68話:暗黒騎士ルナ様
外はすっかり暗くなってしまっていたが、大通りは昼間と変わらず活気に溢れていた。電気も無い世界だというのに、あっち世界の都会のように街は煌めいている。
僕の腕をとって隣を歩くカティが、嬉しそうに街の説明をしている。
ここの串焼きは旨いとか、あそこのパンが旨いとか食い物の話ばかりなのはご愛嬌か。
それよりも道行く人々の視線が痛い。
僕達がただのバカップルならここまで人の目に付く事はないのだろうが、片方があの勇者様だからここまで注目を浴びてしまっているのだ。
今や箔がついてしまった美少女勇者様が、どっかの冴えない獣人もどきと楽しそうに腕を組んて歩いている。
この状況。大体のロリコンならこう思うだろう。代わってくれと。
僕も出来れば代わりたい。現に何回もこの腕を振りほどこうとしている。
だが駄目なのだ。勇者様は女神から授かったチートの力までをも使って僕の腕に絡み付いてくるのだ。
大衆よ、仲睦まじいカップルに見えるかい?
いや違うね。そう見えるだけだ。
これは拘束だよ。イラストならカティの腕に怒りマークが描かれていることだろう。
これは作られたイチャイチャなのさ。仮面カップルなどと言ってもいい。
「・・・アイツ、リョ〜君にくっつき過ぎじゃない?」
「・・・・・・イムのばしょ、盗られた。」
「仕方ないではありませんかピノ、イム。我々とは過ごして来た時間が違います。」
「つっても、勇者はリョ〜君が小さい頃に別れたって言ってたじゃん?わたし達の方が長いんじゃね?」
「そう・・・・・・その中でも、イムがいちばん・・・・・・だから次は、イムがくっつく。」
「卑怯です!順番なんて全部イムが1番目ではないですか!?」
・・・モン娘3人娘は、またくだらない事でケンカを始めている。
君達ね、そういう話題だとメイコが中に入れないのよ。気難しいんだから気を使ってよ。
「・・・やっぱり暫く封鎖するみたいね。」
ルナ様が歩きスマホをしながらぼやいている。
・・・スマホで!?冒険者ギルドのホームページとかあるんだろうか・・・?
「やっぱり例のドラゴンですか?」
「そうね。肝心のドラゴンは見付かってないみたいだけど、オモチと一緒にいた者達の遺品だけは発見されたらしいわ。オモチの証言は本物と判断されて、安全が確認されるまでアノールとタマティー間の行き来は禁止。ゲバルド=トクレンコらは暫く来ないわね。」
なんとまぁタイミングの悪い。一緒に来ていればこんな事にはならなかったのに。
「・・・嫌よそんなの。堅苦しい男との旅なんて御免ですわ。」
「はは・・・。まぁ確かに。」
元騎士で司祭やってるだけあるからな。馬車の中でダラダラしてたら、ルナ様にすら説教を始めそうだよ。
「まぁ、ゲバルド=トクレンコが来ようが来まいが、どうせ私達がやる事には関係無いでしょ。」
「そうですか?司祭様なら、学園長やら国王陛下に文句ぐらい言いに行けないですかね?」
「貴方ねぇ、簡単に考え過ぎよ。そんなうまい話ある訳ないじゃない。30年も日本に居た貴方には理解出来ない事でしょうけど。」
むむむ・・・そう言われると弱いな。
王族とか貴族とかの事なんか分かる訳ないじゃん。
しかもここは異世界だ。あっちの世界の中世の時代ともまた違うしなぁ。踏み込んだ話なんてされても僕にはどうしようもない。
「パパの話??? リョウ、結局パパは来るの?」
「ん?・・・おいおい説明するから。」
僕の隣で、馬鹿そうな顔で僕を見るカティ。
さっきまでのルナ様との会話を全く理解出来て無いらしい。
半開きの口を閉じなさい。馬鹿に見えるから。
「心配しなくても、あの筋肉ダルマなら大丈夫よ。大抵のドラゴンなら倒してしまうわ。」
「確かに・・・そうでしょうね。」
ルナ様の言う通りだろう。ゲバルド氏がやられるところなんか想像出来ないし。
「寧ろ問題なのは、本当にドラゴンが居るのかって事だと思うのよねぇ。」
「え?どういう事ですルナ様?それってつまり、オモチさんは嘘をついてたって事ですか?」
「そういう事ではないわ。まだ予想の段階だし・・・ほぼ間違いないとは思うけど、確証は無いわね。だから気にしなくていいわ。 取り敢えず街道は封鎖。ゲバルド=トクレンコらは暫く来ない。これだけの事実が分かっていればいいのよ。」
・・・ルナ様の予想、か。
ドラゴンは実は居ないのか?
