


『コウ』がすぐに俺の元へ駆けつけるが・・・


「すまん。」

「何、謝ってんだよ!

待ってろ、今すぐに救急車を呼ぶからな。」


『コウ』の心配する声を聞きながら

俺の意識は薄れて行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ん?」


暫くして、俺は意識を取り戻す。


(なんだこの部屋?)


俺が寝ていた部屋には、見たことの無い道具が乱雑に置かれていた。


部屋の様子に呆然としていると、空中にゲーム画面のようなものが現れる。


【コマンド】

・泣く


俺は躊躇無く、そのコマンドを選択する。

その瞬間、俺の体は俺の意思に反して泣き始めてしまった。

【読者の皆様へ】

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