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タロットカードと共に往く少女の王道  作者: 霧雨
王都攻防戦
3/3

1話 邂逅 咎人

―――王都「ユロピア」。

世界に複数存在する大国の一つ「オルディアナ神聖国」の王都。

若くも聡明な王により統治されるこの国には少数だが強力な魔法使いの集団「アルカナ正教会」の本拠地たる教会があり、治安は極めて良かった・・・

が、8年前、悪魔の出現を皮切りに強力な魔物達が現れ、人的被害も少なくない。



「――こんなところですね。

僕たちの仕事・・・言い切ってしまえば魔物の討伐をはじめとした依頼を受ける何でも屋ですね。

急激に仕事量が増えてしまって、元々少数の僕たちですから各地に散っているんです」


「はあ・・・」



レオさんが何を言ったかは理解できたが、何というか実感が沸かない。レオさんは昨日の今日初めて都会に来た田舎娘が関わるような人ではないのだ。


アリアはレオに連れられ、正教会の本拠地「フェイト聖堂」に向かっていた。

本拠地とはいえ、活動のため中々集まることはないらしい。


「ここ数年、全員の顔を一度に見るようなことはありませんね・・・

ここユロピアに今居るのは・・・僕とあと一人です。

きっと聖堂にいると思いますが・・・居なかったらどうしましょうか。

彼にも貴女と会わせておきたいですし・・・」



「あ、あの、その人ってどんな方なんですか?」


「彼・・・ですか。何というんでしょう。

いえ、決して悪い者ではないのですが、少々癖が強い・・・

いや、それはメンバー全員に言えたことですが・・・」


「ははは・・・悪い方ではないんですよね?それなら良かったです。」


数十分程歩いて移動し、アリアとレオはフェイト聖堂の前に到着した。

レオが聖堂の扉を開くと、ステンドグラスにより神秘的な雰囲気を醸し出す祈りの間が目に入った。

アリアはしばらくその光景に見とれていたが、一つ気が付いた。

レオの言っていた人の姿が見えなかったのだ。


「その方・・・いらっしゃいませんね?」


「さあ、どうでしょうか?

・・・ロイド、隠れないで出てきてください」


「え?でも誰も・・・」




「あちゃー・・・やっぱバレる?

せっかく驚かせてお客さんを歓迎しようと思ったのに・・・」


直後、何もない空間から男が出てきた。


「うわぁっ!?」


私は驚いて尻もちをつくところだったが、レオさんが支えてくれた。


「はあ・・・その悪癖は治せと言っているでしょう」


「ハハッ、辛辣~!

何もそこまで怒らなくてもいいじゃん。減るものでもなし」


小柄な体を全身黒の服装に不気味な笑顔の張り付いた仮面で覆う青年は悪びれもなく手をひらひらと振っている。悪い人ではないと聞いていたのだが・・・?


「あぁ、ごめんね。

俺は『咎人ハングドマン』、ロイド・キードール。

気軽にロイドって呼んでくれていいよ。お嬢さん」


仮面を外した青年ロイドの顔には屈託のない笑顔が張り付いていた。



―――これが、悪戯好きだが憎めない青年、ロイドとの出会い。

アリアとなんだかんだで一番付き合うことになるのは、また後のお話―――










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