いやでもくノ一ちゃんは嘘をついてる風ではなかったし、実際に死人も出ているんだ。
やっぱりドラゴンは居るんだろう。という事は、もう森の奥に戻ってしまってそこには居ないという事なんだろうか?
はたまたドラゴンとは別の魔物だとか?
それともドラゴンの中でも弱っちくて、街道を封鎖するほどでもないドラゴンとか?
「・・・ハァ。だから気にしなくてもいいと言ったでしょ?私が分からない事が、貴方に分かるのですか?」
「・・・いや、分からねえです。はい。」
「そうでしょ?では、今日は此処で晩ご飯にしましょう。」
先導していたルナ様が、ある店の前で立ち止まる。
大勢の人の楽しそうな声が聞こえる。店の看板には“イワシ食い亭”と描かれていた。
・・・いや、食ったらよろしいやん。
「おお〜!ルナ様スゴいです!ここ美味しくって有名なんだよ!」
「んふふっ、当然ですわ勇者ちゃん。よぉし、今日はリョウの奢りですわ。好きにしなさいッ!」
「わぁい!!ありがとールナ様!!」
カティが飛び跳ねて喜び、従魔達も、さっすが〜女神様は話がわかるッ!と小躍りしている。
・・・当然、金は僕が管理しているので、最初から僕の奢りである。
一同、妙なテンションで店に入ると、早速ウエイトレスらしき女性が駆け寄ってくる。
「こ、困りますお客さん!従魔は入れないでください。」
・・・歓迎の駆け寄りではなかった。
ゲリラの女指導者を好きにしていい権利を貰ったようなテンションだったモン娘達は、ピタッと動きを止めた。
ここ以外ではこんな事を言われる事は無かったのだが・・・普通に考えれば当然である。食べ物を扱う店の中にペットを入れるのは駄目だよな。
僕はモン娘達に、人間形態になるように指示した。
結構人目を集めているが、面倒なのでその場で変化させる。
「・・・は?・・・な、7名様ですね?どうぞ奥の席が空いてますよ・・・?」
目をパチクリさせ、混乱しながらも、女性は席へと案内する。
もう何回も見た光景だが、女性の頭の中ではどういう処理がされているのだろうか?
「そういえばそうだったわね。リョウ、アノールでは店の中に従魔を入れるのはマナー違反ですわよ。」
「そうなんですか?パイマーンとかでは特に何も言われなかったですけど。」
「それは魔物使いがレアクラスだからですわ。従魔を連れ立った人間など殆ど居ないのです。居ないものに従魔をどうこうと決まり事を作らないでしょう?王都には国中どころか、世界中から人々が集まります。その中には、少ないですが他の魔物使いが居るのです。ですから、しっかりと線引きがされているのよ。」
ふ〜ん。だからアノールに入る時だけ従魔紋のチェックとかがあったりしたのか。
宿とかもそうだな。従魔が泊まれる宿が今迄無かったのはその為か。
「・・・ねぇ、リョウ。イムは女の子なのは知ってたけど、他の子達も女の子なの?」
大人数用のデカいテーブルのある席に通され、一通り注文すると、カティがちょっと不満気な顔をして聞いてくる。
こんなかわいいモン娘達の中に1匹でもオスが居るとでも思ったのだろうか?それはそれでアリだけどな!
僕がオスを従魔にする訳ないだろう。ていうか出来ないけどな!!
「そうだ。みんなメスだよ。」
「むぅーー!なんでなの!!?」
「僕のクラスはそういうヤツだったんだよ。カティだって覚えてるだろ?僕のクラスが普通じゃない事くらい。」
「そうだけど・・・でも、だって、みんなかわいい子ばっかりじゃん。なんでみんな女の子になれるの?」
そっちの意味で不機嫌なのか。
仕様がないじゃん。主人の趣味です!萌えたろ?
「・・・カティ、彼女達は変化という特殊な技が使える。人間そっくりにもなれるし、ハイブリッドなもっこり魔物にもなれるんだ!」
「は・・・・はぬけブラッド?」
誰だよ歯抜けブラッド。可哀想だろブラッド。
「考えてみなさい、カティ。魔物の姿のままなら、こうやって一緒に食事も出来ない。一緒の宿で寝る事も出来ない。共に戦う仲間だというのに親睦を深める事も出来ないんだよ!それを解消するため、彼女達は珍しい能力を身につけてくれたんだ!彼女達が人間のようになれて良かったろう?なあ?」
「そうだったの!?す、スゴい・・・。」
チョロいな馬鹿め。何かスゴいんだよ。
「勇者ちゃ〜ん。リョウは適当な事を言ってはぐらかしているだけですわ。勇者ちゃんは美女ばかりを仲間にしているのが気に食わないのでしょ?」
「・・・ハッ!?そうだった!! んもーーー!!!リョウ!あたしを馬鹿にしてるーー!!」
ルナ様め。余計な事を・・・。
「勿論1番の美女はこの私ですけどね。」とか言ってるのは誰も聞いてないぞ。
「・・・ふ〜ん。ならカティ、言葉が通じない従魔達とどう交流を図る?」
「え?・・・え、えーっと・・・・・・??」
「明日から互いに生命を預ける仲間だぞ。どうする?」
カティが無い知恵を絞って唸っている。
またはぐらかした事に気付いてない。馬鹿過ぎる。
「・・・な・・・ナデナデ!動物はナデナデすればイケるの!!」
「ほぅ、ナデナデしてグッボーイか。やってみればいい。」
ボーイではなくガールだが、まぁどうでもいいな。
「い、イムちゃん!!おいで!ナデナデさせて!!」
「・・・・・・だめ。ぜったい。」
「な、なんで!!? じゃあメイドさんのワンちゃん!アタマ・・・いや、ミミかシッポ触らせて!!」
「今の人間形態では耳も尻尾もありませんので。それにご主人様以外に触られるなど虫酸が走ります。」
「そんなに!!? じゃ、じゃあトリさんは・・・?」
「嫌よ。毎日整えてるんだから崩さないでよ。」
「クモさんは・・・ごめんね。」
「は?何で断られる側なの?殺すわよ。」
メイコちゃん可哀想。こんなに可愛いのにね。
代わりに僕がメイコの頭をナデナデしてやろうと手を伸ばすと、ものすごい勢いで払われた。
・・・ご主人様でもこんなんなんで、諦めて下さい。
「はぁ〜。貴方達、もうちょっと静かにしなさい。恥ずかしいですわ。」
と、次々と運ばれて来る料理を肴にしようと、気持ちの良い音を立てて缶の蓋を開けているルナ様。
・・・って缶チューハイぃ!!?幼女が酒飲んでんぞ!?いやそれより明らかにこの世界の物じゃないじゃん!!
ルナ様ぁ!僕達の方が恥ずかしいっす!!!
「・・・っておい。僕の酒は?」
そして僕の目の前に置かれたのは、注文した筈のエールビールではなく、よく分からんジュースだった。
「ダメ!?リョウ!大人になる前にお酒なんか飲んだら!!」
カティが僕の頼んだ酒をイムに渡していた。
イムはそれをがぶ飲みしている。
「ハァーーーー!!?僕はもう孤児院から出たんだよ!だったらもう大人だろうが!!」
「ダメったらダメ!!ちゃんと大人になってから!不良になっちゃうでしょ!?」
「そんな法律ありませんー!お酒飲んたくらいで不良になんかなりませんー!」
「学園のみんなと約束したんだもん!卒業したらみんなと一緒に飲むの!」
「僕は学園なんて関係ねぇんだよ!!勝手にやれよ!マルタとかホムト君とかと一緒に飲めばいいだろ! ていうか誰よあの男!!浮気よ!不純異性交遊だわ!私の身体が目的だったのね!!」
「ほ、ほほほ!ホムト君はかんけぬにゃい!あたしとホムト君は何も無いもぬぁ!!!」
「ああああ嗚呼あああああ!!!!あるのか!?あったんだな!?大人の階段登ったな!?君はまだシンデレラか!?先に!キサマが!私よりも先にぃ!!ギィィィィィィィィィィ!!」
「・・・・・・り、リョウには関係ないでしょ。」
「はい出たあああああ!男を知った女の顔おおおおお!!どうだった!?どうでしたか!?僕のよりおっきいですか!?(カチャカチャ)」
「ギャアアアアアアアアア!!!こんなところで何してんの!!!?」
「おっ!?リョ〜君いいぞ〜!脱げ脱げ〜〜!!」
「ぬげ〜。」
「ピノ!イム!煽っている場合ですか!?非常に残念ですが、止めねばご主人様がここで終わってしまいますよ!!非常に・・・非常に残念ですが!!!」
「・・・残念なのはあんたもよ。本当、最低だわ。」
「・・・やれやれ、賑やかなものね。 ま、今のうちに騒げばいいわ。本番はまだまだ先ですからね・・・。」
度数の低い酎ハイをちびちびと飲みながら、ルナ様は独り言つ。
その言葉は、誰の耳にも届いて居なかった・・・。
◆◆◆
「ありがとうございま〜す。」
ウエイトレスに見送られ、店をでる。
海の魚を食べたのはいつ以来だろう。好みの味付けではなかったが、久しぶり食べた魚は美味しかった。
店の名前のわりに青魚が1つも無かったな・・・まぁどうでもいいけど。
「えへへ〜、久しぶりに大勢で食事、楽しかった〜。」
「そうか良かったな。学園じゃあ食事はどうなってるんだ?」
「今年になってから授業はほとんど無いの。」
「あぁ・・・最後の1年間は、勲章もらうための1年って感じなんだな。」
「うん。だから同い年の子は寮にあまり居ないんだ。みんな頑張ってるみたいだよ。」
どこか寂しそうな顔してカティは答える。
寮の食堂で食事するのも1人になっちまうってことか。
・・・そうか。パーティー組むの禁止されてるんだ。
こういうとこでも独りなのか。
・・・・・・くそ。苛つくな。
「それよりさリョウ。お金出してくれたけど大丈夫なの?」
「気にするな。カティに出してもらおうとか、1ミリも考えてない。」
「むぅーー!なんでよ!!」
「お前が金を持ってねぇのは分かってるからさ。」
「・・・そんな事ないもん。少しくらいあるもん。」
やはりというかなんというか、無駄遣い・・・というか金の計算が出来ないところは直ってないらしい。おそらく僕がくれてやった金も使い果たしているだろう。
宵越しの銭は持たねぇと言えばカッコいいが、そんなんでこのファンタジーをどう生き残るつもりなんだろうかこの勇者様は。
「・・・よし。」
背中で酔い潰れている女神様を背負い直して、気合いを入れた。
「宿探さねぇとな。ルシル、メイコ。歩けるか?」
「勿論でございます。」
「・・・ふん。」
ルシルは酔い潰れたピノを背負い、メイコは、同じく酔い潰れたイムを引き摺って運んでいた。
・・・いやぁメイコさん。今のイムって人間形態なんですよ。スライムの時ならいいですけど、人間を引き摺るのはちょっと・・・。
「・・・今日はありがとね、リョウ。・・・また、明日ね。」
僕達が歩き出そうとすると、カティがそんな事を言って背を向ける。
「カティ、何処へ行くんだ?」
「・・・どこって?学園の寮に帰るんだよ。」
「そんなところに帰る必要ないだろ。行くぞ。」
「行くって・・・どこへ?」
「それはこれから探すの。7人で泊まれる宿をな。」
「それって・・・・・・いいの?」
振り返ったカティは潤んだ瞳で上目遣いをしてくる。
うごおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?
油断したぁ!!クールに決める筈だったのにぃぃぃ!!
なんて破壊的な瞳!壊れちゃう!私とカティの関係性壊れちゃうううううう!!!
ゲバルド氏をパパって呼ばなきゃいけなくなっちゃう!呼ばなきゃいけない身体になっちゃう!生命のときめきエキゾチーーーーーーック!!!?
「・・・喧しいわね。気持ち良く寝かせてもくれないのかしら?」
背中の幼女様がぼやいている。
狸寝入りで勝手に人の心を読んでいるのは貴女でしょう?こっちは叫び出すのを必死で抑えているというに。
「あっ・・・ごめんなさいルナ様。起こしちゃった。」
「構いませんわ勇者ちゃん。宿の件、私からもお願いできないかしら?リョウとは別の部屋を取るから、同室は魔物ばかりでしょう?獣臭くってイヤなのよ。」
また憎まれ口を言ってる。優しいのか性悪なのか分から・・・いや、性悪なんだけど。
「うん!!ありがとうね、リョウ、ルナ様!!」
「あらあら。私からお願い事をしたのに何でお礼を言われるのかしらね。 ほら、リョウ。あの勇者様と偉大な女神様が一緒に泊まるのですよ?もう2つくらいホテルのランクを上げてもらえる?」
「馬鹿言っちゃいけませんよ。アノールで何泊すると思ってるんですか。」
以外にもルナ様は、今まで泊まってきた安宿に文句を言ってこない。
ルナ様なら高級宿に泊まらせろと文句を言ってくるかと思ってていたのだが、杞憂に終わっている。
「なら、イワシ食い亭でいいんじゃない?宿もやってるって言ってたわよ?」
「えー!?お魚ばかりじゃ飽きちゃいますよルナ様!それならあっちのジビエ食い亭がいいんじゃないですか?」
だから好きなだけ食えって。
何でそんな名前の店ばっかりなんだよ。そりゃ最後に亭を付けるのはファンタジーでは定番だろうけどさ。
食い物の話なら五月蝿い奴が2匹居るんだが、そいつらは今酔い潰れている。決めてしまうなら今しかない。
「まぁまずは値段見てからですね。」
「お金の事ばっかり気にしてちっさい男ね。心配しなくてもこの辺の冒険者用の宿は良心的なお値段ばっかりですわ。 そうね、ジビエ食い亭がいいんじゃないかしら?自家農場の精肉が売りのところよ。そこの五月蝿い魔物達も満足するでしょ。」
「・・・そんな良さそうなところ、部屋が空いてないんじゃないすか?」
「空いてるわよ。6人部屋とシングルが丁度空いてるわ。」
携帯も無い世界で、宿泊予約サイト並の情報を持ってる女神が一緒に居ると便利でいいですね。折角狭い世界から飛び出せたというのに宿も飯も勝手に決めてくれるんだから。
ていうかジビエ食えよ。店主の口にミノタウロスの肉ぶち込んでやろうか?
「えへへ、良かったねリョウ!ホラホラ、早くいこ!」
「ちょ、ちょっと待て!引っ張るなカティ!」
「ギャーーース!!?コラッ!リョウ!女神であるこの私を背中から落とすとは何事ですか!?」
眠らない街アノールで悪目立ちをしながら、勇者のパーティーは今夜の宿へ向かう。
勇者のパーティーに、リョウと従魔達、そして女神加わった。




